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昭和大学/2011年度/Ⅰ期

昭和大学 2011年 数学 第3問解答・解説

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1問題

昭和大学2011年度第3問

次の各問に答えよ。ただし,答は結果のみを解答欄に記入せよ。

(1) 不等式 log⁡8(1−x)+log⁡64(x+2)≧log⁡4x\log_{8}(1-x)+\log_{64}(x+2)\geq\log_{4}x を解け。

(2) tan⁡x+1tan⁡x=103(0<x≦π4)\displaystyle \tan x+\frac{1}{\tan x}=\frac{10}{3}\quad(0<x\leq\frac{\pi}{4}) のとき,sin⁡x+cos⁡x\sin x+\cos x の値を求めよ。

(3) 行列 (a1−a1−bb)\begin{pmatrix}a&1-a\\1-b&b\end{pmatrix} で表される移動によって,直線 y=3xy=3x 上の点 (t,3t)(t,3t) が実数 tt の値にかかわらずつねに直線 y=3xy=3x 上の点に移るための,a,ba,b の条件を求めよ。

(4) 2次正方行列 AA はその逆行列 A−1A^{-1} と一致し,A(13)=(3−1)A\begin{pmatrix}1\\3\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}3\\-1\end{pmatrix} を満たしている。AA を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

対数不等式は定義域を先に固定して底をそろえ、三角関数は角度範囲に基づき値を選ぶ。行列問題は成分表示と与条件から必要十分条件・成分を求め、代入と行列積で検算する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) 0<x≦23\displaystyle \quad 0<x\leq\frac{2}{3}\quad / (2) 2105\displaystyle \quad \frac{2\sqrt{10}}{5}\quad / (3) 3a+b=4\quad 3a+b=4\quad / (4) A=(354545−35)\displaystyle \quad A=\begin{pmatrix}\frac35&\frac45\\[2pt]\frac45&-\frac35\end{pmatrix}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 各対数の真数が正であるための条件は1−x>0, x+2>0, x>01-x>0,\ x+2>0,\ x>0であり、まとめると0<x<10<x<1である。底を2にそろえると log⁡8(1−x)+log⁡64(x+2)≧log⁡4xすなわち 13log⁡2(1−x)+16log⁡2(x+2)≧12log⁡2xすなわち log⁡2((1−x)2(x+2))≧log⁡2(x3)すなわち (1−x)2(x+2)≧x3すなわち x3−3x+2≧x3すなわち x≦23.\displaystyle \begin{aligned} &\log_{8}(1-x)+\log_{64}(x+2)\geq\log_{4}x\\ \text{すなわち }&\frac13\log_{2}(1-x)+\frac16\log_{2}(x+2)\geq\frac12\log_{2}x\\ \text{すなわち }&\log_{2}\bigl((1-x)^2(x+2)\bigr)\geq\log_{2}(x^3)\\ \text{すなわち }&(1-x)^2(x+2)\geq x^3\\ \text{すなわち }&x^3-3x+2\geq x^3\\ \text{すなわち }&x\leq\frac23. \end{aligned} 底2>12>1の対数関数は増加し、定義域内で両真数は正なので、以上の変形は同値である。定義域と合わせて解は0<x≦23\displaystyle 0<x\leq\frac23である。

(2) t=tan⁡xt=\tan xとおく。0<x≦π4\displaystyle 0<x\leq\frac\pi4より0<t≦10<t\leq1であるから、 t+1t=103すなわち3t2−10t+3=0すなわち(3t−1)(t−3)=0.\displaystyle t+\frac1t=\frac{10}{3}\quad\text{すなわち}\quad 3t^2-10t+3=0\quad\text{すなわち}\quad(3t-1)(t-3)=0. 二つの候補t=13,3\displaystyle t=\frac13,3のうち範囲を満たすのはt=13\displaystyle t=\frac13だけである。さらにcos⁡x>0\cos x>0より sin⁡x+cos⁡x=t+11+t2=4/310/9=2105.\displaystyle \sin x+\cos x=\frac{t+1}{\sqrt{1+t^2}}=\frac{4/3}{\sqrt{10/9}}=\frac{2\sqrt{10}}5.

(3) 行列の作用を列ベクトルで計算すると (x′y′)=(a1−a1−bb)(t3t)=((3−2a)t(1+2b)t).\begin{pmatrix}x'\\y'\end{pmatrix} =\begin{pmatrix}a&1-a\\1-b&b\end{pmatrix}\begin{pmatrix}t\\3t\end{pmatrix} =\begin{pmatrix}(3-2a)t\\(1+2b)t\end{pmatrix}. すべての実数ttについて像がy=3xy=3x上にあることはy′=3x′y'=3x'がすべてのttで成り立つことと同値である。したがって (1+2b)t=3(3−2a)t(すべての実数 tについて)すなわち1+2b=9−6aすなわち3a+b=4.(1+2b)t=3(3-2a)t\quad(\text{すべての実数 }t\text{について}) \quad\text{すなわち}\quad 1+2b=9-6a \quad\text{すなわち}\quad 3a+b=4. この条件を満たせば確かに常にy′=3x′y'=3x'となるので、必要十分条件は3a+b=43a+b=4である。

(4) A=A−1A=A^{-1}よりA2=IA^2=Iである。v=(13),w=(3−1)\mathbf v=\begin{pmatrix}1\\3\end{pmatrix},\quad \mathbf w=\begin{pmatrix}3\\-1\end{pmatrix}とおくと、条件はAv=wA\mathbf v=\mathbf wであり、さらにAw=A2v=vA\mathbf w=A^2\mathbf v=\mathbf vとなる。A=(pqrs)A=\begin{pmatrix}p&q\\r&s\end{pmatrix}とおけば {p+3q=3,3p−q=1,r+3s=−1,3r−s=3.\begin{cases} p+3q=3,\\ 3p-q=1,\\ r+3s=-1,\\ 3r-s=3. \end{cases} 前二式を解くとp=35, q=45\displaystyle p=\frac35,\ q=\frac45、後二式を解くとr=45, s=−35\displaystyle r=\frac45,\ s=-\frac35である。よって A=(354545−35).\displaystyle A=\begin{pmatrix}\frac35&\frac45\\[2pt]\frac45&-\frac35\end{pmatrix}. 検算すると Av=w,A2=125(344−3)2=125(250025)=I,\displaystyle A\mathbf v=\mathbf w,\qquad A^2=\frac1{25}\begin{pmatrix}3&4\\4&-3\end{pmatrix}^2=\frac1{25}\begin{pmatrix}25&0\\0&25\end{pmatrix}=I, となり、A=A−1A=A^{-1}と与えられたベクトルの条件の両方を満たす。連立方程式の解は一意なのでこれが求める行列である。

この問題で使う考え方

  • 対数とその性質
  • 対数関数のグラフ・増減
  • 三角関数の相互関係
  • 行列を用いた表現

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