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東京医科歯科大学/2000年度

東京医科歯科大学 2000年 数学 第1問解答・解説

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1問題

東京医科歯科大学2000年度第1問

箱の中に2枚のカードが入っていて, 1枚には複素数 1+i1+i が, 他の1枚には 1−i2\displaystyle \frac{1-i}{2} が記入してある (ii は虚数単位)。この箱からランダムに1枚のカードを取り出し, カードに記された複素数を記録した後にカードを元の箱に戻す。この操作を何度も繰り返し, 第 nn 回目の操作で記録された複素数を unu_n とする。u1u_1 から unu_n までの積 zn=u1u2⋯unz_n=u_1u_2\cdots u_n に関して以下の確率を求めよ。

(1) z4=1z_4=1 となる確率。

(2) ∣z10∣<6|z_{10}|<6 となる確率。

(3) nn が偶数のとき, znz_n が虚数となる確率。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)
    3/8
  • (2)
    121/128
  • (3)
    1/2

3解答

解答を見る途中式つきの解答

a=1+ia=1+i、b=1−i2\displaystyle b=\dfrac{1-i}{2} とおくと ab=(1+i)(1−i)2=1\displaystyle ab=\frac{(1+i)(1-i)}2=1 より b=a−1b=a^{-1} である。第 nn 回までに aa が出た回数を kk とすれば、bb は n−kn-k 回出ているから zn=akbn−k=a2k−n.z_n=a^k b^{n-k}=a^{2k-n}. 復元抽出なので、各 nn 回の結果は等確率 2−n2^{-n} であり、aa が kk 回出る結果は (nk)\displaystyle \binom nk 通りである。

(1) ∣a∣=2|a|=\sqrt2 なので、z4=1z_4=1 ならば 1=∣z4∣=(2)2k−41=|z_4|=(\sqrt2)^{2k-4} となり、2k−4=02k-4=0、すなわち k=2k=2 である。逆に k=2k=2 なら z4=a0=1z_4=a^0=1。よって確率は (42)24=616=38.\displaystyle \frac{\binom42}{2^4}=\frac6{16}=\frac38.

(2) ∣z10∣=(2)2k−10=2k−5|z_{10}|=(\sqrt2)^{2k-10}=2^{k-5} である。k≦7k\le7 なら 2k−5≦4<62^{k-5}\le4<6、k≧8k\ge8 なら 2k−5≧8>62^{k-5}\ge8>6 だから、条件は 0≦k≦70\le k\le7 と同値である。したがって Pr⁡(∣z10∣<6)=∑k=07(10k)210=1−(108)+(109)+(1010)210=1−45+10+11024=121128.\displaystyle \Pr(|z_{10}|<6) =\frac{\sum\limits _{k=0}^{7}\binom{10}{k}}{2^{10}} =1-\frac{\binom{10}{8}+\binom{10}{9}+\binom{10}{10}}{2^{10}} =1-\frac{45+10+1}{1024} =\frac{121}{128}.

(3) nn は偶数なので 2k−n=2r2k-n=2r、ただし r=k−n2\displaystyle r=k-\dfrac n2 は整数である。また (1+i)2=2i(1+i)^2=2i より zn=(1+i)2r=(2i)r.z_n=(1+i)^{2r}=(2i)^r. rr が偶数なら iri^r は実数、rr が奇数なら ir=±ii^r=\pm i なので znz_n は純虚数となる。従って znz_n が虚数となるのは k−n2\displaystyle k-\dfrac n2 が奇数のときである。 n≧1n\ge1 について ∑0≦k≦nk 偶数(nk)=∑0≦k≦nk 奇数(nk)=2n−1,\displaystyle \sum\limits _{\substack{0\le k\le n\\k\ {\rm 偶数}}}\binom nk = \sum\limits _{\substack{0\le k\le n\\k\ {\rm 奇数}}}\binom nk =2^{n-1}, これは (1+1)n=2n(1+1)^n=2^n、(1−1)n=0(1-1)^n=0 の和と差から従う。したがって kk の偶奇のどちらを指定しても該当する結果は 2n−12^{n-1} 通りであり、求める確率は 2n−12n=12.\displaystyle \frac{2^{n-1}}{2^n}=\frac12.

この問題で使う考え方

  • 複素数の冪の整理
  • 二項係数
  • 余事象
  • 二項和の偶奇分解

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