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島根大学/2009年度/前期

島根大学 2009年 数学 第4問解答・解説

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1問題

島根大学2009年度第4問

a,ba,b を0でない実数とし,X=(0a0b0b0a0),S={Xn∣nは自然数}X=\begin{pmatrix}0&a&0\\b&0&b\\0&a&0\end{pmatrix},\qquad S=\{X^n\mid n\text{は自然数}\} とする。このとき,次の問いに答えよ。

(1) a=12, b=1\displaystyle a=\frac{1}{2},\ b=1 のとき,SS の異なる要素をすべて求めよ。

(2) すべての自然数 kk に対して X2k−1=(2ab)k−1XX^{2k-1}=(2ab)^{k-1}X となることを示せ。

(3) SS の要素は3個ではないことを示せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) S={X,X2}S=\{X,X^2\}。 (2) X2k−1=(2ab)k−1XX^{2k-1}=(2ab)^{k-1}X。 (3) ∣S∣\lvert S\rvertは2個、4個または無限個であり、3個ではない。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

a,b≠0a,b\ne0 とし、 X=(0a0b0b0a0)X=\begin{pmatrix}0&a&0\\b&0&b\\0&a&0\end{pmatrix} とおく。直接計算すると X2=ab(101020101),X3=2abX.X^2=ab\begin{pmatrix}1&0&1\\0&2&0\\1&0&1\end{pmatrix}, \qquad X^3=2abX.

(1) a=12, b=1\displaystyle a=\frac12,\ b=1 では X2=(1201201012012),X3=X.\displaystyle X^2=\begin{pmatrix}\frac12&0&\frac12\\0&1&0\\\frac12&0&\frac12\end{pmatrix}, \qquad X^3=X. 従って奇数乗は XX、偶数乗は X2X^2 である。X12=12\displaystyle X_{12}=\frac12、(X2)12=0(X^2)_{12}=0 より異なる2行列であり、 S={(01201010120),(1201201012012)}.\displaystyle S=\left\{ \begin{pmatrix}0&\frac12&0\\1&0&1\\0&\frac12&0\end{pmatrix}, \begin{pmatrix}\frac12&0&\frac12\\0&1&0\\\frac12&0&\frac12\end{pmatrix} \right\}.

(2) X3=2abXX^3=2abX を用いる。k=1k=1 では X=(2ab)0XX=(2ab)^0X。X2k−1=(2ab)k−1XX^{2k-1}=(2ab)^{k-1}X と仮定すると X2(k+1)−1=X2k+1=X2k−1X2=(2ab)k−1X3=(2ab)kX.X^{2(k+1)-1}=X^{2k+1}=X^{2k-1}X^2 =(2ab)^{k-1}X^3=(2ab)^kX. よって帰納法により、全ての自然数 kk で成立する。

(3) c=2ab≠0c=2ab\ne0 とおく。(2)から X2k−1=ck−1X,X2k=ck−1X2.X^{2k-1}=c^{k-1}X,\qquad X^{2k}=c^{k-1}X^2. また X≠0X\ne0、X2≠0X^2\ne0 であり、X12=a≠0X_{12}=a\ne0、(X2)12=0(X^2)_{12}=0 なので非零定数倍どうしでも XX 型と X2X^2 型は一致しない。

c=1c=1 なら S={X,X2}S=\{X,X^2\} で2要素。

c=−1c=-1 なら奇数乗は ±X\pm X、偶数乗は ±X2\pm X^2 で、上の成分比較と非零性から4要素は相異なる。

最後に c≠±1c\ne\pm1 とする。もし k>ℓk>\ell に対し ck−1=cℓ−1c^{k-1}=c^{\ell-1} なら、c≠0c\ne0 より ck−ℓ=1c^{k-\ell}=1。実数 cc の正整数乗が 11 となるのは c=1c=1 または c=−1c=-1 の場合だけなので矛盾する。よって奇数乗だけでも無限個の相異なる行列があり、いずれの場合も SS の要素数は3ではない。

この問題で使う考え方

  • 数学的帰納法
  • 行列を用いた表現

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