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佐賀大学/2018年度/前期

佐賀大学 2018年 数学 第2問解答・解説

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1問題

佐賀大学2018年度第2問

関数 f(x)f(x) は x=0x=0 で微分可能であり,すべての実数 x,yx,y について等式 f(x+y)=f(x)cos⁡y+f(y)cos⁡xf(x+y)=f(x)\cos y+f(y)\cos x が成り立つとする。このとき,次の問に答えよ。

(1) f(0)f(0) を求めよ。

(2) a を実数とする。f(x)f(x) は x=ax=a で微分可能であることを示せ。

(3) f′(0)=3f\prime(0)=3 であるとする。f′(x)f\prime(x) および f(x)f(x) を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) f(0)=0(1)\space{}f(0)=0
    (2) 任意の実数 a に対し f(x) は x=ax=a で微分可能であり,f′(a)=f′(0)cos⁡af'(a)=f'(0)\cos a(証明終)
    (3) f′(x)=3cos⁡x, f(x)=3sin⁡x(3)\space{}f'(x)=3\cos x,\space{}f(x)=3\sin x

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1)  与式で x=y=0x=y=0 とおくと f(0)=f(0)cos⁡0+f(0)cos⁡0=2f(0)f(0)=f(0)\cos 0+f(0)\cos 0=2f(0) となるから,f(0)=2f(0)f(0)=2f(0),すなわち f(0)=0.f(0)=0.

(2)  aa を任意の実数とし,h≠0h\neq0 に対して差分商を考える。与式で x=a, y=hx=a,\ y=h とおくと f(a+h)=f(a)cos⁡h+f(h)cos⁡af(a+h)=f(a)\cos h+f(h)\cos a であるから f(a+h)−f(a)=f(a)(cos⁡h−1)+f(h)cos⁡a.f(a+h)-f(a)=f(a)(\cos h-1)+f(h)\cos a. よって h≠0h\neq0 に対して f(a+h)−f(a)h=f(a)⋅cos⁡h−1h+cos⁡a⋅f(h)h(∗)\displaystyle \frac{f(a+h)-f(a)}{h}=f(a)\cdot\frac{\cos h-1}{h}+\cos a\cdot\frac{f(h)}{h}\qquad(\ast) が成り立つ。右辺の各項の h→0h\to0 での極限を調べる。

(i) 倍角の公式 cos⁡h=1−2sin⁡2h2\displaystyle \cos h=1-2\sin^{2}\dfrac{h}{2} より cos⁡h−1=−2sin⁡2h2\displaystyle \cos h-1=-2\sin^{2}\dfrac{h}{2} であるから cos⁡h−1h=−2sin⁡2h2h=−sin⁡h2⋅sin⁡h2h2.\displaystyle \frac{\cos h-1}{h}=\frac{-2\sin^{2}\frac{h}{2}}{h}=-\sin\frac{h}{2}\cdot\frac{\sin\frac{h}{2}}{\frac{h}{2}}. h→0h\to0 のとき sin⁡h2→0\displaystyle \sin\dfrac{h}{2}\to0,かつ sin⁡h2h2→1\displaystyle \dfrac{\sin\frac{h}{2}}{\frac{h}{2}}\to1(三角関数の基本極限)であるから,積として lim⁡h→0cos⁡h−1h=0.\displaystyle \lim\limits _{h\to0}\frac{\cos h-1}{h}=0.

(ii) (1) より f(0)=0f(0)=0 であり,仮定により f(x)f(x) は x=0x=0 で微分可能であるから lim⁡h→0f(h)h=lim⁡h→0f(0+h)−f(0)h=f′(0)\displaystyle \lim\limits _{h\to0}\frac{f(h)}{h}=\lim\limits _{h\to0}\frac{f(0+h)-f(0)}{h}=f'(0) が有限な実数として存在する。

(i),(ii) を (∗)(\ast) に代入する。cos⁡a\cos a は hh に無関係な定数であるから lim⁡h→0f(a+h)−f(a)h=f(a)⋅0+cos⁡a⋅f′(0)=f′(0)cos⁡a\displaystyle \lim\limits _{h\to0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}=f(a)\cdot 0+\cos a\cdot f'(0)=f'(0)\cos a という有限の極限値が存在する。これは任意の実数 aa について成り立つから,f(x)f(x) は任意の実数 x=ax=a で微分可能であり,かつ f′(a)=f′(0)cos⁡a(任意の実数 a)f'(a)=f'(0)\cos a\qquad(\text{任意の実数 }a) が成り立つ。(証明終)

(3)  仮定 f′(0)=3f'(0)=3 と (2) の結果 f′(a)=f′(0)cos⁡af'(a)=f'(0)\cos a より,任意の実数 xx に対して f′(x)=3cos⁡xf'(x)=3\cos x である。

次に f(x)f(x) を求める。g(x)=f(x)−3sin⁡xg(x)=f(x)-3\sin x とおく。3sin⁡x3\sin x の導関数は 3cos⁡x3\cos x であるから g′(x)=f′(x)−3cos⁡x=0(すべての実数 x)g'(x)=f'(x)-3\cos x=0\qquad(\text{すべての実数 }x) である。導関数が恒等的に 00 である関数は(増加も減少もしないから)定数関数であるので,ある定数 CC を用いて g(x)=C,すなわちf(x)=3sin⁡x+Cg(x)=C,\quad\text{すなわち}\quad f(x)=3\sin x+C と書ける。(1) より f(0)=0f(0)=0 であり,3sin⁡0+C=C3\sin 0+C=C であるから C=0C=0。したがって f(x)=3sin⁡x(すべての実数 x)f(x)=3\sin x\qquad(\text{すべての実数 }x) である。

検算  f(x)=3sin⁡xf(x)=3\sin x が与えられた条件をすべて満たすことを確認する。加法定理 sin⁡(x+y)=sin⁡xcos⁡y+cos⁡xsin⁡y\sin(x+y)=\sin x\cos y+\cos x\sin y より,任意の実数 x,yx,y に対して f(x)cos⁡y+f(y)cos⁡x=3sin⁡xcos⁡y+3sin⁡ycos⁡x=3sin⁡(x+y)=f(x+y)f(x)\cos y+f(y)\cos x=3\sin x\cos y+3\sin y\cos x=3\sin(x+y)=f(x+y) となり,関数方程式を満たす。また f′(x)=3cos⁡xf'(x)=3\cos x より f′(0)=3cos⁡0=3f'(0)=3\cos 0=3 で仮定と一致し,f(0)=3sin⁡0=0f(0)=3\sin0=0 は (1) の結果とも一致する。さらに f(x)=3sin⁡xf(x)=3\sin x は実数全体で微分可能な関数であるから (2) の主張(任意の aa で微分可能)とも矛盾しない。よって (1)–(3) の結果は互いに整合しており,元の条件をすべて満たすことが確認できた。

この問題で使う考え方

  • 微分係数と導関数
  • 二倍角の公式
  • 三角関数の加法定理
  • 関数の極限
  • 三角関数の微分
  • 導関数と増減

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