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九州大学/2007年度/前期

九州大学 2007年 数学 第1問解答・解説

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1問題

九州大学2007年度第1問配点 50点

この問題の解答は,解答紙13の定められた場所に記入しなさい。 [問題] f(x)=xexf(x)=xe^{x} とおく。また pp を p≧0p\geq0 を満たす数とし,曲線 y=f(x)y=f(x) 上の点 P(p,f(p))P(p,f(p)) における接線の方程式を y=g(x)y=g(x) とおく。ただし,ee は自然対数の底である。このとき,次の問いに答えよ。   (1) x≧0x\geq0 において f(x)≧g(x)f(x)\geq g(x) が成り立つことを示せ。   (2) LL を正の数とする。曲線 y=f(x)y=f(x),接線 y=g(x)y=g(x),および2直線 x=0x=0,x=Lx=L で囲まれた部分の面積を S(p)S(p) とするとき,p≧0p\geq0 における S(p)S(p) の最小値を与える pp の値を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

点Pにおける接線g(x)を求め、h(x)=f(x)-g(x)の第2次導関数h''(x)=f''(x)=(x+2)e^xがx≧0で正であることからh'(x)の単調増加性を示し、h'(p)=0との組合せでh(x)がx=pで最小値0をとることを用いて(1)を示した。(1)の結果からS(p)を0≦x≦Lの範囲でのf-gの定積分として書き下し、部分積分で閉じた式を得た後、pに関して微分してS'(p)を(p+2)e^p(p-L/2)の定数倍に因数分解し、符号解析によりp=L/2で最小になることを(2)で示した。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) x≧0 のとき f(x)≧g(x) (等号は x=p のときに限る).(1)\ x\geq0\ \text{のとき}\ f(x)\geq g(x)\ \left(\text{等号は}\ x=p\ \text{のときに限る}\right).
    (2) p=L2\displaystyle (2)\space{}p=\dfrac{L}{2}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

準備

f(x)=xe^{x} とすると

f'(x)=e^{x}+xe^{x}=(x+1)e^{x},   f''(x)=e^{x}+(x+1)e^{x}=(x+2)e^{x}

である。点 P(p,f(p))P(p,f(p))(p≧0p\geq0)における接線は

g(x)=f(p)+f'(p)(x-p)=pe^{p}+(p+1)e^{p}(x-p)

であり,これを整理すると

g(x)=(p+1)e^{p}x-p^{2}e^{p}

を得る。特に g(p)=f(p)=pepg(p)=f(p)=pe^{p},g′(x)=(p+1)epg'(x)=(p+1)e^{p}(xx によらない定数)である。

(1) x≧0x\geq0 において f(x)≧g(x)f(x)\geq g(x) が成り立つことを示す。

h(x)=f(x)−g(x)(x≧0)h(x)=f(x)-g(x)\quad(x\geq0)

とおく。定義から h(p)=f(p)−g(p)=0h(p)=f(p)-g(p)=0 である。

h'(x)=f'(x)-g'(x)=(x+1)e^{x}-(p+1)e^{p}

であるから,特に h′(p)=(p+1)ep−(p+1)ep=0h'(p)=(p+1)e^{p}-(p+1)e^{p}=0 である。さらに

h''(x)=f''(x)=(x+2)e^{x}

であり,x≧0x\geq0 のとき x+2>0x+2>0,ex>0e^{x}>0 より h′′(x)>0h''(x)>0 となる。ゆえに h′(x)h'(x) は x≧0x\ge0 の範囲で単調増加である。

場合分け.

p=0p=0 のとき:h′(x)h'(x) は x≧0x\ge0 で単調増加かつ h′(0)=0h'(0)=0 であるから,x>0x>0 で h′(x)>0h'(x)>0。したがって h(x)h(x) は x≧0x\ge0 で単調増加(x>0x>0 で増加)であり,h(x)≧h(0)=0h(x)\geq h(0)=0(等号は x=0=px=0=p のときに限る)。

p>0p>0 のとき:h′(x)h'(x) の単調増加性と h′(p)=0h'(p)=0 より,0≦x<p0\leq x<p では h′(x)<h′(p)=0h'(x)<h'(p)=0,x>px>p では h′(x)>h′(p)=0h'(x)>h'(p)=0。よって h(x)h(x) は 0≦x≦p0\le x\le p で単調減少,x≧px\ge p で単調増加であり,x≧0x\ge0 の範囲の最小値は h(p)=0h(p)=0 で与えられる。ゆえに h(x)≧h(p)=0h(x)\geq h(p)=0(等号は x=px=p のときに限る)。

いずれの場合も x≧0x\geq0 で h(x)=f(x)−g(x)≧0h(x)=f(x)-g(x)\geq0,すなわち

f(x)≧g(x)(x≧0)f(x)\geq g(x)\quad(x\geq0)

が成り立つ。(証明終)

(2) S(p)S(p) の最小値を与える pp の値を求める。

(1) により,p≧0p\geq0 のとき x≧0x\geq0 の全域で f(x)≧g(x)f(x)\geq g(x) であるから,特に 0≦x≦L0\le x\le L の範囲でも f(x)≧g(x)f(x)\geq g(x) が成り立つ。したがって曲線 y=f(x)y=f(x),接線 y=g(x)y=g(x),および2直線 x=0, x=Lx=0,\ x=L で囲まれた部分の面積は

S(p)=∫0L(f(x)−g(x)) dx=∫0L(xex−(p+1)epx+p2ep)dx\displaystyle S(p)=\int_0^L(f(x)-g(x))\,dx=\int_0^L\left(xe^x-(p+1)e^px+p^2e^p\right)dx

で与えられる。部分積分により

∫0L\displaystyle \int_{0}^{L}xe^{x} dx=[\Bigl[xe^{x}-e^{x}]0L\Bigr]_{0}^{L}=(L-1)e^{L}-(-1)=(L-1)e^{L}+1

であり,また

∫0L\displaystyle \int_{0}^{L}(p+1)e^{p}x dx=(p+1)e^{p}⋅\cdotL22\displaystyle \frac{L^{2}}{2},  ∫0L\displaystyle \int_{0}^{L}p^{2}e^{p} dx=p^{2}e^{p}L

であるから,

S(p)=(L-1)e^{L}+1-L22\displaystyle \frac{L^{2}}{2}(p+1)e^{p}+Lp^{2}e^{p}

を得る。右辺第1・2項は pp によらない定数なので,これを C=(L−1)eL+1C=(L-1)e^{L}+1 とおき

A(p)=-L22\displaystyle \frac{L^{2}}{2}(p+1)e^{p}+Lp^{2}e^{p}

とすると S(p)=C+A(p)S(p)=C+A(p) である。積の微分法により

ddp\displaystyle \frac{d}{dp}[\bigl[(p+1)e^{p}]\bigr]=e^{p}+(p+1)e^{p}=(p+2)e^{p},   ddp\displaystyle \frac{d}{dp}[\bigl[p^{2}e^{p}]\bigr]=2pe^{p}+p^{2}e^{p}=p(p+2)e^{p}

であるから

A′(p)=−L22(p+2)ep+Lp(p+2)ep=(p+2)ep(Lp−L22)=L(p+2)ep(p−L2)\displaystyle A^\prime(p)=-\frac{L^2}{2}(p+2)e^p+Lp(p+2)e^p=(p+2)e^p\left(Lp-\frac{L^2}{2}\right)=L(p+2)e^p\left(p-\frac L2\right)

となる。L>0L>0 は定数,p≧0p\geq0 のとき p+2>0p+2>0,ep>0e^{p}>0 であるから,S′(p)=A′(p)S'(p)=A'(p) の符号は p−L2\displaystyle p-\dfrac{L}{2} の符号と一致する。したがって

0≦\leq p<L2\displaystyle \frac{L}{2} で S'(p)<0,   p=L2\displaystyle \frac{L}{2} で S'(p)=0,   p>L2\displaystyle \frac{L}{2} で S'(p)>0

であり,S(p)S(p) は 0≦p≦L2\displaystyle 0\le p\le\dfrac L2 で単調減少,p≧L2\displaystyle p\ge\dfrac L2 で単調増加である。L>0L>0 より L2>0\displaystyle \dfrac{L}{2}>0 は定義域 p≧0p\geq0 に含まれるから,S(p)S(p)(p≧0p\geq0)は p=L2\displaystyle p=\dfrac{L}{2} で最小値をとる。

以上より,S(p)S(p) の最小値を与える pp の値は

p=L2\displaystyle \frac{L}{2}

である。

この問題で使う考え方

  • 積の微分
  • 指数・対数関数の微分
  • 曲線の接線
  • 第二次導関数
  • 導関数と増減
  • 極大・極小
  • 部分積分法
  • 三角・指数・対数関数等の積分

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