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日本医科大学/2009年度

日本医科大学 2009年 数学 第II問解答・解説

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1問題

日本医科大学2009年度第II問

座標空間において、点 PP は円 C1:{(x,y,z)∣x2+y2=1, z=0}C_{1}:\{(x,y,z)\mid x^{2}+y^{2}=1,\ z=0\} 上の点で、原点 OO を中心として、点 (1,0,0)(1,0,0) から C1C_{1} 上を角 θ\theta だけ回ったところにある。ただし、この回転は、zz 軸の正の方向からながめたときの反時計回りを正の方向とする。また点 QQ は円 C2:{(x,y,z)∣y2+z2=sin⁡2α, x=0}C_{2}:\{(x,y,z)\mid y^{2}+z^{2}=\sin^{2}\alpha,\ x=0\} 上の点で、OO を中心として、点 (0,∣sin⁡α∣,0)(0,|\sin\alpha|,0) から C2C_{2} 上を角 θ+α\theta+\alpha だけ回ったところにある。ただし、この回転は、xx 軸の正の方向からながめたときの反時計回りを正の方向とし、α\alpha は定数であり、sin⁡α=0\sin\alpha=0 のときは点 QQ は原点 OO であるとする。点 PP と点 QQ の間の距離を ℓ\ell とする。

(1) 点 PP の座標と点 QQ の座標を、α,θ\alpha,\theta を使って表せ。(結果のみを記せ。)

(2) ℓ2\ell^{2} を、α,θ\alpha,\theta を使って表せ。ただし、θ\theta を一度だけ使う式にすること。

(3) α\alpha を定数として、θ\theta が実数全体を動くとき、ℓ2\ell^{2} の最小値を mm、最大値を MM とする。mm と MM を、α\alpha を使って表せ。(結果のみを記せ。)

(4) θ\theta が実数全体を動くとき、

(a) つねに 1≦ℓ≦31\leq\ell\leq\sqrt{3} となるような α\alpha の条件は何か。sin⁡α\sin\alpha の値の範囲として答えよ。

(b) ℓ≦33\displaystyle \ell\leq\frac{\sqrt{3}}{3} を満たす θ\theta が少なくともひとつ存在するような α\alpha の条件は何か。sin⁡α\sin\alpha の値の範囲として答えよ。

(5) (3)で考えた mm が0となるような α\alpha に対し、lim⁡t→∞12t∫−ttℓ dθ\displaystyle \lim\limits _{t\to\infty}\frac{1}{2t}\int_{-t}^{t}\ell\,d\theta を求めよ。

(注)xyxy 平面に対する zz 軸の正の方向は、xx 軸の正の方向からながめたときの反時計回りに、xx 軸を中心軸として π2\displaystyle \frac{\pi}{2} だけ回転すると、yy 軸の正の部分が zz 軸の正の部分に移るようにとるものとする。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

回転で得られる点を座標表示し、距離の二乗を三角関数一つの式にする。余弦の範囲から極値を求めて各条件を解き、最後は周期関数の平均で極限を評価する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)P=(cos⁡θ,sin⁡θ,0),Q=(0,∣sin⁡α∣cos⁡(θ+α),∣sin⁡α∣sin⁡(θ+α)).\quad P=(\cos\theta,\sin\theta,0),\quad Q=(0,|\sin\alpha|\cos(\theta+\alpha),|\sin\alpha|\sin(\theta+\alpha)).

    (2)ℓ2=1+sin⁡2α+sin⁡α∣sin⁡α∣−∣sin⁡α∣sin⁡(2θ+α).\quad \ell^2=1+\sin^2\alpha+\sin\alpha|\sin\alpha|-|\sin\alpha|\sin(2\theta+\alpha).

    (3)m=1+sin⁡2α+sin⁡α∣sin⁡α∣−∣sin⁡α∣,M=1+sin⁡2α+sin⁡α∣sin⁡α∣+∣sin⁡α∣.\quad m=1+\sin^2\alpha+\sin\alpha|\sin\alpha|-|\sin\alpha|,\quad M=1+\sin^2\alpha+\sin\alpha|\sin\alpha|+|\sin\alpha|.

    (4)(a)sin⁡α=0\quad \sin\alpha=0\quador12≦sin⁡α≦17−14.\displaystyle \quad \frac12\leq\sin\alpha\leq\frac{\sqrt{17}-1}{4}.

    (4)(b)−1≦sin⁡α≦−23.\displaystyle \quad -1\leq\sin\alpha\leq-\frac23.

    (5)22π.\displaystyle \quad \frac{2\sqrt2}{\pi}.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 正の zz 軸から見る反時計回りの回転より、xyxy 平面上の点 (1,0,0)(1,0,0) を角 θ\theta だけ回した点は P=(cos⁡θ,sin⁡θ,0)P=(\cos\theta,\sin\theta,0) である。また注記の座標軸の向きでは、正の xx 軸を軸とする正の回転は yy 軸正方向を zz 軸正方向へ移す。したがって、yzyz 平面上で (0,∣sin⁡α∣,0)(0,|\sin\alpha|,0) を角 θ+α\theta+\alpha だけ回した点は Q=(0,∣sin⁡α∣cos⁡(θ+α),∣sin⁡α∣sin⁡(θ+α)).Q=(0,|\sin\alpha|\cos(\theta+\alpha),|\sin\alpha|\sin(\theta+\alpha)). sin⁡α=0\sin\alpha=0 の場合もこの式は Q=OQ=O を与える。

(2) s=sin⁡αs=\sin\alpha とおくと、距離の二乗は内積を用いて ℓ2=∣P∣2+∣Q∣2−2P⋅Q=1+s2−2∣s∣sin⁡θcos⁡(θ+α).\ell^2=|P|^2+|Q|^2-2P\cdot Q=1+s^2-2|s|\sin\theta\cos(\theta+\alpha). 積和公式 2sin⁡θcos⁡(θ+α)=sin⁡(2θ+α)−sin⁡α2\sin\theta\cos(\theta+\alpha)=\sin(2\theta+\alpha)-\sin\alpha より ℓ2=1+sin⁡2α+sin⁡α∣sin⁡α∣−∣sin⁡α∣sin⁡(2θ+α).\ell^2=1+\sin^2\alpha+\sin\alpha|\sin\alpha|-|\sin\alpha|\sin(2\theta+\alpha). ここでは θ\theta は sin⁡(2θ+α)\sin(2\theta+\alpha) に一度だけ現れる。

(3) s=sin⁡αs=\sin\alpha、ϕ=2θ+α\phi=2\theta+\alpha とすると、ϕ\phi は実数全体を動き、−1≦sin⁡ϕ≦1-1\leq\sin\phi\leq1。したがって m=1+s2+s∣s∣−∣s∣,M=1+s2+s∣s∣+∣s∣.m=1+s^2+s|s|-|s|,\qquad M=1+s^2+s|s|+|s|.

(4)(a) s<0s<0 なら s∣s∣=−s2s|s|=-s^2 なので ℓ2=1−∣s∣sin⁡ϕ\ell^2=1-|s|\sin\phi の最小値は 1−∣s∣=1+s<11-|s|=1+s<1 となり、条件を満たさない。s=0s=0 なら常に ℓ=1\ell=1 で条件を満たす。s>0s>0 なら min⁡ℓ2=1+2s2−s,max⁡ℓ2=1+2s2+s.\displaystyle \min\ell^2=1+2s^2-s,\qquad \max\ell^2=1+2s^2+s. 1≦ℓ≦31\leq\ell\leq\sqrt3 がすべての θ\theta で成り立つには、かつそのときに限り、 2s2−s≧0,2s2+s≦22s^2-s\geq0,\qquad 2s^2+s\leq2 である。s>0s>0 のもとでこれは s≧12\displaystyle s\geq\frac12 かつ s≦17−14\displaystyle s\leq\frac{\sqrt{17}-1}{4} と同値である。よって s=0s=0 または 12≦s≦17−14\displaystyle \frac12\leq s\leq\frac{\sqrt{17}-1}{4}。

(4)(b) 条件を満たす θ\theta が存在することは min⁡ℓ2≦13\displaystyle \min\ell^2\leq\frac13 と同値である。s<0s<0 なら min⁡ℓ2=1+s\displaystyle \min\ell^2=1+s なので s≦−23\displaystyle s\leq-\frac23。s=0s=0 では最小値は1。s>0s>0 では 1+2s2−s=78+2(s−14)2≧78>13,\displaystyle 1+2s^2-s=\frac78+2\left(s-\frac14\right)^2\geq\frac78>\frac13, ゆえに該当しない。−1≦s≦1-1\leq s\leq1 と合わせて、求める範囲は −1≦s≦−23\displaystyle -1\leq s\leq-\frac23。

(5) (3)の最小値が0となるには、s<0s<0 の場合の m=1+sm=1+s から s=−1s=-1 である。s≧0s\geq0 の場合は最小値が正なので他の解はない。sin⁡α=−1\sin\alpha=-1 なら ℓ2=1−sin⁡(2θ+α)=1+cos⁡2θ=2cos⁡2θ,ℓ=2∣cos⁡θ∣.\ell^2=1-\sin(2\theta+\alpha)=1+\cos2\theta=2\cos^2\theta, \qquad \ell=\sqrt2|\cos\theta|. ∣cos⁡θ∣|\cos\theta| は周期 π\pi で、1周期の積分は ∫0π∣cos⁡θ∣ dθ=2\displaystyle \int_0^\pi|\cos\theta|\,d\theta=2。長さ 2t2t の区間は周期区間と長さ1周期未満の余りに分けられ、余りの積分は有界である。したがって平均値は周期平均に収束し、 lim⁡t→∞12t∫−ttℓ dθ=2⋅2π=22π.\displaystyle \lim\limits _{t\to\infty}\frac1{2t}\int_{-t}^{t}\ell\,d\theta=\sqrt2\cdot\frac2\pi=\frac{2\sqrt2}{\pi}.

この問題で使う考え方

  • 空間座標と空間ベクトル
  • ベクトルの成分表示
  • ベクトルの内積
  • ベクトルによる図形の考察
  • 三角関数の加法定理
  • 三角関数の周期・グラフ
  • 二倍角の公式
  • 二次不等式とグラフ

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