(1) m,n を互いに素な自然数とし、x=mn とおく。px が有理数であると仮定し、m=1 を示す。 q=px(>0) とおくと、仮定より q は正の有理数であるから、互いに素な自然数 a,b を用いて q=ba(既約分数)と表せる。指数法則よりqm=(pmn)m=pnであるから、(ba)m=pn、すなわちam=pnbm(∗)が成り立つ。 gcd(a,b)=1 より gcd(am,bm)=1 である。一方 (∗) より am は bm の倍数であるから、bm は am の約数でもある。これと gcd(am,bm)=1 より bm=1、よって b=1 である。ゆえに q=a は自然数であり、(∗) からam=pnを得る。 ここで a が p 以外の素因数 ℓ をもつと仮定すると、ℓ は am=pn の素因数となるが、pn の素因数は p のみであるから矛盾する。したがって a の素因数は p 以外にはない。また n は自然数だから n≧1 であり pn≧p≧2 となるので a=1 はあり得ない。よってa=pk(k は自然数)と書ける。これを am=pn に代入すると pkm=pn となり、p≧2 だからkm=nが成り立つ。したがって m∣n である。m∣n のとき m,n の最大公約数は m 自身であるから gcd(m,n)=m となる。仮定 gcd(m,n)=1 と合わせてm=1を得る。■ (2) p は素数だから p≧2>0 であり、任意の実数 x に対して px>0 である。したがって方程式px=−x2+9x−5が成り立つためには−x2+9x−5>0,すなわちx2−9x+5<0が必要である。x2−9x+5=0 の解は x=29±61 であるから、この不等式の解は29−61<x<29+61である。49<61<64 より 7<61<8 であるから、端点は21<29−61<1,8<29+61<217.したがって不等式を満たす自然数は 1,2,…,8 に限られる。 いま x は有理数の解であるとする。x が有理数であれば −x2+9x−5 も有理数であり、方程式より px はこれと等しいので有理数である。上の考察から x>0 であるから、x を互いに素な自然数 m,n を用いて x=mn(既約分数)と表せる。px が有理数であることと (1) の結果から m=1 となるので、x=n は自然数(正の整数)である。 さらに x は不等式 29−61<x<29+61(近似で 0.60<x<8.41)を満たす自然数であるからx=1,2,3,4,5,6,7,8である。それぞれの x について −x2+9x−5 の値を計算すると次のようになる。x−x2+9x−513293134155156137983方程式 px=−x2+9x−5 を満たす素数 p が存在するのは、右辺が素数の x 乗になっている場合である。
・ x=1:p=3 とすると p1=3 となり成立する(3 は素数)。
・ x=2:p=3 とすると p2=9 となり成立する。
・ x=3:13 は素数の3乗ではない(23=8, 33=27)から不適。
・ x=4:15 は素数の4乗ではない(14=1, 24=16)から不適。
・ x=5:15 は素数の5乗ではない(25=32)から不適。
・ x=6:13 は素数の6乗ではない(26=64)から不適。
・ x=7:9 は素数の7乗ではない(27=128)から不適。
・ x=8:3 は素数の8乗ではない(28=256)から不適。
以上より、条件を満たす組は(p,x)=(3,1), (3,2)の2組のみである。 検算:x=1 のとき左辺 31=3、右辺 −1+9−5=3 で一致する。x=2 のとき左辺 32=9、右辺 −4+18−5=9 で一致する。いずれも成立することが確認できる。