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琉球大学/2002年度/前期

琉球大学 2002年 数学 第1問解答・解説

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1問題

琉球大学2002年度第1問

AA を2次正方行列とする。A2+A+E=OA^2+A+E=O が成立するとき、次の問いに答えよ。ただし、EE は単位行列、OO は零行列である。(50点)

問1 A3=EA^3=E を示せ。

問2 (A−E)(2A2+A)(A-E)(2A^2+A) および (A−tE)(A2+tA+t2E)(A-tE)(A^2+tA+t^2E) を計算する事により、すべての実数 tt に対して A−tEA-tE は逆行列をもつ事を示せ。

(解答は次のページを使用すること)

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (問1) A3=EA^3=E / (問2) すべての実数 tt について A−tEA-tE は逆行列をもつ。t=1t=1 では逆行列は 2A2+A3\displaystyle \frac{2A^2+A}{3}、t≠1t\ne1 では A2+tA+t2E1−t3\displaystyle \frac{A^2+tA+t^2E}{1-t^3}。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

与えられた関係式から A2+A=−EA^2+A=-E である。これに左から AA を掛けると A3+A2+A=OA^3+A^2+A=O を得る。ここで A2+A=−EA^2+A=-E を用いれば A3−E=OA^3-E=O、したがって A3=EA^3=E となる。これで問1が示された。

次に、指定された積を計算する。まず (A−E)(2A2+A)=2A3+A2−2A2−A=2A3−(A2+A)=2E−(−E)=3E.\begin{aligned} (A-E)(2A^2+A) &=2A^3+A^2-2A^2-A\\ &=2A^3-(A^2+A)\\ &=2E-(-E)=3E. \end{aligned} また、任意の実数 tt に対して (A−tE)(A2+tA+t2E)=A3+tA2+t2A−tA2−t2A−t3E=A3−t3E=(1−t3)E.\begin{aligned} (A-tE)(A^2+tA+t^2E) &=A^3+tA^2+t^2A-tA^2-t^2A-t^3E\\ &=A^3-t^3E=(1-t^3)E. \end{aligned} ここで、どの因子も AA と EE の多項式であるため互いに可換であり、上の積の順序を逆にしても同じ結果となる。したがって、右辺を適切に定数倍すれば、左から掛けても右から掛けても単位行列になる。

t=1t=1 のときは最初の計算より (A−E)2A2+A3=E\displaystyle (A-E)\frac{2A^2+A}{3}=E であるから、A−EA-E の逆行列は 2A2+A3\displaystyle \dfrac{2A^2+A}{3} である。

t≠1t\ne1 のとき、 1−t3=(1−t)(1+t+t2)≠01-t^3=(1-t)(1+t+t^2)\ne0 である。実際、1+t+t2=(t+12)2+34>0\displaystyle 1+t+t^2=(t+\tfrac12)^2+\tfrac34>0 である。よって二つ目の計算から (A−tE)A2+tA+t2E1−t3=E\displaystyle (A-tE)\frac{A^2+tA+t^2E}{1-t^3}=E となり、右辺の分数行列が A−tEA-tE の逆行列である。以上により、すべての実数 tt に対して A−tEA-tE は逆行列をもつ。

この問題で使う考え方

  • 行列積の展開
  • 逆行列の両側積確認
  • 実数パラメータの場合分け

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