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滋賀医科大学/2018年度/前期

滋賀医科大学 2018年 数学 第4問解答・解説

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1問題

滋賀医科大学2018年度第4問

一辺の長さが1 m1\,\mathrm{m}の正四面体の辺上に4匹のアリがいる。時刻0分において,アリは別々の頂点にいる。各自然数ttに対して,時刻(t−1)(t-1)分からtt分までの1分間に,アリは頂点から他の頂点へ分速1 m1\,\mathrm{m}で進むか,同じ頂点にとどまるかのどちらかである。そしてアリが他のいずれの頂点へ進む確率も,同じ頂点にとどまる確率も,等しく14\displaystyle \frac{1}{4}である。以下,nnを自然数とする。

(1) 時刻nn分のとき,4匹のアリが同じ頂点に居合わせる確率を求めよ。

(2) 時刻0分からnn分までの間に,どのアリも他のアリと頂点で出会わない確率を求めよ。

(3) 時刻0分からnn分までの間に,どのアリも他のアリと頂点でも辺の中点でも出会わない確率を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • 原文の周辺確率だけでは一意に定まらない。独立一様選択を追加した場合に限り、(1) 164\displaystyle \frac1{64}、(2) (332)n\displaystyle \left(\frac3{32}\right)^n、(3) (15256)n\displaystyle \left(\frac{15}{256}\right)^n。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

agraph{問題文の条件について} 問題文は各アリについて、次の頂点が現在の頂点を含む4頂点のどれになる確率も 14\displaystyle \frac14 と定めている。しかし、異なるアリの選択が独立であるとは明記していない。この差で答えは変わる。たとえば各分に4頂点から一つを一様に選び、4匹すべてをその頂点へ進ませるモデルでも、各アリについては現在の頂点にとどまる確率も他の各頂点へ進む確率も 14\displaystyle \frac14 である。このモデルでは1分後に必ず4匹が同じ頂点にいるので、n≧1n\geq1 に対して (1) は 11、(2),(3) は 00 となる。

一方、各アリの選択を互いに独立にすれば、以下の計算のとおり別の値になる。よって、与えられた条件だけでは3小問の確率は一意に定まらず、厳密な答えは HOLD である。

agraph{各アリの選択が互いに独立であると補った場合} 以下では、各アリの行先の選択がアリ同士および各分の間で独立であると仮定して、条件付きの答えを求める。

agraph{(1)} n≧1n\geq1 とする。最後の1分における各アリの行先は、直前の位置によらず4頂点から等確率で選ばれる。したがって、4匹が同じ頂点に着く確率は、共通の到着先を4通りから選んで 4(14)4=164\displaystyle 4\left(\frac14\right)^4=\frac1{64} となる。

agraph{(2)} ある整数時刻に4匹が頂点で出会っていないなら、4匹は4頂点に1匹ずついる。次の1分後にも頂点で出会わないためには、4匹の行先が互いに異ならなければならない。その行先の割当ては 4!4! 通りあり、各割当ての確率は (14)4\displaystyle \left(\frac14\right)^4 である。よって、安全な状態から次の1分間も頂点で出会わない確率は 4!(14)4=24256=332\displaystyle 4!\left(\frac14\right)^4=\frac{24}{256}=\frac3{32} である。初めは4匹が別々の頂点におり、どの安全な配置からもこの確率は同じなので、これが nn 分続く確率は (332)n\displaystyle \left(\frac3{32}\right)^n となる。

agraph{(3)} 頂点で出会わないための行先の割当ては、(2) と同じく4頂点の置換である。置換に2-cycle(2匹が互いの出発頂点へ進む組)があると、その2匹は正四面体の辺を反対向きに分速 1 m1\,\mathrm{m} で進み、途中の辺の中点で出会う。逆に、2-cycleがなければ、異なる2匹が同じ辺を反対向きに進むことはない。正四面体の辺の内部どうしは交わらず、整数時刻の頂点でも行先が相異なるので、頂点にも辺の中点にも出会わない。

したがって、1分間の安全な行先の置換は2-cycleを含まない置換である。その個数は、恒等置換が1個、3-cycleが (43)⋅2=8\displaystyle \binom43\cdot2=8 個、4-cycleが (4−1)!=6(4-1)!=6 個なので、合計 1+8+6=151+8+6=15 個である。安全な配置から次の1分間も出会わない確率は 15(14)4=15256\displaystyle 15\left(\frac14\right)^4=\frac{15}{256} であり、nn 分続く確率は (15256)n\displaystyle \left(\frac{15}{256}\right)^n となる。

以上の (1)--(3) の数値は、すべて「各アリの選択が互いに独立」という追加条件のもとでの値である。

この問題で使う考え方

  • 確率の基本法則
  • 積の法則
  • 順列
  • 独立な試行

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