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九州大学/2007年度/前期

九州大学 2007年 数学 第4問解答・解説

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1問題

九州大学2007年度第4問配点 50点

この問題の解答は,解答紙16の定められた場所に記入しなさい。 [問題] さいころを3回続けて投げて出た目を順に aa,bb,cc とする。これらの数 aa,bb,cc に対して2次方程式 ax2+bx+c=0(*)ax^{2}+bx+c=0\tag{*} を考える。ただし,さいころはどの目も同様に確からしく出るものとする。このとき,次の問いに答えよ。   (1) 2次方程式(*)が異なる二つの実数の解をもつとき,積 acac の取りうる値を求め,積 acac の各値ごとに可能な aa と cc の組 (a,c)(a,c) がそれぞれ何通りあるかを求めよ。   (2) 2次方程式(*)が異なる二つの有理数の解をもつ確率を求めよ。ただし,一般に自然数 nn が自然数の2乗でなければ n\sqrt{n} は無理数であることを用いてよい。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

判別式D=b^2-4acを用いて条件を整理する。(1)は、bの最大値6からacの上限(ac≦8)を導き、それぞれ1から6までの整数であるa,cの積を値ごとに分類して(a,c)の組数を数える。(2)は、問題文で使用を許された「自然数nが自然数の2乗でなければ√nは無理数」という事実により、有理数解をもつ条件をDが正の平方数であることに翻訳し、b=1,…,6の各場合についてD=b^2-4acが正の平方数になる(a,c)をしらみつぶしに数え上げ、全216通りに対する確率を求めた。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)ac∈{1,2,3,4,5,6,8} (1)\quad ac\in\{1,2,3,4,5,6,8\}\space{} の7通り.ac=1:1.\quad ac=1:1通り, ac=2:2,\space{}ac=2:2通り, ac=3:2,\space{}ac=3:2通り, ac=4:3,\space{}ac=4:3通り, ac=5:2,\space{}ac=5:2通り, ac=6:4,\space{}ac=6:4通り, ac=8:2,\space{}ac=8:2通り.
    (2)572\displaystyle (2)\quad \dfrac{5}{72}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1)  2次方程式 (*) の判別式を D=b2−4acD=b^{2}-4ac とする。(*) が異なる二つの実数解をもつ条件は D>0D>0、すなわち b2>4acb^{2}>4ac である。  a,b,ca,b,c はいずれも1から6までの整数(さいころの目)だから、bb の最大値は6であり、b2b^{2} の最大値は36である。ある (a,c)(a,c) に対して b2>4acb^{2}>4ac を満たす bb が1から6の中に存在するための必要十分条件は、最大の b=6b=6 について 36>4ac36>4ac が成り立つこと、すなわち ac<9ac<9 である(ac<9ac<9 ならば b=6b=6 のとき b2=36>4acb^{2}=36>4ac が成り立ち条件を満たす bb が存在し、逆に ac≧9ac\ge 9 なら b=6b=6 でも b2=36≦4acb^{2}=36\le 4ac となり、どの bb でも条件を満たさない)。acac は整数だから ac<9ac<9 と ac≦8ac\le 8 は同値である。  よって、(*) が異なる二つの実数解をもつような (a,b,c)(a,b,c) が存在しうる (a,c)(a,c) は ac≦8ac\le 8 を満たすものである。a,ca,c がそれぞれ1から6までの整数であるとして積を調べると、ac=1: (a,c)=(1,1)1通りac=2: (1,2),(2,1)2通りac=3: (1,3),(3,1)2通りac=4: (1,4),(4,1),(2,2)3通りac=5: (1,5),(5,1)2通りac=6: (1,6),(6,1),(2,3),(3,2)4通りac=8: (2,4),(4,2)2通り\begin{aligned} ac=1:&\ (a,c)=(1,1)\quad 1\text{通り}\\ ac=2:&\ (1,2),(2,1)\quad 2\text{通り}\\ ac=3:&\ (1,3),(3,1)\quad 2\text{通り}\\ ac=4:&\ (1,4),(4,1),(2,2)\quad 3\text{通り}\\ ac=5:&\ (1,5),(5,1)\quad 2\text{通り}\\ ac=6:&\ (1,6),(6,1),(2,3),(3,2)\quad 4\text{通り}\\ ac=8:&\ (2,4),(4,2)\quad 2\text{通り} \end{aligned} (ac=7ac=7 は1から6の整数の積として実現できないので現れない。ac=9ac=9 は (3,3)(3,3) のみで実現するが、このときは b=6b=6 でも D=36−36=0D=36-36=0 となり重解となるため除かれる。)  したがって、積 acac の取りうる値は 1,2,3,4,5,6,81,2,3,4,5,6,8 の7通りであり、それぞれの値に対する (a,c)(a,c) の組の数は上記の通りである。    (2)  (*) が異なる二つの有理数の解をもつのは、判別式 D=b2−4acD=b^{2}-4ac が正であり、かつ DD が自然数の2乗であるとき、かつその時に限る。  実際、a,b,ca,b,c は整数で、解は x=−b±D2a\displaystyle x=\dfrac{-b\pm\sqrt{D}}{2a} である。DD が自然数の2乗でなければ、問題文で用いてよいとされた事実(自然数 nn が自然数の2乗でなければ n\sqrt{n} は無理数である)より D\sqrt{D} は無理数となり、整数 a,ba,b に対し −b±D2a\displaystyle \dfrac{-b\pm\sqrt{D}}{2a} は無理数となるから解は有理数にならない。逆に DD が自然数の2乗ならば D\sqrt{D} は整数(有理数)となり、解は有理数である。また D>0D>0 であることが「異なる二つ」の実数解であるための条件であり(D=0D=0 なら重解)、有理数解も当然実数解だから同じ条件を要する。  そこで D=b2−4acD=b^{2}-4ac が正の平方数となる (a,b,c)(a,b,c) (a,b,ca,b,c はそれぞれ1から6までの整数) を bb の値ごとに数える。b=1: D=1−4ac≦1−4<0 (ac≧1) よって D>0を満たすものなしb=2: D=4−4ac=4(1−ac)≦0 (ac≧1) よって D>0を満たすものなしb=3: D=9−4ac>0、すなわち ac≦2.ac=1:D=5(平方数でない), ac=2:D=1=12(平方数)よって(a,c)=(1,2),(2,1) の2通りb=4: D=16−4ac>0、すなわち ac≦3.ac=1:D=12, ac=2:D=8 (ともに平方数でない), ac=3:D=4=22よって(a,c)=(1,3),(3,1) の2通りb=5: D=25−4ac>0、すなわち ac≦6.ac=1,2,3,5:D=21,17,13,5 (いずれも平方数でない)ac=4:D=9=32 よって(1,4),(4,1),(2,2) の3通り;ac=6:D=1=12 よって(1,6),(6,1),(2,3),(3,2) の4通りb=6: D=36−4ac>0、すなわち ac≦8.ac=1,2,3,4,6:D=32,28,24,20,12 (いずれも平方数でない)ac=5:D=16=42 よって(1,5),(5,1) の2通り;ac=8:D=4=22 よって(2,4),(4,2) の2通り\begin{aligned} b=1:&\ D=1-4ac\le 1-4<0\ (ac\ge1)\ \text{よって}\ D>0\text{を満たすものなし}\\ b=2:&\ D=4-4ac=4(1-ac)\le 0\ (ac\ge1)\ \text{よって}\ D>0\text{を満たすものなし}\\ b=3:&\ D=9-4ac>0\text{、すなわち } ac\le 2.\quad ac=1:D=5(\text{平方数でない}),\ ac=2:D=1=1^{2}(\text{平方数})\\ &\text{よって} (a,c)=(1,2),(2,1)\ \text{の2通り}\\ b=4:&\ D=16-4ac>0\text{、すなわち } ac\le 3.\quad ac=1:D=12,\ ac=2:D=8\ (\text{ともに平方数でない}),\ ac=3:D=4=2^{2}\\ &\text{よって} (a,c)=(1,3),(3,1)\ \text{の2通り}\\ b=5:&\ D=25-4ac>0\text{、すなわち } ac\le 6.\quad ac=1,2,3,5:D=21,17,13,5\ (\text{いずれも平方数でない})\\ &ac=4:D=9=3^{2}\ \text{よって} (1,4),(4,1),(2,2)\ \text{の3通り};\quad ac=6:D=1=1^{2}\ \text{よって} (1,6),(6,1),(2,3),(3,2)\ \text{の4通り}\\ b=6:&\ D=36-4ac>0\text{、すなわち } ac\le 8.\quad ac=1,2,3,4,6:D=32,28,24,20,12\ (\text{いずれも平方数でない})\\ &ac=5:D=16=4^{2}\ \text{よって} (1,5),(5,1)\ \text{の2通り};\quad ac=8:D=4=2^{2}\ \text{よって} (2,4),(4,2)\ \text{の2通り} \end{aligned}   したがって条件を満たす (a,b,c)(a,b,c) の総数は 2+2+(3+4)+(2+2)=2+2+7+4=15 通り2+2+(3+4)+(2+2)=2+2+7+4=15\ \text{通り} さいころを3回投げたときの目の出方は 63=2166^{3}=216 通りですべて同様に確からしいから、求める確率は 15216=572.\displaystyle \dfrac{15}{216}=\dfrac{5}{72}.   [検算] 例えば b=5, (a,c)=(2,3)b=5,\ (a,c)=(2,3) のとき 2x2+5x+3=02x^{2}+5x+3=0 は (2x+3)(x+1)=0(2x+3)(x+1)=0 より x=−32,−1\displaystyle x=-\tfrac32,-1 で異なる有理数解をもつ。b=6, (a,c)=(4,2)b=6,\ (a,c)=(4,2) のとき 4x2+6x+2=04x^{2}+6x+2=0 は 2(2x+1)(x+1)=02(2x+1)(x+1)=0 より x=−12,−1\displaystyle x=-\tfrac12,-1 で異なる有理数解をもつ。他の12通りも同様に因数分解して確認でき、上の数え上げと矛盾しない。

この問題で使う考え方

  • 二次方程式の判別式
  • 実数と無理数
  • 確率の基本法則

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