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九州大学/2007年度/前期

九州大学 2007年 数学 第3問解答・解説

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1問題

九州大学2007年度第3問配点 50点

この問題の解答は,解答紙15の定められた場所に記入しなさい。 [問題] aa,bb を正の数とし,空間内の3点 A(a,−a,b)A(a,-a,b),B(−a,a,b)B(-a,a,b),C(a,a,−b)C(a,a,-b) を考える。AA,BB,CC を通る平面を α\alpha,原点 OO を中心とし AA,BB,CC を通る球面を SS とおく。このとき,次の問いに答えよ。

(1) 線分 ABAB の中点を DD とするとき,DC→⊥AB→\overrightarrow{DC}\perp\overrightarrow{AB} および DO→⊥AB→\overrightarrow{DO}\perp\overrightarrow{AB} であることを示せ。また,△ABC\triangle ABC の面積を求めよ。

(2) ベクトル DC→\overrightarrow{DC} と DO→\overrightarrow{DO} のなす角を θ\theta とするとき,sin⁡θ\sin\theta を求めよ。また,平面 α\alpha に垂直で原点 OO を通る直線と平面 α\alpha との交点を HH とするとき,線分 OHOH の長さを求めよ。

(3) 点 PP が球面 SS 上を動くとき,四面体 ABCPABCP の体積の最大値を求めよ。ただし,PP は平面 α\alpha 上にはないものとする。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) DC→⋅AB→=0, DO→⋅AB→=0, △ABC=2aa2+2b2.(2) sin⁡θ=aa2+2b2=aa2+2b2a2+2b2,OH=aba2+2b2=aba2+2b2a2+2b2.(3) Vmax⁡=2a3(ab+(2a2+b2)(a2+2b2))=2a3(ab+2a4+5a2b2+2b4).\displaystyle (1)\space{}\overrightarrow{DC}\cdot\overrightarrow{AB}=0,\space{}\overrightarrow{DO}\cdot\overrightarrow{AB}=0,\space{}\triangle ABC=2a\sqrt{a^2+2b^2}. (2)\space{}\sin\theta=\dfrac{a}{\sqrt{a^2+2b^2}}=\dfrac{a\sqrt{a^2+2b^2}}{a^2+2b^2},\quad OH=\dfrac{ab}{\sqrt{a^2+2b^2}}=\dfrac{ab\sqrt{a^2+2b^2}}{a^2+2b^2}. (3)\space{}V_{\max}=\dfrac{2a}{3}\left(ab+\sqrt{(2a^2+b^2)(a^2+2b^2)}\right)=\dfrac{2a}{3}\left(ab+\sqrt{2a^4+5a^2b^2+2b^4}\right).

3解答

解答を見る途中式つきの解答

a,ba,b を正の数とし,空間内の3点 A(a,−a,b),B(−a,a,b),C(a,a,−b)A(a,-a,b),\qquad B(-a,a,b),\qquad C(a,a,-b) を考える。線分 ABAB の中点を DD とすると D=(a+(−a)2, −a+a2, b+b2)=(0,0,b)\displaystyle D=\left(\frac{a+(-a)}{2},\ \frac{-a+a}{2},\ \frac{b+b}{2}\right)=(0,0,b) である。

(1)

DC→=C−D=(a, a, −2b),AB→=B−A=(−2a, 2a, 0),DO→=O−D=(0, 0, −b)\overrightarrow{DC}=C-D=(a,\ a,\ -2b),\qquad \overrightarrow{AB}=B-A=(-2a,\ 2a,\ 0),\qquad \overrightarrow{DO}=O-D=(0,\ 0,\ -b) であるから DC→⋅AB→=a⋅(−2a)+a⋅2a+(−2b)⋅0=0,DO→⋅AB→=0⋅(−2a)+0⋅2a+(−b)⋅0=0.\overrightarrow{DC}\cdot\overrightarrow{AB}=a\cdot(-2a)+a\cdot 2a+(-2b)\cdot 0=0, \qquad \overrightarrow{DO}\cdot\overrightarrow{AB}=0\cdot(-2a)+0\cdot 2a+(-b)\cdot 0=0. AB→≠0⃗\overrightarrow{AB}\neq\vec{0} であるから,これより DC→⊥AB→,DO→⊥AB→\overrightarrow{DC}\perp\overrightarrow{AB},\qquad \overrightarrow{DO}\perp\overrightarrow{AB} が示された。

DD は辺 ABAB の中点であり,かつ DC→⊥AB→\overrightarrow{DC}\perp\overrightarrow{AB} であるから,線分 DCDC は △ABC\triangle ABC において底辺 ABAB に対応する高さ(中線かつ垂線)である。よって ∣AB→∣=(−2a)2+(2a)2+02=22 a,∣DC→∣=a2+a2+(−2b)2=2a2+4b2|\overrightarrow{AB}|=\sqrt{(-2a)^2+(2a)^2+0^2}=2\sqrt{2}\,a,\qquad |\overrightarrow{DC}|=\sqrt{a^2+a^2+(-2b)^2}=\sqrt{2a^2+4b^2} より △ABC=12 ∣AB→∣ ∣DC→∣=12⋅22 a⋅2a2+4b2=2 a⋅2a2+2b2=2aa2+2b2.\displaystyle \triangle ABC=\frac12\,|\overrightarrow{AB}|\,|\overrightarrow{DC}| =\frac12\cdot 2\sqrt2\,a\cdot\sqrt{2a^2+4b^2} =\sqrt2\,a\cdot\sqrt2\sqrt{a^2+2b^2} =2a\sqrt{a^2+2b^2}.

(2)

DC→⋅DO→=a⋅0+a⋅0+(−2b)(−b)=2b2,∣DC→∣=2a2+2b2,∣DO→∣=b\overrightarrow{DC}\cdot\overrightarrow{DO}=a\cdot0+a\cdot0+(-2b)(-b)=2b^2,\qquad |\overrightarrow{DC}|=\sqrt2\sqrt{a^2+2b^2},\qquad |\overrightarrow{DO}|=b であるから cos⁡θ=DC→⋅DO→∣DC→∣ ∣DO→∣=2b22a2+2b2⋅b=2 ba2+2b2.\displaystyle \cos\theta=\frac{\overrightarrow{DC}\cdot\overrightarrow{DO}}{|\overrightarrow{DC}|\,|\overrightarrow{DO}|} =\frac{2b^2}{\sqrt2\sqrt{a^2+2b^2}\cdot b}=\frac{\sqrt2\,b}{\sqrt{a^2+2b^2}}. よって sin⁡2θ=1−cos⁡2θ=1−2b2a2+2b2=a2a2+2b2.\displaystyle \sin^2\theta=1-\cos^2\theta=1-\frac{2b^2}{a^2+2b^2}=\frac{a^2}{a^2+2b^2}. 0<θ<π0<\theta<\pi であり a>0a>0 より sin⁡θ>0\sin\theta>0 だから sin⁡θ=aa2+2b2=aa2+2b2a2+2b2.\displaystyle \sin\theta=\frac{a}{\sqrt{a^2+2b^2}}=\frac{a\sqrt{a^2+2b^2}}{a^2+2b^2}.

次に OHOH を求める。DC→⊥AB→\overrightarrow{DC}\perp\overrightarrow{AB} かつ D,CD,C は平面 α\alpha 上の点であるから,直線 DCDC は平面 α\alpha 内にあって AB→\overrightarrow{AB} に垂直な唯一の(向きの)直線である。一方 DO→⊥AB→\overrightarrow{DO}\perp\overrightarrow{AB} であり,かつ平面 α\alpha の法線ベクトルも AB→\overrightarrow{AB} に垂直であるから,DC→\overrightarrow{DC},DO→\overrightarrow{DO},平面 α\alpha の法線ベクトルはすべて「AB→\overrightarrow{AB} に垂直な平面(2次元)」内にある。この2次元平面内で,平面 α\alpha の方向は DC→\overrightarrow{DC} 方向,法線方向は DC→\overrightarrow{DC} に直交する方向であるから,DO→\overrightarrow{DO} を DC→\overrightarrow{DC} 方向の成分と法線方向の成分に直交分解すると,法線方向の成分の大きさは ∣DO→∣sin⁡θ|\overrightarrow{DO}|\sin\theta である(θ\theta は DC→\overrightarrow{DC} と DO→\overrightarrow{DO} のなす角だから)。DD は平面 α\alpha 上の点であるから,この法線成分の大きさがそのまま,原点 OO から平面 α\alpha までの距離,すなわち OHOH に等しい。ゆえに OH=∣DO→∣sin⁡θ=b⋅aa2+2b2=aba2+2b2=aba2+2b2a2+2b2.\displaystyle OH=|\overrightarrow{DO}|\sin\theta=b\cdot\frac{a}{\sqrt{a^2+2b^2}}=\frac{ab}{\sqrt{a^2+2b^2}}=\frac{ab\sqrt{a^2+2b^2}}{a^2+2b^2}.

(3)

球面 SS は中心 OO,半径 R=OA=a2+(−a)2+b2=2a2+b2R=OA=\sqrt{a^2+(-a)^2+b^2}=\sqrt{2a^2+b^2} の球面である。四面体 ABCPABCP の体積は,点 PP と平面 α\alpha の距離を hh として V=13⋅△ABC⋅h\displaystyle V=\frac13\cdot\triangle ABC\cdot h であり,△ABC=2aa2+2b2\triangle ABC=2a\sqrt{a^2+2b^2} は PP によらず一定であるから,VV が最大になるのは hh が最大になるときである。

平面 α\alpha 上の点 HH から OO の向きを表す単位法線ベクトルを n^=HO→∣HO→∣\displaystyle \hat n=\dfrac{\overrightarrow{HO}}{|\overrightarrow{HO}|} とする。空間の点 XX に対して,平面 α\alpha からの符号付き距離を f(X)=HX→⋅n^f(X)=\overrightarrow{HX}\cdot\hat n と定めると,ff は XX の1次式であり,f(H)=0f(H)=0,f(O)=HO→⋅n^=OHf(O)=\overrightarrow{HO}\cdot\hat n=OH である。PP が球面 SS 上の点のとき,OP→=v⃗\overrightarrow{OP}=\vec v(∣v⃗∣=R|\vec v|=R)とおくと f(P)=f(O)+OP→⋅n^=OH+v⃗⋅n^.f(P)=f(O)+\overrightarrow{OP}\cdot\hat n=OH+\vec v\cdot\hat n. n^\hat n は単位ベクトルだから v⃗⋅n^≦∣v⃗∣ ∣n^∣=R\vec v\cdot\hat n\le|\vec v|\,|\hat n|=R であり,等号は v⃗=Rn^\vec v=R\hat n のときに限り成り立つ。ゆえに f(P)≦OH+Rf(P)\le OH+R であり,PP と平面 α\alpha の距離は h=∣f(P)∣h=|f(P)| である。OH>0OH>0,−R≦v⃗⋅n^≦R-R\le \vec v\cdot\hat n\le R より f(P)f(P) の取り得る値の範囲は OH−R≦f(P)≦OH+ROH-R\le f(P)\le OH+R であるが,OH>0OH>0 より OH+R>∣OH−R∣OH+R>|OH-R| が成り立つから,hh の最大値は OH+ROH+R であり,これは v⃗=Rn^\vec v=R\hat n,すなわち P=O+Rn^P=O+R\hat n (点 HH に対して OO の反対側に,直線 OHOH の延長線上で球面 SS と交わる点)のとき達成される。このとき h=OH+R>0h=OH+R>0 であるから PP は平面 α\alpha 上にはなく,問題の条件を満たす。

したがって,四面体 ABCPABCP の体積の最大値は Vmax⁡=13⋅△ABC⋅(OH+R)=13⋅2aa2+2b2(aba2+2b2+2a2+b2)\displaystyle V_{\max}=\frac13\cdot\triangle ABC\cdot(OH+R) =\frac13\cdot 2a\sqrt{a^2+2b^2}\left(\frac{ab}{\sqrt{a^2+2b^2}}+\sqrt{2a^2+b^2}\right) =2a3(ab+2a2+b2⋅a2+2b2)=2a3(ab+(2a2+b2)(a2+2b2))=2a3(ab+2a4+5a2b2+2b4).\displaystyle =\frac{2a}{3}\left(ab+\sqrt{2a^2+b^2}\cdot\sqrt{a^2+2b^2}\right) =\frac{2a}{3}\left(ab+\sqrt{(2a^2+b^2)(a^2+2b^2)}\right) =\frac{2a}{3}\left(ab+\sqrt{2a^4+5a^2b^2+2b^4}\right).

(検算)a=b=1a=b=1 を代入すると,△ABC=23\triangle ABC=2\sqrt3,R=3R=\sqrt3,OH=13\displaystyle OH=\dfrac1{\sqrt3} より OH+R=13+3=43\displaystyle OH+R=\dfrac1{\sqrt3}+\sqrt3=\dfrac{4}{\sqrt3} であるから Vmax⁡=13⋅23⋅43=83.\displaystyle V_{\max}=\frac13\cdot2\sqrt3\cdot\frac{4}{\sqrt3}=\frac83. 一方,上の式に a=b=1a=b=1 を代入すると 23(1+2+5+2)=23(1+3)=83\displaystyle \dfrac{2}{3}\left(1+\sqrt{2+5+2}\right)=\dfrac{2}{3}\left(1+3\right)=\dfrac83 となり,一致する。

この問題で使う考え方

  • ベクトルの成分表示
  • 空間座標と空間ベクトル
  • ベクトルの内積
  • ベクトルによる図形の考察
  • 空間図形の計量

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