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佐賀大学/2018年度/前期

佐賀大学 2018年 数学 第1問解答・解説

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1問題

佐賀大学2018年度第1問

次の問に答えよ。

(1) 1, 4, 9, 16 のように,自然数の2乗で表せる数を平方数という。n を平方数でない自然数とするとき,n\sqrt{n} は無理数であることを示せ。

(2) a, b を正の有理数,n を自然数とするとき,an+bn+1a\sqrt{n}+b\sqrt{n+1} は無理数であることを示せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2解答

解答を見る答えはこの解答の中にあります

(1)  nは自然数で,平方数でないとする。仮に n\sqrt{n} が有理数であるとすると,正の整数 a,ba,b を用いてn=ab\displaystyle \sqrt{n}=\frac{a}{b}と表せる。両辺を2乗して分母を払うとa2=nb2⋯①a^{2}=nb^{2}\qquad\cdots\text{①}を得る。  一般に,正の整数 mm の素因数分解を m=p1f1p2f2⋯pkfkm=p_1^{f_1}p_2^{f_2}\cdots p_k^{f_k}(p1,…,pkp_1,\dots,p_k は相異なる素数,各 fi≧1f_i\ge1)とすると,mm が平方数であるための必要十分条件は,すべての指数 fif_i が偶数であることである。実際,m=ℓ2m=\ell^{2} ならば ℓ\ell の素因数分解の各指数を2倍したものが mm の素因数分解の指数になるので偶数であり,逆にすべての指数が偶数 fi=2gif_i=2g_i ならば m=(p1g1⋯pkgk)2m=\bigl(p_1^{g_1}\cdots p_k^{g_k}\bigr)^{2} となり平方数である。  nn は平方数でないから,この条件により,nn の素因数分解の中に指数が奇数であるような素因数 pp が少なくとも1つ存在する。この pp について,nn の素因数分解での指数を ee(奇数)とする。  ①の両辺について,この素因数 pp の指数を比較する。右辺 nb2nb^{2} において pp の指数は,nn における指数 ee と b2b^{2} における指数(bb における指数の2倍で偶数)の和であるから,e+(偶数)e+(\text{偶数}) となり奇数である。一方,左辺 a2a^{2} において pp の指数は,aa における指数の2倍であるから偶数である。  ところが①より両辺は同じ正の整数を表しており,素因数分解の一意性から同じ整数の素因数分解における各素因数の指数は一致しなければならない。よって「奇数=偶数」となり矛盾する。  したがって,n\sqrt{n} を正の整数の比 ab\displaystyle \dfrac{a}{b} の形に表すことはできない。すなわち n\sqrt{n} は無理数である。■\blacksquare    (2)  まず次の補題を示す。  補題 自然数 nn に対して,nn と n+1n+1 が同時に平方数になることはない。  証明 仮に n=s2, n+1=t2n=s^{2},\,n+1=t^{2}(s,ts,t は正の整数)が成り立つとする。n≧1n\ge1 より s≧1s\ge1 であり,t2=s2+1>s2t^2=s^2+1>s^2 より t>st>s,すなわち t≧s+1≧2t\ge s+1\ge2 である。このときt2−s2=1、すなわち (t−s)(t+s)=1t^{2}-s^{2}=1\text{、すなわち }(t-s)(t+s)=1であるが,t−s≧1t-s\ge1,t+s≧1+2=3t+s\ge1+2=3 であるから (t−s)(t+s)≧3>1(t-s)(t+s)\ge3>1 となり,(t−s)(t+s)=1(t-s)(t+s)=1 に矛盾する。ゆえに補題が成り立つ。□\square  また,(1)の対偶をとると,「n\sqrt{n} が有理数ならば,nn は平方数である」(以下(1)′とよぶ)が成り立つ。  さて,an+bn+1a\sqrt{n}+b\sqrt{n+1} が有理数であると仮定し,その値を qq とおく。an+bn+1=q(qは有理数)⋯②a\sqrt{n}+b\sqrt{n+1}=q\qquad(q\text{は有理数})\qquad\cdots\text{②}②を bn+1=q−anb\sqrt{n+1}=q-a\sqrt{n} と変形し,両辺を2乗するとb2(n+1)=q2−2aqn+a2nb^{2}(n+1)=q^{2}-2aq\sqrt{n}+a^{2}nよって2aqn=q2+a2n−b2(n+1)⋯③2aq\sqrt{n}=q^{2}+a^{2}n-b^{2}(n+1)\qquad\cdots\text{③}③の右辺は,a,b,qa,b,q が有理数,nn が整数であることから有理数である。これを q′q' とおく。  (i) q≠0q\neq0 のとき:a>0a>0 より 2aq≠02aq\neq0 であるから,③よりn=q′2aq\displaystyle \sqrt{n}=\frac{q'}{2aq}は有理数どうしの商であるから有理数である。(1)′により nn は平方数であり,n=k2n=k^{2}(kk は正の整数)とおける(n≧1n\ge1 より k≧1k\ge1)。このとき②に n=k\sqrt{n}=k を代入するとbn+1=q−akb\sqrt{n+1}=q-akであり,右辺は有理数,b≠0b\neq0 であるからn+1=q−akb\displaystyle \sqrt{n+1}=\frac{q-ak}{b}は有理数である。(1)′により n+1n+1 も平方数となるが,これは補題(nn と n+1n+1 が同時に平方数にならないこと)に反する。よって q≠0q\neq0 の場合は矛盾する。  (ii) q=0q=0 のとき:②は bn+1=−anb\sqrt{n+1}=-a\sqrt{n} となる。左辺は b>0, n+1≧0b>0,\ \sqrt{n+1}\ge0 より 00 以上,右辺は a>0, n≧0a>0,\ \sqrt{n}\ge0 より 00 以下であるから,両辺はともに 00 でなければならない。しかし n≧1n\ge1 より n+1≧2>0n+1\ge2>0 であるから n+1>0\sqrt{n+1}>0,かつ b>0b>0 なので bn+1>0b\sqrt{n+1}>0 となり,これは bn+1=0b\sqrt{n+1}=0 に矛盾する。よって q=0q=0 の場合も矛盾する。  (i),(ii)のいずれの場合も矛盾するから,②を満たす有理数 qq は存在しない。したがって an+bn+1a\sqrt{n}+b\sqrt{n+1} は無理数である。■\blacksquare

この問題で使う考え方

  • 対偶・背理法による証明
  • 実数と無理数
  • 約数・倍数

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