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東京医科歯科大学/2012年度

東京医科歯科大学 2012年 数学 第3問解答・解説

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1問題

東京医科歯科大学2012年度第3問

関数 f(x)=x^3-x^2+x について、以下の各問いに答えよ。(1) f(x) はつねに増加する関数であることを示せ。(2) f(x) の逆関数を g(x) とおく。x>0 について ∛x-1<g(x)<∛x+1 が成立することを示せ。(3) b>a>0 について 0<∫_a^b 1/(x^2+1) dx<1/a が成立することを示せ。(4) 自然数 n について、(2)で定義された g(x) を用いて A_n=∫_n^{2n} 1/({g(x)}^3+g(x)) dx とおくとき、極限値 lim_{n→∞} A_n を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) fは狭義増加。(2) x3−1<g(x)<x3+1\sqrt[3]{x}-1<g(x)<\sqrt[3]{x}+1。(3) 指定積分は00より大きく1a\displaystyle \frac1aより小さい。(4) lim⁡n→∞An=ln⁡2\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}A_n=\ln2。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1)f′(x)=3x2−2x+1=3(x−13)2+23>0(x は実数).よってfはつねに増加する。またf(x)→±∞ (x→±∞)なので逆関数gが定まる。(2)x>0としてt=x3>0とおくと、f(t−1)=t3−4t2+6t−3=t3−{4(t−34)2+34}<t3=x,f(t+1)=t3+2t2+2t+1>x.fの増加性とf(g(x))=xからt−1<g(x)<t+1、すなわち所望の不等式を得る。(3)b>a>0なら0<1x2+1<1x2(a≦x≦b)であるから、0<∫abdxx2+1<∫abdxx2=1a−1b<1a.(4)un=g(n),vn=g(2n)とおく。fの増加性とf(0)=0より0<un<vn.x=f(y)=y3−y2+yと変数変換するとdx=(3y2−2y+1) dyであり、3y2−2y+1y3+y=1y+2y−2y2+1=1y+2yy2+1−2y2+1.したがってAn=ln⁡vnun+ln⁡vn2+1un2+1−2∫unvndyy2+1.(2)よりn1/3−1<un<n1/3+1,(2n)1/3−1<vn<(2n)1/3+1なので、unn1/3→1,vnn1/3→21/3,vnun→21/3,vn2+1un2+1→22/3.(3)をa=un, b=vnに適用すると0<∫unvndyy2+1<1un→0.ゆえにlim⁡n→∞An=ln⁡21/3+ln⁡22/3=ln⁡2.\displaystyle \begin{aligned} &\text{(1)}\quad f'(x)=3x^2-2x+1=3\left(x-\frac13\right)^2+\frac23>0\qquad(x\text{ は実数}).\\ &\text{よって}f\text{はつねに増加する。また}f(x)\to\pm\infty\ (x\to\pm\infty)\text{なので逆関数}g\text{が定まる。}\\ &\text{(2)}\quad x>0\text{として}t=\sqrt[3]{x}>0\text{とおくと、}\\ &f(t-1)=t^3-4t^2+6t-3=t^3-\left\{4\left(t-\frac34\right)^2+\frac34\right\}<t^3=x,\\ &f(t+1)=t^3+2t^2+2t+1>x.\\ &\text{fの増加性と}f(g(x))=x\text{から}t-1<g(x)<t+1\text{、すなわち所望の不等式を得る。}\\ &\text{(3)}\quad b>a>0\text{なら}0<\frac1{x^2+1}<\frac1{x^2}\qquad(a\leq x\leq b)\text{であるから、}\\ &0<\int_a^b\frac{dx}{x^2+1}<\int_a^b\frac{dx}{x^2}=\frac1a-\frac1b<\frac1a.\\ &\text{(4)}\quad u_n=g(n),\quad v_n=g(2n)\text{とおく。}f\text{の増加性と}f(0)=0\text{より}0<u_n<v_n.\\ &x=f(y)=y^3-y^2+y\text{と変数変換すると}dx=(3y^2-2y+1)\,dy\text{であり、}\\ &\frac{3y^2-2y+1}{y^3+y}=\frac1y+\frac{2y-2}{y^2+1}=\frac1y+\frac{2y}{y^2+1}-\frac2{y^2+1}.\\ &\text{したがって}\\ &A_n=\ln\frac{v_n}{u_n}+\ln\frac{v_n^2+1}{u_n^2+1}-2\int_{u_n}^{v_n}\frac{dy}{y^2+1}.\\ &\text{(2)より}n^{1/3}-1<u_n<n^{1/3}+1,\quad (2n)^{1/3}-1<v_n<(2n)^{1/3}+1\text{なので、}\\ &\frac{u_n}{n^{1/3}}\to1,\quad \frac{v_n}{n^{1/3}}\to2^{1/3},\quad \frac{v_n}{u_n}\to2^{1/3},\quad \frac{v_n^2+1}{u_n^2+1}\to2^{2/3}.\\ &\text{(3)を}a=u_n,\ b=v_n\text{に適用すると}\\ &0<\int_{u_n}^{v_n}\frac{dy}{y^2+1}<\frac1{u_n}\to0.\\ &\text{ゆえに}\quad\lim\limits _{n\to\infty}A_n=\ln 2^{1/3}+\ln 2^{2/3}=\ln2. \end{aligned}

この問題で使う考え方

  • HS_III_MONOTONICITY
  • HS_III_INVERSE_FUNCTION_BOUNDS
  • HS_III_INTEGRAL_COMPARISON
  • 置換積分法
  • HS_III_LIMIT_SQUEEZE

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