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長崎大学/2009年度/前期

長崎大学 2009年 数学 第7問解答・解説

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1問題

長崎大学2009年度第7問

xyxy平面上に原点Oを中心とする半径1の円 S1S_1 と,点Aを中心とする半径1の円 S2S_2 がある。円 S2S_2 は円 S1S_1 に外接しながら,すべることなく円 S1S_1 のまわりを反時計回りに一周する。点Aの出発点は (2,0)(2,0) であり,円 S2S_2 上の点で,このとき (1,0)(1,0) に位置している点をPとする。点Aが (2,0)(2,0) から出発し,(2,0)(2,0) に戻ってくるとき,点Pの描く曲線をCとすると,図のようになる。

原点Oから右向きのx軸と上向きのy軸が矢印付きで伸び、Oを中心とする円S₁が描かれている。円の外側を囲む曲線Cは、右側のx軸上でくびれて円と接し、この位置に1と記されている。

また,動径OAとx軸の正の部分とのなす角が θ(0≦θ≦2π)\theta\quad(0\leq\theta\leq2\pi) であるときの点Pの座標を (x(θ),y(θ))(x(\theta),y(\theta)) とする。このとき,次の問いに答えよ。

(1) x(θ), y(θ)x(\theta),\ y(\theta) を θ\theta を用いて表せ。

(2) 曲線Cがx軸に関して対称であることを証明せよ。

(3) 曲線Cと円 S1S_1 によって囲まれた部分の面積を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

無滑り条件から点Pを媒介変数表示し、角度の対応で対称性を示す。半径と偏角の一周性からCが単純閉曲線で単位円を含むことを確認し、扇形三角形の面積和を積分にして囲まれた面積を求める。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)  x(θ)=2cos⁡θ−cos⁡2θ,y(θ)=2sin⁡θ−sin⁡2θ.(2)  Cはx軸対称.(3)  5π.\begin{aligned}\text{(1)}\;&x(\theta)=2\cos\theta-\cos2\theta,\quad y(\theta)=2\sin\theta-\sin2\theta.\\\text{(2)}\;&C\text{は}x\text{軸対称}.\\\text{(3)}\;&5\pi.\end{aligned}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

点Aは中心Oからの距離が2であり、OAと正のx軸との角がθ\thetaなので A=(2cos⁡θ, 2sin⁡θ)A=(2\cos\theta,\,2\sin\theta) である。er=(cos⁡θ,sin⁡θ)\boldsymbol e_r=(\cos\theta,\sin\theta)、eθ=(−sin⁡θ,cos⁡θ)\boldsymbol e_\theta=(-\sin\theta,\cos\theta)とおく。

円S2S_2とS1S_1の現在の接点をTとすると、AT→=−er\overrightarrow{AT}=-\boldsymbol e_r。点Aの速度は2θ˙eθ2\dot\theta\boldsymbol e_\thetaである。円S2S_2の回転角を初期状態から反時計回りにφ\varphiとすると、接点Tの回転による速度成分は−φ˙eθ-\dot\varphi\boldsymbol e_\thetaとなる。すべることがないから接点の速度は0であり、 2θ˙−φ˙=0.2\dot\theta-\dot\varphi=0. 初期値φ=0\varphi=0よりφ=2θ\varphi=2\theta。点Pは初めAP→=(−1,0)\overrightarrow{AP}=(-1,0)であるから、回転後は AP→=(−cos⁡2θ, −sin⁡2θ).\overrightarrow{AP}=(-\cos2\theta,\,-\sin2\theta). よって x(θ)=2cos⁡θ−cos⁡2θ,y(θ)=2sin⁡θ−sin⁡2θ.\boxed{x(\theta)=2\cos\theta-\cos2\theta,\qquad y(\theta)=2\sin\theta-\sin2\theta.} θ=0\theta=0ではP=(1,0)P=(1,0)、θ=2π\theta=2\piでもP=(1,0)P=(1,0)となり、出発点に戻る条件に合う。

(2) 0≦θ≦2π0\leq\theta\leq2\piに対し、 x(2π−θ)=2cos⁡θ−cos⁡2θ=x(θ),y(2π−θ)=−2sin⁡θ+sin⁡2θ=−y(θ).x(2\pi-\theta)=2\cos\theta-\cos2\theta=x(\theta),\qquad y(2\pi-\theta)=-2\sin\theta+\sin2\theta=-y(\theta). したがって、曲線上の点(x(θ),y(θ))(x(\theta),y(\theta))に対し、同じ曲線上にそのx軸対称点(x(θ),−y(θ))=(x(2π−θ),y(2π−θ))(x(\theta),-y(\theta))=(x(2\pi-\theta),y(2\pi-\theta))がある。ゆえにCはx軸に関して対称である。

(3) まず r2=x(θ)2+y(θ)2=5−4cos⁡θ≧1r^2=x(\theta)^2+y(\theta)^2=5-4\cos\theta\geq1 であり、等号はθ=0,2π\theta=0,2\piのときに限る。ただし、この不等式だけでは曲線Cが単純に一周することまでは分からないので、偏角を調べる。三角関数の加法定理から x+iy=(cos⁡θ+isin⁡θ)(2−cos⁡θ−isin⁡θ)x+i y=(\cos\theta+i\sin\theta)(2-\cos\theta-i\sin\theta) と因数分解できる。第2因子の実部は2−cos⁡θ≧12-\cos\theta\geq1なので、その偏角α(θ)\alpha(\theta)は−π/2<α(θ)<π/2-\pi/2<\alpha(\theta)<\pi/2の範囲で連続に定められ、α(0)=α(2π)=0\alpha(0)=\alpha(2\pi)=0である。従ってCの連続偏角を ϕ(θ)=θ+α(θ)\phi(\theta)=\theta+\alpha(\theta) とおくと、ϕ(0)=0, ϕ(2π)=2π\phi(0)=0,\ \phi(2\pi)=2\piとなる。

極座標x=rcos⁡ϕ, y=rsin⁡ϕx=r\cos\phi,\ y=r\sin\phiを微分するとxy′−yx′=r2ϕ′xy'-yx'=r^2\phi'である。ここで x′=−2sin⁡θ+2sin⁡2θ,y′=2cos⁡θ−2cos⁡2θ,x'=-2\sin\theta+2\sin2\theta,\qquad y'=2\cos\theta-2\cos2\theta, だから xy′−yx′=6(1−cos⁡θ),ϕ′=6(1−cos⁡θ)5−4cos⁡θ>0(0<θ<2π).\displaystyle xy'-yx'=6(1-\cos\theta),\qquad \phi'=\frac{6(1-\cos\theta)}{5-4\cos\theta}>0\quad(0<\theta<2\pi). よってϕ\phiは0から2π2\piまで一度だけ増加し、θ=0と2πの始点・終点だけが一致し、それ以外の異なるθではC上の点は重ならない。したがってCは単純閉曲線である。各方向の境界半径はr=5−4cos⁡θ≧1r=\sqrt{5-4\cos\theta}\geq1なので、単位円板はCが囲む領域に含まれ、Cとの共通点は(1,0)(1,0)である。

各小区間で原点と連続する境界点を結んだ三角形に分けると、その面積和は細分を細かくする極限で12∫r2 dϕ\displaystyle \frac12\int r^2\,d\phiとなる(微小な偏角Δϕ\Delta\phiに対する三角形面積が12r2Δϕ\displaystyle \frac12r^2\Delta\phiに近づくため)。したがって Cの内部の面積=12∫02πr2 dϕ=12∫02π(xy′−yx′) dθ=12∫02π6(1−cos⁡θ) dθ=6π.\displaystyle \begin{aligned} \text{Cの内部の面積} &=\frac12\int_0^{2\pi}r^2\,d\phi =\frac12\int_0^{2\pi}(xy'-yx')\,d\theta\\ &=\frac12\int_0^{2\pi}6(1-\cos\theta)\,d\theta=6\pi. \end{aligned} 円S1S_1の面積はπ\piなので、求める面積は 6π−π=5π.\boxed{6\pi-\pi=5\pi.}

この問題で使う考え方

  • 一般角と弧度法
  • 三角関数の相互関係
  • 曲線の媒介変数表示
  • 曲線で囲まれた面積
  • 不定積分・定積分の性質

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