準備(一般のtで成り立つ式)
x(t)=5cost+cos5t, y(t)=5sint−sin5t を微分すると dtdx=−5sint−5sin5t,dtdy=5cost−5cos5t. 加法定理により sin5t=sin(3t+2t)=sin3tcos2t+cos3tsin2t,sint=sin(3t−2t)=sin3tcos2t−cos3tsin2t の両辺を加えると sint+sin5t=2sin3tcos2t。よって dtdx=−5⋅2sin3tcos2t=−10sin3tcos2t.(∗) 同様に cos5t=cos(3t+2t)=cos3tcos2t−sin3tsin2t,cost=cos(3t−2t)=cos3tcos2t+sin3tsin2t の差をとると cost−cos5t=2sin3tsin2t。よって dtdy=5⋅2sin3tsin2t=10sin3tsin2t.(∗∗)
(1)
0<t<6π のとき 0<3t<2π より sin3t>0。また 0<2t<3π<2π より cos2t>0, sin2t>0。したがって(∗)より dtdx=−10sin3tcos2t<0 が成り立つ。さらに、この区間で sin3t=0 だから(∗),(∗∗)より dxdy=dx/dtdy/dt=−10sin3tcos2t10sin3tsin2t=−cos2tsin2t=−tan2t. 0<2t<3π<2π より tan2t>0 なので dxdy=−tan2t<0。 (証明終)
(2)
t=0 のとき (x,y)=(5+1,0)=(6,0)。t=6π のとき x=5cos6π+cos65π=253−23=23,y=5sin6π−sin65π=25−21=2, で、確かに y=31x(31⋅23=2)を満たす。よって求める図形は、原点O、(6,0)(x軸上)、(23,2)(直線y=x/3上)を結ぶ2本の線分と、0≦t≦π/6 に対応する曲線の弧とで囲まれる領域である。
r(t)=x(t)2+y(t)2>0 とし、(x,y)=(rcosθ,rsinθ) で偏角 θ(t) を定めると、直接の微分計算から xdtdy−ydtdx=rcosθ(r′sinθ+rcosθθ′)−rsinθ(r′cosθ−rsinθθ′)=r2θ′(t) という恒等式が成り立つ(rr′ の項は消える)。Oを通る線分上では位置ベクトルが原点のスカラー倍だから、その線分上で xdy−ydx=0 である。ゆえに、θ(t) が 0≦t≦π/6 の範囲で単調(θ(0)=0, θ(π/6)=π/6)であれば、囲まれた領域は極座標での扇形 {(ρ,θ):0≦θ≦π/6, 0≦ρ≦r(θ)} に一致し、面積は極方程式の面積公式 S=21∫r2dθ の置換 dθ=θ′(t)dt により S=21∫0π/6r(t)2θ′(t)dt=21∫0π/6(xdtdy−ydtdx)dt と表される。
実際、(∗),(∗∗)を用いると xdtdy−ydtdx=10sin3t(xsin2t+ycos2t). ここで xsin2t+ycos2t=(5cost+cos5t)sin2t+(5sint−sin5t)cos2t=5(costsin2t+sintcos2t)−(sin5tcos2t−cos5tsin2t) =5sin(t+2t)−sin(5t−2t)=5sin3t−sin3t=4sin3t だから xdtdy−ydtdx=10sin3t⋅4sin3t=40sin23t (≧0). したがって θ′(t)=r(t)240sin23t≧0 で、0<t<π/6 の範囲内では sin3t>0 より θ′(t)>0 となり、0≦t1<t2≦π/6 ならば θ(t1)<θ(t2) が成り立ち、θ は 0 から π/6 まで増加する。よって上の面積公式が使え、sin23t=21−cos6t より S=21∫0π/640sin23tdt=20∫0π/621−cos6tdt=10[t−6sin6t]0π/6=10(6π−0)=35π.
(3)
z(t)=x(t)+iy(t) とおくと z(t)=5cost+cos5t+i(5sint−sin5t)=5(cost+isint)+(cos5t−isin5t)=5eit+e−5it. x軸対称: 共役をとると z(t)=5e−it+e5it=z(−t)。複素平面での共役は実軸(x軸)に関する対称移動だから、点 z(t) のx軸に関する対称点は z(−t) である。x(t),y(t) は t について周期 2π(cos(t+2π)=cost, cos5(t+2π)=cos(5t+10π)=cos5t 等)だから、任意の実数 t に対し、−t と 2π の整数倍だけ異なる実数 u を −π≦u<π の範囲にとると、周期性から z(u)=z(−t) である。したがって z(−t) は常にC上の点であり、Cはx軸に関して対称である。
π/3回転: 複素数平面において、点zを原点中心に反時計回りに角φだけ回転した点は eiφz である。よって eiπ/3z(t)=eiπ/3(5eit+e−5it)=5ei(t+π/3)+ei(π/3−5t). 一方 z(t+3π)=5ei(t+π/3)+e−5i(t+π/3)=5ei(t+π/3)+e−5it−5iπ/3. 指数部分を比べると (π/3−5t)−(−5t−5π/3)=π/3+5π/3=2π であり、これは2πの整数倍だから ei(π/3−5t)=e−5it−5iπ/3 が(近似ではなく)恒等式として成り立つ。ゆえに eiπ/3z(t)=z(t+3π) がすべての実数tで成立する。上と同様に t+π/3 は(2πの平行移動で)Cのある点を表すパラメータだから、z(t) をπ/3回転した点は必ずC上にある。 (証明終)
(4)
dtdx=dtdy=0 となるのは(∗),(∗∗)より sin3t=0、すなわち t=kπ/3(k は整数) のときであり、これが尖点(進行方向が定義できない点)である。−π≦t<π 内では t=−π,−32π,−3π,0,3π,32π の6個。これらでのr2=x2+y2=26+10cos6t はすべて 26+10=36(r=6)で、(3)の回転対称性により60°おきに並ぶ: (6,0), (3,33), (−3,33), (−6,0), (−3,−33), (3,−33). 一方、隣り合う尖点の中間の方角(尖点から30°の位置、t=π/6+kπ/3 型)では cos6t=−1 となり r2=16(r=4)で最も原点に近づく。(2)で調べた (23,2)(および対称点 (23,−2) 等)がその代表例である。
以上をまとめると、Cは原点を中心とする半径6の円に内接する6個の尖点をもち、各尖点の間で半径4までへこむ、6弁の花びら状(6尖点の内サイクロイド型)の閉曲線である。x軸に関して対称、かつ原点中心のπ/3回転で自分自身に重なる(この対称性により、(2)で求めた 0≦t≦π/6 の基本弧を60°回転とx軸折り返しで合計12個並べれば曲線全体が得られる)。図示する際は、上記12個の点(尖点6個・半径4の点6個、いずれも30°間隔)を滑らかな凹凸曲線で結び、原点まわりに6回対称・x軸対称な花びら状の閉曲線として描けばよい。