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名古屋大学/2002年度

名古屋大学 2002年 数学 第4問解答・解説

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1問題

名古屋大学2002年度第4問

第4問は選択問題である。つぎの④(a)または別紙の④(b)のいずれか一方を選んで解答せよ。 4(a) 関係式 x^a = y^b = z^c = xyz を満たす1とは異なる3つの正の実数の組(x, y, z)が、少なくとも1組存在するような、正の整数の組(a, b, c)をすべて求めよ。ただし、a ≦ b ≦ c とする。 第4問は選択問題である。つぎの④(b)または別紙の④(a)のいずれか一方を選んで解答せよ。 4(b) 次の問いに答えよ。ただし、偏角 θ は、0° ≦ θ < 360° の範囲で考えるものとする。(1) |z + i| = |z − i| を満たす複素数 z は、実数に限ることを示せ。(2) 複素数平面上で z が実軸上を動くとき、複素数 z + i の偏角 arg(z + i) の動く範囲を求めよ。(3) z を未知数とする方程式 (z + i)^9 = (z − i)^9 のすべての解 z について z + i の偏角 arg(z + i) を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • 4(a) (a,b,c)=(2,3,6),(2,4,4),(3,3,3).4(b)(1) z∈R.4(b)(2) 0∘<arg⁡(z+i)<180∘.4(b)(3) arg⁡(z+i)=20∘k (k=1,…,8).4(a)\space{}(a,b,c)=(2,3,6),(2,4,4),(3,3,3).\quad 4(b)(1)\space{}z\in\mathbb R.\quad 4(b)(2)\space{}0^\circ<\arg(z+i)<180^\circ.\quad 4(b)(3)\space{}\arg(z+i)=20^\circ k\space{}(k=1,\ldots,8).

3解答

解答を見る途中式つきの解答

大問4(選択肢(a),(b))

4(a)

x,y,z>0x,y,z>0 なので、u=log⁡xu=\log x, v=log⁡yv=\log y, w=log⁡zw=\log z と置く。各等式を xyzxyz と比べて対数を取ると (a−1)u−v−w=0,−u+(b−1)v−w=0,−u−v+(c−1)w=0.(a-1)u-v-w=0,\qquad -u+(b-1)v-w=0,\qquad -u-v+(c-1)w=0. (x,y,z)=(1,1,1)(x,y,z)=(1,1,1) 以外の解があることは、(u,v,w)≠(0,0,0)(u,v,w)\ne(0,0,0) の解があることと同値である。したがって係数行列の行列式が0でなければならず、また0であれば非零解がある。行列式を展開すると ∣a−1−1−1−1b−1−1−1−1c−1∣=(a−1)(b−1)(c−1)−(a+b+c−1).\begin{vmatrix}a-1&-1&-1\\-1&b-1&-1\\-1&-1&c-1\end{vmatrix} =(a-1)(b-1)(c-1)-(a+b+c-1). よって条件は (a−1)(b−1)(c−1)=a+b+c−1.(a-1)(b-1)(c-1)=a+b+c-1. ここで A=a−1A=a-1, B=b−1B=b-1, C=c−1C=c-1 とおくと 0≦A≦B≦C0\leq A\leq B\leq C で、条件は ABC=A+B+C+2.ABC=A+B+C+2. A=0A=0 では右辺が正で不可能だから A≧1A\geq1。

まず A=1A=1 とすると BC=B+C+3,(B−1)(C−1)=4.BC=B+C+3,\qquad (B-1)(C-1)=4. B≦CB\leq C を満たす正の因数の組は (B−1,C−1)=(1,4),(2,2)(B-1,C-1)=(1,4),(2,2) なので、(B,C)=(2,5),(3,3)(B,C)=(2,5),(3,3)、すなわち (a,b,c)=(2,3,6),(2,4,4)(a,b,c)=(2,3,6),(2,4,4) である。

次に A≧2A\geq2 とする。この場合 AB−1>0AB-1>0 なので C(AB−1)=A+B+2.C(AB-1)=A+B+2. C≧BC\geq B より A+B+2≧B(AB−1)A+B+2\geq B(AB-1)、従って AB2≦A+2B+2.AB^2\leq A+2B+2. もし B≧3B\geq3 なら、A≧2A\geq2 から AB2−A−2B−2≧2B2−2B−4=2(B−2)(B+1)>0,AB^2-A-2B-2\geq2B^2-2B-4=2(B-2)(B+1)>0, これは上の不等式に反する。よって B=2B=2、従って A=2A=2 であり、C(4−1)=2+2+2C(4-1)=2+2+2 から C=2C=2 を得る。これは (a,b,c)=(3,3,3)(a,b,c)=(3,3,3) である。各組は行列式を0にするので非零対数解をもち、指数関数に戻せば (1,1,1)(1,1,1) 以外の正の解が実際に存在する。以上より (a,b,c)=(2,3,6), (2,4,4), (3,3,3).\boxed{(a,b,c)=(2,3,6),\ (2,4,4),\ (3,3,3)}.

4(b)(1)

z=s+itz=s+it(s,ts,t は実数)とおくと ∣z+i∣2=s2+(t+1)2,∣z−i∣2=s2+(t−1)2.|z+i|^2=s^2+(t+1)^2,\qquad |z-i|^2=s^2+(t-1)^2. 等しいとき (t+1)2=(t−1)2(t+1)^2=(t-1)^2、すなわち 4t=04t=0 だから t=0t=0。よって zz は実数である。

4(b)(2)

ss を実数として z=sz=s とおくと z+i=s+iz+i=s+i は常に上半平面にあり、実軸上にはない。従ってその偏角は 0∘<arg⁡(z+i)<180∘0^\circ<\arg(z+i)<180^\circ を満たす。逆に、この区間の任意の角 θ\theta について s=cot⁡θs=\cot\theta と選べば s+is+i の偏角は θ\theta となる。よって範囲は 0∘<arg⁡(z+i)<180∘.\boxed{0^\circ<\arg(z+i)<180^\circ}.

4(b)(3)

方程式の両辺の絶対値を取ると ∣z+i∣9=∣z−i∣9|z+i|^9=|z-i|^9 なので ∣z+i∣=∣z−i∣|z+i|=|z-i|。よって(1)より zz は実数であり、(2)から θ=arg⁡(z+i)\theta=\arg(z+i) は 0∘<θ<180∘0^\circ<\theta<180^\circ にある。このとき z−iz-i は z+iz+i の共役だから偏角は 360∘−θ360^\circ-\theta である。二つの9乗が等しいためには偏角が360度の整数倍だけ異なればよく、 9θ≡−9θ(mod360∘),18θ=360∘k9\theta\equiv-9\theta\pmod{360^\circ},\qquad 18\theta=360^\circ k となる整数 kk が存在する。範囲条件から k=1,2,…,8k=1,2,\ldots,8。各角は z=cot⁡θz=\cot\theta とすれば実現し、元の等式も成り立つ。従って求める偏角は 20∘, 40∘, 60∘, 80∘, 100∘, 120∘, 140∘, 160∘.\boxed{20^\circ,\ 40^\circ,\ 60^\circ,\ 80^\circ,\ 100^\circ,\ 120^\circ,\ 140^\circ,\ 160^\circ}.

この問題で使う考え方

  • 対数変換・3元一次斉次連立方程式・行列式の展開と整数分類
  • 複素数の絶対値を実部虚部で計算
  • 偏角と実軸上の媒介表示
  • 絶対値・偏角・合同式

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