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日本医科大学/2012年度

日本医科大学 2012年 数学 第III問解答・解説

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1問題

日本医科大学2012年度第III問

OO を原点とする xyzxyz 空間において,点 (1,0,0)(1,0,0) を中心とする半径2の球の表面および内部を K1K_{1},点 (−1,0,0)(-1,0,0) を中心とする半径2の球の表面および内部を K2K_{2} とし,空間内の3点 P,Q,RP,Q,R に対し, OX→=OP→+OQ→,OY→=13(OP→+OQ→+OR→)\displaystyle \overrightarrow{OX}=\overrightarrow{OP}+\overrightarrow{OQ},\qquad \overrightarrow{OY}=\frac{1}{3}\left(\overrightarrow{OP}+\overrightarrow{OQ}+\overrightarrow{OR}\right) で定まる点 X,YX,Y を考える。

問1 PP が K1K_{1} を,QQ が K2K_{2} をくまなく動くとき,点 XX の全体が作る立体の体積を求めよ。

問2 次の条件を満たす点 RR の全体が作る立体の体積を求めよ。

「K1K_{1} に属する任意の PP と,K2K_{2} に属する任意の QQ に対して,YY は K1K_{1} に属する。」

問3 次の条件を満たす点 RR の全体が作る立体の体積を求めよ。

「K1K_{1} に属する任意の PP と,K2K_{2} に属する任意の QQ に対して,YY は和集合 K1∪K2K_{1}\cup K_{2} に属する。」

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • 256π3,32π3,338π3−163 π2\displaystyle \frac{256\pi}{3},\qquad \frac{32\pi}{3},\qquad \frac{338\pi}{3}-16\sqrt3\,\pi^2

3解答

解答を見る途中式つきの解答

問1  E=(1,0,0)E=(1,0,0) とおく。P=E+u, Q=−E+vP=E+u,\ Q=-E+v と書けば ∣u∣,∣v∣≦2|u|,|v|\leq2 で、X=u+vX=u+v である。三角不等式から ∣X∣≦4|X|\leq4。逆に ∣X∣≦4|X|\leq4 の任意の XX に対し u=v=X/2u=v=X/2 と選べる。したがって XX の範囲は原点中心、半径 44 の球であり、体積は V1=43π⋅43=256π3.\displaystyle V_1=\frac43\pi\cdot4^3=\frac{256\pi}{3}.

問2  S=P+QS=P+Q は問1により ∣S∣≦4|S|\leq4 の球全体を動く。(R+S)/3∈K1(R+S)/3\in K_1 は ∣R+S−3E∣≦6|R+S-3E|\leq6 と同値である。∣S∣≦4|S|\leq4 のとき左辺の最大値は ∣R−3E∣+4|R-3E|+4 だから、すべての SS に対する条件は ∣R−3E∣+4≦6すなわち∣R−3E∣≦2.|R-3E|+4\leq6\quad\text{すなわち}\quad |R-3E|\leq2. よって RR の範囲は中心 3E3E、半径 22 の球であり、 V2=43π⋅23=32π3.\displaystyle V_2=\frac43\pi\cdot2^3=\frac{32\pi}{3}.

問3  条件は RR を中心とする半径 44 の球が U=B(3E,6)∪B(−3E,6)U=B(3E,6)\cup B(-3E,6) に含まれることと同値である。左右対称性と xx 軸のまわりの回転対称性により、R=(t,ρ,0)R=(t,\rho,0)、t≧0,ρ≧0t\geq0,\rho\geq0 として断面を調べる。RR を中心とする球の xx 座標一定の断面は、∣x−t∣≦4|x-t|\leq4 のとき軸から距離 ρ\rho の点を中心とする半径 gt(x)=16−(x−t)2g_t(x)=\sqrt{16-(x-t)^2} の円板である。UU の同じ断面は軸を中心とする半径 f(x)=36−(∣x∣−3)2(∣x∣≦9)f(x)=\sqrt{36-(|x|-3)^2}\qquad(|x|\leq9) の円板である。二つの球の断面は同心円板だから、その和集合もこの円板となる。従って包含条件は、t−4≦x≦t+4t-4\le x\le t+4 を満たすすべての xx に対し ρ+gt(x)≦f(x)\rho+g_t(x)\leq f(x) となることである。t>5t>5 なら右端 t+4>9t+4>9 が UU から外れるので不可能である。

0≦t≦50\leq t\leq5 とし、x≧0x\geq0 では c=3c=3、x≦0x\leq0 では c=−3c=-3 とおいて、各側の断面半径差を Fc(x)=36−(x−c)2−16−(x−t)2F_c(x)=\sqrt{36-(x-c)^2}-\sqrt{16-(x-t)^2} と書く。根号が正の区間で微分すると Fc′(x)=x−t16−(x−t)2−x−c36−(x−c)2.\displaystyle F_c'(x)=\frac{x-t}{\sqrt{16-(x-t)^2}}-\frac{x-c}{\sqrt{36-(x-c)^2}}. H(u)=u/1−u2H(u)=u/\sqrt{1-u^2} は −1<u<1-1<u<1 で単調増加するから、Fc′(x)F_c'(x) の符号は x−t4−x−c6=x−3t+2c12\displaystyle \frac{x-t}{4}-\frac{x-c}{6}=\frac{x-3t+2c}{12} の符号に等しい。端点での値は連続性で比較できる。

負側 x≦0x\leq0 では c=−3c=-3 なので x−3t−6<0x-3t-6<0 であり、F−3F_{-3} は右へ行くほど小さくなる。負側が存在する t≦4t\leq4 では、その最小値は x=0x=0 で F−3(0)=33−16−t2F_{-3}(0)=3\sqrt3-\sqrt{16-t^2} である。正側では c=3c=3 である。0≦t≦20\leq t\leq2 なら x−3t+6≧0x-3t+6\geq0 だから F3F_3 は増加し、正側の最小も x=0x=0 にある。一方 2≦t≦52\leq t\leq5 なら x0=3t−6x_0=3t-6 は max⁡(0,t−4)≦x0≦t+4\displaystyle \max(0,t-4)\le x_0\le t+4 を満たし、F3F_3 は x0x_0 まで減少し、その後増加する。t≦4t\leq4 で負側が存在しても、その最小値 F−3(0)=F3(0)F_{-3}(0)=F_3(0) は F3(x0)F_3(x_0) 以上である。従って全断面で最も厳しい値は ρmax⁡(t)={F3(0)=33−16−t2,0≦t≦2,F3(3t−6)=4−(t−3)2,2≦t≦5.\displaystyle \rho_{\max}(t)= \begin{cases} F_3(0)=3\sqrt3-\sqrt{16-t^2},&0\leq t\leq2,\\[2mm] F_3(3t-6)=\sqrt{4-(t-3)^2},&2\leq t\leq5. \end{cases} 後者の等式は 3t−6−3=3(t−3)3t-6-3=3(t-3)、3t−6−t=2(t−3)3t-6-t=2(t-3) を各根号に代入して得られる。両式は t=2t=2 で一致し、いずれも指定区間で非負である。負の xx 座標を持つ RR についても左右対称で同じ半径となる。

従って求める体積は V3=2π{∫02(33−16−t2)2 dt+∫25(4−(t−3)2) dt}.\displaystyle V_3=2\pi\left\{\int_0^2\bigl(3\sqrt3-\sqrt{16-t^2}\bigr)^2\,dt +\int_2^5\bigl(4-(t-3)^2\bigr)\,dt\right\}. 半径 44 の円の扇形と直角三角形の面積から ∫0216−t2 dt=4π3+23.\displaystyle \int_0^2\sqrt{16-t^2}\,dt=\frac{4\pi}{3}+2\sqrt3. これを用いると ∫02(33−16−t2)2 dt=1423−83 π,∫25(4−(t−3)2) dt=9.\displaystyle \int_0^2\bigl(3\sqrt3-\sqrt{16-t^2}\bigr)^2\,dt =\frac{142}{3}-8\sqrt3\,\pi, \qquad \int_2^5\bigl(4-(t-3)^2\bigr)\,dt=9. よって V3=2π(1693−83 π)=338π3−163 π2.\displaystyle V_3=2\pi\left(\frac{169}{3}-8\sqrt3\,\pi\right) =\frac{338\pi}{3}-16\sqrt3\,\pi^2.

この問題で使う考え方

  • 空間図形の計量
  • 合成関数の微分
  • 定積分による体積
  • 不定積分・定積分の性質
  • 位置ベクトル
  • 空間座標と空間ベクトル
  • ベクトルによる図形の考察

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