以下,log は自然対数を表す。θ=logx (x≧1 より θ≧0) とおくと,半角の公式 cos22θ=21+cosθ により f(x)=x1cos22θ=2x1+cosθ(θ=logx).
(1) f(x)=2x1+2xcosθ を x で微分する。dxd2x1=−2x21 であり,θ=logx の合成関数として dxd2xcosθ=4x2(−sinθ⋅x1)(2x)−cosθ⋅2=−2x2sinθ+cosθ であるから f′(x)=−2x21+sinθ+cosθ(θ=logx). x≧1 すなわち θ≧0 のもとで,−2x21=0 であるから,f′(x)=0 は g(θ):=1+sinθ+cosθ=0 と同値である。三角関数の合成により sinθ+cosθ=2sin(θ+4π) なので g(θ)=1+2sin(θ+4π). θ≧0 のとき θ+4π≧4π であり,g(θ)=0 となるのは sin(θ+4π)=−21 のとき,すなわち θ+4π=45π+2kπ または θ+4π=47π+2kπ(k=0,1,2,…) すなわち θ=π+2kπ または θ=23π+2kπ である。θ≧0 の中でこれらを小さい順に並べると π<23π<3π<27π<⋯ となるから,最小の θ は θ=π である(4π≦θ+4π<π では sin(θ+4π)>−21 となり g(θ)>0 なので,これより小さい θ≧0 に解はない)。θ=logx より,求める最小の x は x=eπ. (検算:θ=π で g(π)=1+sinπ+cosπ=1+0−1=0 となり確かに満たす。)
(2) (1) の考察から,0≦θ<π では 4π≦θ+4π<45π で sin(θ+4π)>−21 であるから g(θ)=1+2sin(θ+4π)>0,したがって f′(x)=−2x2g(θ)<0(1≦x<eπ) となり,f は 1≦x≦eπ で連続であり、1≦u<v≦eπ ならば f(u)>f(v) が成り立つ。ここで f(1)=21+cos0=1,f(eπ)=2eπ1+cosπ=0 であり,0<101<1 であるから,中間値の定理と上の等号を許さない大小関係より,方程式 f(x)=101 は1≦x≦eπ の範囲にただ1つの解をもつ。
次に x>eπ の範囲に解がないことを示す。任意の x≧1 に対して 0≦cos22logx≦1 であるから 0≦f(x)≦x1. e>2.7,π>3 であることから eπ>e3>2.73=19.683>10 が成り立つ。よって x≧eπ のとき f(x)≦x1≦eπ1<101 となり,この範囲では f(x)=101 を満たす x は存在しない。
以上より,x≧1 の範囲で f(x)=101 を満たす x は,1≦x<eπ の範囲にある1つに限られる。すなわち f(x)=101 はただ1つの解をもつ。(証明終)
(3) θ=logx とおくと dθ=xdx であるから,置換積分により ∫f(x)dx=∫cos22θdθ=∫21+cosθdθ=2θ+2sinθ+C=2logx+sin(logx)+C. (検算:右辺を x で微分すると 2x1+2xcos(logx)=2x1+cos(logx)=f(x) となり一致する。)
t≧1 のとき,x=1 で log1=0, sin0=0 であるから ∫1tf(x)dx=[2logx+sin(logx)]1t=2logt+sin(logt)−0=2logt+sin(logt). (検算:t=1 を代入すると 0 となり,∫11fdx=0 と一致する。また右辺を t で微分すると f(t) に戻ることは上で確認済み。)
θ=log x の置換で f(x) を 2x1+cosθ の形に整理し、半角公式・三角関数の合成を用いて (1) の f'(x)=0 の最小解を求めた。(2) は (1) の増減の議論から 1≦u<v≦eπならf(u)>f(v)となることと中間値の定理で区間内の解の一意存在を示し、さらに 0≦f(x)≦x1 と eπ>10 の評価により x≧eπ には解がないことを示して全体の一意性を結論した。(3) は同じ置換 θ=log x による置換積分で不定積分を求め、定積分の性質で評価した。各結果は微分による検算・端点での数値確認を行った。