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慶應義塾大学/2001年度/医

慶應義塾大学 2001年 数学 第III問解答・解説

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1問題

慶應義塾大学2001年度第III問

実数 tt と行列 A=(et00e−t),B=12(1−111)\displaystyle A=\begin{pmatrix}e^t&0\\0&e^{-t}\end{pmatrix},\qquad B=\frac{1}{\sqrt{2}}\begin{pmatrix}1&-1\\1&1\end{pmatrix} に対し,等式 (xy)=B−1AB(ab)\begin{pmatrix}x\\y\end{pmatrix} =B^{-1}AB\begin{pmatrix}a\\b\end{pmatrix} により x,yx,y を定める。ただし a,ba,b は (a,b)≠(0,0)(a,b)\ne(0,0) であるような実定数とする。このとき平面上の点 P(x,y)P(x,y) を考える。

(1) lim⁡t→+∞yx\displaystyle \lim\limits _{t\to+\infty}\frac{y}{x} を求めなさい。

(2) いま tt が実数全体を動くとする。条件 a2>b2a^2>b^2 の下で,点 P(x,y)P(x,y) の軌跡が満たす xx と yy に関する方程式を求めなさい。

(3) 定数 a,ba,b が a=cos⁡θ, b=sin⁡θ(−π4<θ<π4)\displaystyle a=\cos\theta,\ b=\sin\theta\quad\left(-\frac{\pi}{4}<\theta<\frac{\pi}{4}\right) で与えられたとする。このとき,t>0t>0 ならば必ず点 P(x,y)P(x,y) が x2+y2>1x^2+y^2>1 の表す領域に属するための θ\theta に関する条件を求めなさい。

(4) 定数 a,ba,b が b=a2<1b=a^2<1 を満たすとする。このとき,t>0t>0 ならば必ず点 P(x,y)P(x,y) が y<x2y<x^2 の表す領域に属するための aa に関する条件を求めなさい。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

直交行列による変換を成分化し、指数和差と符号を保ったまま軌跡・二次不等式条件を解析した。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)lim⁡t→∞yx={−1,a≠b,1,a=b≠0;(2)x2−y2=a2−b2,ax>0;(3)−π4<θ≦0;(4)−1<a≦−12または0<a≦12.\displaystyle \begin{aligned} \text{(1)}\quad &\lim\limits _{t\to\infty}\frac yx=\begin{cases}-1,&a\ne b,\\1,&a=b\ne0;\end{cases}\\ \text{(2)}\quad &x^2-y^2=a^2-b^2,\quad ax>0;\\ \text{(3)}\quad &-\frac\pi4<\theta\le0;\\ \text{(4)}\quad &-1<a\le-\frac1{\sqrt2}\quad\text{または}\quad0<a\le\frac1{\sqrt2}. \end{aligned}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

まずB−1=BTB^{-1}=B^Tを用いて行列積を計算すると x=et(a−b)+e−t(a+b)2,y=−et(a−b)+e−t(a+b)2.\displaystyle x=\frac{e^t(a-b)+e^{-t}(a+b)}2,\qquad y=\frac{-e^t(a-b)+e^{-t}(a+b)}2. 特に x−y=et(a−b),x+y=e−t(a+b).x-y=e^t(a-b),\qquad x+y=e^{-t}(a+b).

(1) a≠ba\ne bならet(a−b)e^t(a-b)が支配項となり、y/x→−1y/x\to-1。a=ba=bなら非零条件からa=b≠0a=b\ne0であり、上式はx=y=ae−tx=y=ae^{-t}となるので比は常に1である。

(2) 上の二式を掛けると x2−y2=(x−y)(x+y)=(a−b)(a+b)=a2−b2.x^2-y^2=(x-y)(x+y)=(a-b)(a+b)=a^2-b^2. ただし軌跡はこの双曲線全体でなく一方の枝である。a2>b2a^2>b^2よりa+ba+bとa−ba-bはともにaaと同符号なので、x+y,x−yx+y,x-yもaaと同符号、従ってax>0ax>0。逆にこの枝の点ならet=(x−y)/(a−b)>0e^t=(x-y)/(a-b)>0と置くことで上の二式を満たす実数ttが定まり、これが軌跡となる。

(3) a=cos⁡θ,b=sin⁡θa=\cos\theta,b=\sin\thetaを代入し平方和を整理すると x2+y2=12{(1−sin⁡2θ)e2t+(1+sin⁡2θ)e−2t}=:R(t).\displaystyle x^2+y^2=\frac12\left\{(1-\sin2\theta)e^{2t}+(1+\sin2\theta)e^{-2t}\right\}=:R(t). s=sin⁡2θs=\sin2\thetaとおくと−1<s<1-1<s<1、R(0)=1R(0)=1、R′(0)=−2sR'(0)=-2s、かつ R′′(t)=2{(1−s)e2t+(1+s)e−2t}>0.R''(t)=2\{(1-s)e^{2t}+(1+s)e^{-2t}\}>0. s≦0s\le0ならR′(0)≧0R'(0)\ge0で、R′R'は増加し、t>0t>0ではR′(t)>R′(0)≧0R'(t)>R'(0)\ge0となるためR(t)>R(0)=1R(t)>R(0)=1。s>0s>0ならR′(0)<0R'(0)<0なので十分小さい正のttでR(t)<1R(t)<1。従って必要十分条件はsin⁡2θ≦0\sin2\theta\le0。指定区間ではsin⁡2θ\sin2\thetaとθ\thetaの符号が一致するから−π/4<θ≦0-\pi/4<\theta\le0。

(4) b=a2b=a^2、−1<a<1-1<a<1なので、 x=a2{(1−a)et+(1+a)e−t},y=a2{−(1−a)et+(1+a)e−t}.\displaystyle x=\frac a2\{(1-a)e^t+(1+a)e^{-t}\},\qquad y=\frac a2\{-(1-a)e^t+(1+a)e^{-t}\}. またx+y=a(1+a)e−tx+y=a(1+a)e^{-t}、x−y=a(1−a)etx-y=a(1-a)e^tより x2−y2=a2(1−a2),x′=−y.x^2-y^2=a^2(1-a^2),\qquad x'=-y. y≦0y\le0ならy<x2y<x^2は((x,y)≠(0,0)(x,y)\ne(0,0)より)自動的に成り立つ。y>0y>0のときは両辺を二乗してよく、条件は x4−y2=x4−x2+a2(1−a2)=(x2−a2)(x2−(1−a2))>0.x^4-y^2=x^4-x^2+a^2(1-a^2)=(x^2-a^2)(x^2-(1-a^2))>0. まずa>0a>0ではx>0x>0、t=0t=0でx2=a2,y=a2>0x^2=a^2,y=a^2>0。y>0y>0の間は(x2)′=−2xy<0(x^2)'=-2xy<0で、yyは一度0となった後負になる。従って必要十分条件は、t>0t>0でx2<a2x^2<a^2が第2因子も負にするa2≦1−a2a^2\le1-a^2、すなわちa≦1/2a\le1/\sqrt2。a=0a=0は元の(a,b)≠(0,0)(a,b)\ne(0,0)に反する。

a<0a<0ではx<0,y>0x<0,y>0が全てのt>0t>0で成り立ち、(x2)′=−2xy>0(x^2)'=-2xy>0なのでx2>a2x^2>a^2。従って二因子がともに正となる必要十分条件はa2≧1−a2a^2\ge1-a^2、すなわち∣a∣≧1/2|a|\ge1/\sqrt2。境界等号でも、t>0t>0ではx2x^2が厳密に動くため積は正である。−1<a<1-1<a<1と合わせて答えは −1<a≦−12または0<a≦12.\displaystyle -1<a\le-\frac1{\sqrt2}\quad\text{または}\quad0<a\le\frac1{\sqrt2}.

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