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富山大学/2015年度

富山大学 2015年 数学 第1問解答・解説

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1問題

富山大学2015年度第1問

次の問いに答えよ。

(1) 関数 f(x)f(x) は区間 a,ba,b で連続であり,区間 a,ba,b で第2次導関数 f′′(x)f''(x) をもつとする。さらに,区間 a,ba,b で f′′(x)<0f''(x)<0 が成り立つとする。 y=g(x)y=g(x) を2点 (a,f(a)),(b,f(b))(a,f(a)), (b,f(b)) を通る直線の方程式とするとき,区間 a,ba,b で常に f(x)>g(x)f(x)>g(x) であることを示せ。

(2) nn を2以上の自然数とするとき,j=1,2,…,n−1j=1,2,\ldots,n-1 について log⁡j+log⁡(j+1)2<∫jj+1log⁡x dx\displaystyle \frac{\log j+\log(j+1)}{2}<\int_j^{j+1}\log x\,dx が成り立つことを示せ。

(3) nn を2以上の自然数とするとき,次の不等式が成り立つことを示せ。 n!(n−1)!<nne−n+1.\sqrt{n!(n-1)!}<n^n e^{-n+1}.

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)
    任意の x∈(a,b) で f(x)>g(x)f(x)>g(x)。
  • (2)
    全ての j=1,…,n−1j=1,\ldots,n-1 で log⁡j+log⁡(j+1)2<∫jj+1log⁡x dx\displaystyle \frac{\log j+\log(j+1)}2<\int_j^{j+1}\log x\,dx。
  • (3)
    全ての n≧2n\geq2 で n!(n−1)!<nne−n+1\sqrt{n!(n-1)!}<n^n e^{-n+1}。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) h(x)=f(x)−g(x)h(x)=f(x)-g(x) とおくと,h(a)=h(b)=0h(a)=h(b)=0,h′′(x)=f′′(x)<0h''(x)=f''(x)<0 である。従って h′h' は a<x<ba<x<b の範囲で、x1<x2x_1<x_2 ならば h′(x1)>h′(x2)h'(x_1)>h'(x_2) が成り立つ。a<x<ba<x<b を満たす任意の xx に対し,平均値の定理より a<c1<xa<c_1<x, x<c2<bx<c_2<b を満たす c1,c2c_1,c_2 が存在して h′(c1)=h(x)x−a,h′(c2)=−h(x)b−x.\displaystyle h'(c_1)=\frac{h(x)}{x-a},\qquad h'(c_2)=\frac{-h(x)}{b-x}. c1<c2c_1<c_2 より h′(c1)>h′(c2)h'(c_1)>h'(c_2)。分母は正なので,この不等式を整理すると h(x)>0h(x)>0。従って f(x)>g(x)f(x)>g(x)。

(2) log⁡x\log x は x>0x>0 で二階微分が −1/x2<0-1/x^2<0 である。(1)を範囲 j≦x≦j+1j\le x\le j+1 に適用すると,端点を結ぶ一次関数 ℓj(x)=(j+1−x)log⁡j+(x−j)log⁡(j+1)\ell_j(x)=(j+1-x)\log j+(x-j)\log(j+1) に対して,j<x<j+1j<x<j+1 で log⁡x>ℓj(x)\log x>\ell_j(x)。これを積分すると ∫jj+1log⁡x dx>∫jj+1ℓj(x) dx=log⁡j+log⁡(j+1)2.\displaystyle \int_j^{j+1}\log x\,dx>\int_j^{j+1}\ell_j(x)\,dx=\frac{\log j+\log(j+1)}2.

(3) (2)を j=1,…,n−1j=1,\ldots,n-1 について加える。左辺の和は ∑j=1n−1log⁡j+log⁡(j+1)2=log⁡((n−1)!)+12log⁡n=12log⁡(n!(n−1)!),\displaystyle \sum\limits _{j=1}^{n-1}\frac{\log j+\log(j+1)}2 =\log((n-1)!)+\frac12\log n =\frac12\log\bigl(n!(n-1)!\bigr), 一方,右辺の積分和は ∫1nlog⁡x dx=nlog⁡n−n+1.\displaystyle \int_1^n\log x\,dx=n\log n-n+1. したがって 12log⁡(n!(n−1)!)<nlog⁡n−n+1\displaystyle \frac12\log(n!(n-1)!)<n\log n-n+1。両辺を指数関数で移せば n!(n−1)!<nne−n+1.\sqrt{n!(n-1)!}<n^n e^{-n+1}.

h(x)=f(x)−g(x)h(x)=f(x)-g(x)を置くと端点で0、二階導関数は負。任意の内点xxを左右に分けた平均値の定理の2点ではh′h'が左の方で大きいため、h(x)x−a>−h(x)b−x\displaystyle \frac{h(x)}{x-a}>-\frac{h(x)}{b-x}となりh(x)>0h(x)>0が従う。これが(1)。log⁡x\log xにも同じ補題を各単位区間で使うと、曲線の下の積分は端点を結ぶ台形の面積より大きくなり(2)。これらをj=1j=1からn−1n-1まで加えると、左辺はlog⁡n!(n−1)!\log\sqrt{n!(n-1)!}、右辺は∫1nlog⁡x dx=nlog⁡n−n+1\displaystyle \int_1^n\log x\,dx=n\log n-n+1。指数関数を適用して(3)を得る。

この問題で使う考え方

  • 平均値の定理
  • 狭義凹性
  • 不等式の区間和
  • 指数関数による変形

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