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滋賀医科大学/2025年度/前期

滋賀医科大学 2025年 数学 第4問解答・解説

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1問題

滋賀医科大学2025年度第4問

係数がすべて実数である多項式を実多項式,係数がすべて整数である多項式を整多項式と呼ぶ。ただし,単項式も多項式と考える。 f(x)=x4+x2+1,g(x)=x4−x2+1f(x)=x^{4}+x^{2}+1,\qquad g(x)=x^{4}-x^{2}+1 とおく。   (1) h(x)h(x) を実多項式とする。複素数 α\alpha が方程式 h(x)=0h(x)=0 の解ならば,α\alpha の共役複素数 αˉ\bar{\alpha} もこの方程式の解であることを示せ。   (2) 方程式 f(x)=0f(x)=0 の解,方程式 g(x)=0g(x)=0 の解をそれぞれ複素数の範囲で求め,複素数平面上に図示せよ。   (3) f(x),g(x)f(x),g(x) をそれぞれ1次以上3次以下の実多項式の積の形に表せ。   (4) g(x)g(x) は1次以上3次以下の整多項式の積の形に表せるか。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2解答

解答を見る答えはこの解答の中にあります

(1) h(x)=∑k=0nakxk (ak は実数)\displaystyle h(x)=\sum\limits _{k=0}^{n}a_kx^k\ (a_k\text{ は実数}) と書く。h(α)=0h(\alpha)=0 ならば、実数 aka_k は共役を取っても変わらないので h(α‾)=∑k=0nakα‾ k=∑k=0nakαk‾=h(α)‾=0.\displaystyle h(\overline{\alpha}) =\sum\limits _{k=0}^{n}a_k\overline{\alpha}^{\,k} =\overline{\sum\limits _{k=0}^{n}a_k\alpha^k} =\overline{h(\alpha)}=0. よって α‾\overline{\alpha} も解である。

(2) 平方の差を用いると f(x)=(x2+1)2−x2=(x2+x+1)(x2−x+1),g(x)=(x2+1)2−3x2=(x2+3x+1)(x2−3x+1).f(x)=(x^2+1)^2-x^2=(x^2+x+1)(x^2-x+1), \quad g(x)=(x^2+1)^2-3x^2=(x^2+\sqrt3x+1)(x^2-\sqrt3x+1). 各二次方程式を解いて f(x)=0:x=1+3i2, 1−3i2, −1+3i2, −1−3i2,\displaystyle f(x)=0:\quad x=\frac{1+\sqrt3 i}{2},\ \frac{1-\sqrt3 i}{2},\ \frac{-1+\sqrt3 i}{2},\ \frac{-1-\sqrt3 i}{2}, g(x)=0:x=3+i2, 3−i2, −3+i2, −3−i2.\displaystyle g(x)=0:\quad x=\frac{\sqrt3+i}{2},\ \frac{\sqrt3-i}{2},\ \frac{-\sqrt3+i}{2},\ \frac{-\sqrt3-i}{2}. したがって、複素数平面での点 (ℜx,ℑx)(\Re x,\Im x) は、f(x)=0f(x)=0 について (12,32), (12,−32), (−12,32), (−12,−32),\displaystyle \left(\frac12,\frac{\sqrt3}{2}\right),\ \left(\frac12,-\frac{\sqrt3}{2}\right),\ \left(-\frac12,\frac{\sqrt3}{2}\right),\ \left(-\frac12,-\frac{\sqrt3}{2}\right), g(x)=0g(x)=0 について (32,12), (32,−12), (−32,12), (−32,−12)\displaystyle \left(\frac{\sqrt3}{2},\frac12\right),\ \left(\frac{\sqrt3}{2},-\frac12\right),\ \left(-\frac{\sqrt3}{2},\frac12\right),\ \left(-\frac{\sqrt3}{2},-\frac12\right) である。以下の図では黒丸が f(x)=0f(x)=0 の解、白丸が g(x)=0g(x)=0 の解を表す。いずれも原点中心の単位円上にある。

複素平面の横軸ℜxと縦軸ℑxに正方向の矢印があり、各象限に黒丸1個と白丸1個、合計8点が描かれている。黒丸4個は実軸より虚軸に近い位置、白丸4個は虚軸より実軸に近い位置に、両軸について対称に並んでいる。

(3) 上の恒等式から f(x)=(x2+x+1)(x2−x+1),g(x)=(x2+3x+1)(x2−3x+1).f(x)=(x^2+x+1)(x^2-x+1),\qquad g(x)=(x^2+\sqrt3x+1)(x^2-\sqrt3x+1). 各因子は実係数の二次多項式なので条件を満たす。

(4) 実数 tt に対して g(t)=(t2−12)2+34>0\displaystyle g(t)=\left(t^2-\frac12\right)^2+\frac34>0 であり、gg は実数解をもたない。したがって一次の整多項式因子はない。もし指定された範囲の整多項式の積に表せるなら、次数の和が 44 であることから二次式二つの積となる。最高次係数の積が 11 なので、必要なら両因子の符号を変えて g(x)=(x2+px+q)(x2+rx+s)(p,q,r,s は整数)g(x)=(x^2+px+q)(x^2+rx+s)\qquad(p,q,r,s\text{ は整数}) と書ける。x3x^3 と定数項の係数比較から r=−p, qs=1r=-p,\ qs=1 である。ゆえに q=s=1q=s=1 または q=s=−1q=s=-1 となる。x2x^2 の係数比較により q+s+pr=2q−p2=−1,p2=2q+1.q+s+pr=2q-p^2=-1,\qquad p^2=2q+1. q=1q=1 では p2=3p^2=3、q=−1q=-1 では p2=−1p^2=-1 となり、いずれも整数 pp に不可能である。よって g(x)g(x) は指定された整多項式の積に表せない。

実係数多項式の共役根性は係数の共役を取って示す。f,gを平方差で二次式に分け、全根の座標を複素平面に描く。gに実根がなく、二次×二次の整数係数分解を仮定した係数比較が整数平方の矛盾を生むため、指定された整数係数分解はない。

この問題で使う考え方

  • 共役根性
  • 平方差による因数分解
  • 二次方程式
  • 係数比較による背理法

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