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東京医科歯科大学/2003年度

東京医科歯科大学 2003年 数学 第2問解答・解説

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1問題

東京医科歯科大学2003年度第2問

M を逆行列を持つ 2 次の正方行列とする。数列 {x_n}, {y_n} を (x0y0)=(10),(xnyn)=M(xn−1yn−1)(n=1,2,3,… )\displaystyle \binom{x_0}{y_0}=\binom{1}{0},\qquad \binom{x_n}{y_n}=M\binom{x_{n-1}}{y_{n-1}}\quad(n=1,2,3,\dots) によって定義し、(x_n,y_n)を座標とする平面上の点をP_nとする。このとき以下の各問いに答えよ。

(1) P_1がP_0と異なるとき、すべての自然数nに対してP_nはP_{n-1}と異なることを示せ。

(2) 定数θ\thetaを用いて(x_1,y_1)=(cos⁡\cosθ\theta,sin⁡\sinθ\theta), (x_2,y_2)=(cos⁡\cos2θ\theta,sin⁡\sin2θ\theta)と表されているとき、すべての自然数nに対して (xn,yn)=(cos⁡nθ,sin⁡nθ)(x_n,y_n)=(\cos n\theta,\sin n\theta) となることを示せ。

(3) A(1,0), B(12,32)\displaystyle \left(\frac12,\frac{\sqrt3}{2}\right)とし、C,D,E,Fをそれぞれ OC→=OB→−OA→,OD→=−OA→,OE→=−OB→,OF→=OA→−OB→\overrightarrow{\mathrm{OC}}=\overrightarrow{\mathrm{OB}}-\overrightarrow{\mathrm{OA}},\quad \overrightarrow{\mathrm{OD}}=-\overrightarrow{\mathrm{OA}},\quad \overrightarrow{\mathrm{OE}}=-\overrightarrow{\mathrm{OB}},\quad \overrightarrow{\mathrm{OF}}=\overrightarrow{\mathrm{OA}}-\overrightarrow{\mathrm{OB}} を満たす点とする。ここでOは原点を表す。以下の条件(a),(b),(c)がすべて成立しているとき、行列Mを求めよ。 (a) すべての自然数nに対して、P_nはA,B,C,D,E,Fのいずれかと一致する。 (b) P_1はBと一致する。 (c) P_6はAとは異なる。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) Pn≠Pn−1,(1)\space{}P_n\ne P_{n-1},
    (2) Pn=(cos⁡nθ,sin⁡nθ),(2)\space{}P_n=(\cos n\theta,\sin n\theta),
    (3) M=(12−52332−12).\displaystyle (3)\space{}M=\begin{pmatrix}\frac12&-\frac{5}{2\sqrt3}\\\frac{\sqrt3}{2}&-\frac12\end{pmatrix}.

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) Pn−Pn−1=Mn−1(P1−P0)。M は可逆なので Mn−1 も可逆である。P1−P0≠0 から Pn−Pn−1≠0、よって Pn≠Pn−1。(2) sin⁡θ≠0 なら P0=(1,0),P1=(cos⁡θ,sin⁡θ) は一次独立。回転 Rθ は P0↦P1, P1↦P2 とする。M も同じ基底上で同じ像を持つので M=Rθ。したがって Pn=RθnP0=(cos⁡nθ,sin⁡nθ)。sin⁡θ=0 の場合は P1=εP0 (ε=cos⁡θ=±1)。よって Pn=εnP0=(cos⁡nθ,sin⁡nθ)。(3) P1=B なので MA=B。A,B は一次独立で、P2=MB は6点のいずれか。M は可逆だから P2 は B と同一直線上の B,E ではない。P2=A なら周期2で P6=A となり不適。P2=C なら M は 60∘ 回転となり A,B,C,D,E,F,A と周期6で P6=A、不適。P2=F なら F=A−B より P3=M(A−B)=B−F=(0,3) は A,B,C,D,E,F のいずれでもない、不適。∴P2=D。MA=B, MB=D から、標準基底に対してM=(12−52332−12)。実際に A→B→D→E→A と巡回し、P6=D≠A。\displaystyle \text{(1) }P_n-P_{n-1}=M^{n-1}(P_1-P_0)。M\text{ は可逆なので }M^{n-1}\text{ も可逆である。}P_1-P_0\ne0\text{ から }P_n-P_{n-1}\ne0\text{、よって }P_n\ne P_{n-1}。\text{(2) }\sin\theta\ne0\text{ なら }P_0=(1,0),P_1=(\cos\theta,\sin\theta)\text{ は一次独立。}\text{回転 }R_\theta\text{ は }P_0\mapsto P_1,\ P_1\mapsto P_2\text{ とする。}M\text{ も同じ基底上で同じ像を持つので }M=R_\theta。\text{したがって }P_n=R_\theta^nP_0=(\cos n\theta,\sin n\theta)。\sin\theta=0\text{ の場合は }P_1=\varepsilon P_0\ (\varepsilon=\cos\theta=\pm1)。\text{よって }P_n=\varepsilon^nP_0=(\cos n\theta,\sin n\theta)。\text{(3) }P_1=B\text{ なので }MA=B。A,B\text{ は一次独立で、}P_2=MB\text{ は6点のいずれか。}M\text{ は可逆だから }P_2\text{ は }B\text{ と同一直線上の }B,E\text{ ではない。}P_2=A\text{ なら周期2で }P_6=A\text{ となり不適。}P_2=C\text{ なら }M\text{ は }60^\circ\text{ 回転となり }A,B,C,D,E,F,A\text{ と周期6で }P_6=A\text{、不適。}P_2=F\text{ なら }F=A-B\text{ より }P_3=M(A-B)=B-F=(0,\sqrt3)\text{ は }A,B,C,D,E,F\text{ のいずれでもない}\text{、不適。}\therefore P_2=D\text{。}M A=B,\ M B=D\text{ から、標準基底に対して}M=\begin{pmatrix}\frac12&-\frac{5}{2\sqrt3}\\[2pt]\frac{\sqrt3}{2}&-\frac12\end{pmatrix}。\text{実際に }A\to B\to D\to E\to A\text{ と巡回し、}P_6=D\ne A\text{。}

この問題で使う考え方

  • 可逆性で差ベクトルの非零性を保つ。三角関数の場合は基底上の線形写像一致を使う。最後は候補P2を6点から絞り、線形性でMを復元する。

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