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長崎大学/2023年度/前期

長崎大学 2023年 数学 第3問解答・解説

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1問題

長崎大学2023年度第3問

以下はそれぞれ個別の問題である。各問いに答えよ。

(1) 次のように,項数 mm の2つの等差数列 {an},{bn}\{a_{n}\},\{b_{n}\} がある。 {an}1,2,3,4,…,m−2,m−1,m{bn}m,m−1,m−2,…,4,3,2,1\begin{array}{ll} \{a_n\}&1,2,3,4,\ldots,m-2,m-1,m\\ \{b_n\}&m,m-1,m-2,\ldots,4,3,2,1 \end{array} 数列 {cn}\{c_{n}\} の一般項を cn=anbnc_{n}=a_{n}b_{n} とするとき,cnc_{n} の最大値,および ∑k=1mck\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{m}c_{k} をそれぞれ mm の式で表せ。

(2) △OAB\triangle OAB の3辺の長さは,それぞれ OA=2, AB=3, BO=3OA=2,\ AB=3,\ BO=3 である。頂点 OO から辺 ABAB に垂線を下ろし,直線 ABAB との交点を HH とする。また,△OAB\triangle OAB の重心を GG とする。GH→\overrightarrow{GH} を OA→\overrightarrow{OA} と OB→\overrightarrow{OB} を用いて表し,線分 GHGH の長さを求めよ。

(3) x>0x>0 のとき,不等式 log⁡(1+x)<x−x22+x33\displaystyle \log(1+x)<x-\frac{x^{2}}{2}+\frac{x^{3}}{3} が成り立つことを証明せよ。ただし,対数は自然対数とする。

(4) a,ba,b を定数とする。すべての実数 xx で連続な関数 f(x)f(x) について,等式 ∫abf(x) dx=∫abf(a+b−x) dx\displaystyle \int_{a}^{b}f(x)\,dx=\int_{a}^{b}f(a+b-x)\,dx が成り立つことを証明せよ。また,定積分 ∫12x2x2+(3−x)2 dx\displaystyle \int_{1}^{2}\frac{x^{2}}{x^{2}+(3-x)^{2}}\,dx を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) 最大値 ⌊(m+1)24⌋\displaystyle \left\lfloor\frac{(m+1)^2}{4}\right\rfloor、和 m(m+1)(m+2)6\displaystyle \frac{m(m+1)(m+2)}6 / (2) GHベクトル=4OA→−OB→9\displaystyle \frac{4\overrightarrow{OA}-\overrightarrow{OB}}9、GHの長さ=579\displaystyle \frac{\sqrt{57}}9 / (3) 不等式はすべてのx>0x>0で成立 / (4) 対称性の等式は成立し、定積分の値は12\displaystyle \frac12

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 項数から mm は正の整数であり、an=n, bn=m+1−na_n=n,\ b_n=m+1-n である。したがって cn=n(m+1−n)=−(n−m+12)2+(m+1)24.\displaystyle c_n=n(m+1-n)=-\left(n-\frac{m+1}{2}\right)^2+\frac{(m+1)^2}{4}. nn は整数なので、mm が奇数なら頂点 (m+1)/2(m+1)/2 は整数で、最大値は (m+1)2/4(m+1)^2/4 である。mm が偶数なら頂点は隣り合う二整数の中点であり、その二整数で最大となる。よっていずれの場合も最大値は ⌊(m+1)2/4⌋\left\lfloor (m+1)^2/4\right\rfloor である。また ∑k=1mck=∑k=1mk(m+1−k)=(m+1)m(m+1)2−m(m+1)(2m+1)6=m(m+1)(m+2)6.\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{m}c_k=\sum\limits _{k=1}^{m}k(m+1-k)=(m+1)\frac{m(m+1)}2-\frac{m(m+1)(2m+1)}6=\frac{m(m+1)(m+2)}6.

(2) a⃗=OA→, b⃗=OB→\vec{a}=\overrightarrow{OA},\ \vec{b}=\overrightarrow{OB} とおくと、∣a⃗∣=2, ∣b⃗∣=3, ∣b⃗−a⃗∣=3|\vec{a}|=2,\ |\vec{b}|=3,\ |\vec{b}-\vec{a}|=3 である。よって 9=∣b⃗−a⃗∣2=∣a⃗∣2+∣b⃗∣2−2a⃗⋅b⃗=4+9−2a⃗⋅b⃗,9=|\vec{b}-\vec{a}|^2=|\vec{a}|^2+|\vec{b}|^2-2\vec{a}\cdot\vec{b}=4+9-2\vec{a}\cdot\vec{b}, から a⃗⋅b⃗=2\vec{a}\cdot\vec{b}=2。HH は直線 ABAB 上にあるので OH→=a⃗+t(b⃗−a⃗)\overrightarrow{OH}=\vec{a}+t(\vec{b}-\vec{a}) とおく。OH⊥ABOH\perp AB より 0=OH→⋅(b⃗−a⃗)=(a⃗+t(b⃗−a⃗))⋅(b⃗−a⃗)=−2+9t,0=\overrightarrow{OH}\cdot(\vec{b}-\vec{a})=(\vec{a}+t(\vec{b}-\vec{a}))\cdot(\vec{b}-\vec{a})=-2+9t, したがって t=2/9t=2/9、OH→=(7a⃗+2b⃗)/9\overrightarrow{OH}=(7\vec{a}+2\vec{b})/9。重心の位置ベクトルは OG→=(a⃗+b⃗)/3\overrightarrow{OG}=(\vec{a}+\vec{b})/3 だから GH→=OH→−OG→=4a⃗−b⃗9=4OA→−OB→9.\displaystyle \overrightarrow{GH}=\overrightarrow{OH}-\overrightarrow{OG}=\frac{4\vec{a}-\vec{b}}9=\frac{4\overrightarrow{OA}-\overrightarrow{OB}}9. さらに GH2=∣4a⃗−b⃗∣281=16∣a⃗∣2+∣b⃗∣2−8a⃗⋅b⃗81=5781,\displaystyle GH^2=\frac{|4\vec{a}-\vec{b}|^2}{81}=\frac{16|\vec{a}|^2+|\vec{b}|^2-8\vec{a}\cdot\vec{b}}{81}=\frac{57}{81}, より GH=57/9GH=\sqrt{57}/9。

(3) F(x)=x−x22+x33−log⁡(1+x)\displaystyle F(x)=x-\dfrac{x^2}{2}+\dfrac{x^3}{3}-\log(1+x) とおく。x≧0x\geq0 で定義され、F(0)=0F(0)=0 である。また x>0x>0 では F′(x)=1−x+x2−11+x=x31+x>0.\displaystyle F'(x)=1-x+x^2-\frac1{1+x}=\frac{x^3}{1+x}>0. したがって FF は x≧0x\ge0 で増加し、x>0x>0 なら F(x)>F(0)=0F(x)>F(0)=0。これは求める不等式である。

(4) t=a+b−xt=a+b-x と置換すると、x=ax=a のとき t=bt=b、x=bx=b のとき t=at=a、dx=−dtdx=-dt である。よって ∫abf(a+b−x) dx=∫baf(t)(−dt)=∫abf(t) dt,\displaystyle \int_a^b f(a+b-x)\,dx=\int_b^a f(t)(-dt)=\int_a^b f(t)\,dt, となり、示された。I=∫12x2x2+(3−x)2 dx\displaystyle I=\int_1^2\frac{x^2}{x^2+(3-x)^2}\,dx とおく。1≦x≦21\le x\le2 で分母は正であり、g(x)=x2x2+(3−x)2\displaystyle g(x)=\dfrac{x^2}{x^2+(3-x)^2} とすると g(x)+g(3−x)=1g(x)+g(3-x)=1。上で示した積分の対称性を使えば ∫12g(3−x) dx=∫12g(x) dx=I\displaystyle \int_1^2g(3-x)\,dx=\int_1^2g(x)\,dx=I なので、 2I=∫12{g(x)+g(3−x)} dx=∫121 dx=1.\displaystyle 2I=\int_1^2\{g(x)+g(3-x)\}\,dx=\int_1^2 1\,dx=1. したがって I=1/2I=1/2。

各小問の導出を確認した。(1) cn=n(m+1−n)c_n=n(m+1-n)を平方完成し、整数nの頂点近傍で最大となることを確認。(2)辺長からOA→⋅OB→=2\overrightarrow{OA}\cdot\overrightarrow{OB}=2、垂足Hと重心Gのベクトル差および長さを算出。(3)差関数の導関数x31+x>0\displaystyle \frac{x^3}{1+x}>0を確認。(4)置換t=a+b−xt=a+b-xとg(x)+g(3−x)=1g(x)+g(3-x)=1から積分値を12\displaystyle \frac12と確認。

この問題で使う考え方

  • 平方完成と整数上の最大
  • ベクトルの内積と垂足
  • 導関数による不等式証明
  • 積分の変数変換と対称性

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