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滋賀医科大学/2019年度/前期

滋賀医科大学 2019年 数学 第4問解答・解説

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1問題

滋賀医科大学2019年度第4問

a,ba,b を実数とする。曲線 y=exy=e^{x} と直線 y=ax+by=ax+b は 0≦x≦10\leq x\leq1 の範囲で異なる2点で交わるとする。区間 0≦x≦10\leq x\leq1 を定義域とする関数f(x)=∣ex−(ax+b)∣f(x)=|e^{x}-(ax+b)|を考える。

(1) a>0a>0 を示せ。

(2) b>0b>0 を示せ。

(3) f(x)f(x) を最大にする xx の値が3個存在するとき、aa と bb を求めよ。

(4) (3)のときの a,ba,b に対して、∫01ex dx≦∫01(ax+b) dx\displaystyle \int_{0}^{1}e^{x}\,dx\leq\int_{0}^{1}(ax+b)\,dxを示せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)a>0(1) a>0。 (2)b>0(2) b>0。 (3)a=e−1,b=[e−(e−1)ln(e−1)]/2(3) a=e−1, b=[e−(e−1)ln(e−1)]/2。 (4) 不等式は厳密に成立。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

g(x)=ex−ax−bg(x)=e^x-ax-b とおき、2交点の xx 座標を u<vu<v とする。0≦u<v≦10\le u<v\le1 を満たす。

(1) g(u)=g(v)=0g(u)=g(v)=0 より a=(ev−eu)/(v−u)>0a=(e^v-e^u)/(v-u)>0。

(2) 指数関数の平均変化率は端点の値の間にあるので eu<a<eve^u<a<e^v。b=eu−uab=e^u-ua である。u=0u=0 なら b=1b=1。u>0u>0 なら u<1u<1 で、a<eva<e^v より ua/eu<uev−u≦ue1−u<1ua/e^u<u e^{v-u}\leq u e^{1-u}<1。最後は h(t)=te1−th(t)=t e^{1-t} が 0<t<10<t<1 で増加し h(1)=1h(1)=1 であることによる。したがって b>0b>0。

(3) c=ln⁡ac=\ln a とおくと eu<a<eve^u<a<e^v より u<c<vu<c<v、特に 0<c<10<c<1。g′(x)=ex−ag'(x)=e^x-a なので gg は 0≦x≦c0\le x\le c で減少し c≦x≦1c\le x\le1 で増加する。gg は u,vu,v で0となるため、∣g∣|g| の最大値を取る候補は 0,c,10,c,1 のみである。最大を与える xx が3個なので、3点すべてで同じ正の値 MM を取る。両端では gg が正だから 1−b=M=e−a−b1-b=M=e-a-b となり a=e−1a=e-1。中央では M=−g(c)=b−a(1−ln⁡a)M=-g(c)=b-a(1-\ln a)。これを 1−b1-b と等しくすると b=[1+a(1−ln⁡a)]/2=[e−(e−1)ln⁡(e−1)]/2b=[1+a(1-\ln a)]/2=[e-(e-1)\ln(e-1)]/2。

この値が条件を実際に満たすことも確認する。a=e−1a=e-1 は 1<a<e1<a<e を満たし、c=ln⁡ac=\ln a は 0<c<10<c<1。q(t)=t(1−ln⁡t)q(t)=t(1-\ln t) とおくと、t>1t>1 で q′(t)=−ln⁡t<0q'(t)=-\ln t<0。ゆえに 0<q(a)<10<q(a)<1 で M=(1−q(a))/2>0M=(1-q(a))/2>0。求めた b=(1+q(a))/2b=(1+q(a))/2 により g(0)=g(1)=Mg(0)=g(1)=M、g(c)=−Mg(c)=-M。gg は 0≦x≦c0\le x\le c で減少し c≦x≦1c\le x\le1 で増加するため、零点は各区間に1個ずつあり、∣g∣|g| の最大点はちょうど 0,c,10,c,1 の3個。

(4) g′′(x)=ex>0g''(x)=e^x>0 だから gg は下に凸である。区間 0≦x≦c0\le x\le c ではグラフは端点 (0,M),(c,−M)(0,M),(c,-M) を結ぶ弦より内点で真に下にある。この弦の積分は区間長に端点高さの平均を掛けたもので0だから ∫0cg(x) dx<0\displaystyle \int_0^c g(x)\,dx<0。同様に c≦x≦1c\le x\le1 でも弦の端点高さが −M,M-M,M なので ∫c1g(x) dx<0\displaystyle \int_c^1 g(x)\,dx<0。従って ∫01ex dx−∫01(ax+b) dx=∫01g(x) dx<0\displaystyle \int_0^1 e^x\,dx-\int_0^1(ax+b)\,dx=\int_0^1g(x)\,dx<0。これで求める不等式(実際には厳密不等式)が従う。

g(x)=ex−ax−bg(x)=e^x-ax-b とおき、2交点のxx座標を u<vu<v とする。0≦u<v≦10\leq u<v\leq1を満たす。

(1) g(u)=g(v)=0g(u)=g(v)=0 より a=ev−euv−u>0\displaystyle a=\frac{e^v-e^u}{v-u}>0。

(2) 指数関数の平均変化率は端点の値の間にあるので eu<a<eve^u<a<e^v。b=eu−uab=e^u-ua である。u=0u=0なら b=1b=1。u>0u>0なら u<1u<1 で、a<eva<e^v より uaeu<uev−u≦ue1−u<1\displaystyle \frac{ua}{e^u}<u e^{v-u}\leq u e^{1-u}<1。最後は h(t)=te1−th(t)=t e^{1-t} が0<t<10<t<1で増加し h(1)=1h(1)=1であることによる。したがって b>0b>0。

(3) c=ln⁡ac=\ln a とおくと eu<a<eve^u<a<e^v より u<c<vu<c<v、特に0<c<10<c<1。g′(x)=ex−ag'(x)=e^x-a なので g は0≦x≦c0\leq x\leq cで減少しc≦x≦1c\leq x\leq1で増加する。gはu,vで0となるため、∣g∣|g|の最大値を取る候補は0,c,10,c,1のみである。最大を与えるxが3個なので、3点すべてで同じ正の値MMを取る。両端では g が正だから 1−b=M=e−a−b1-b=M=e-a-b となり a=e−1a=e-1。中央では M=−g(c)=b−a(1−ln⁡a)M=-g(c)=b-a(1-\ln a)。これを1−bと等しくすると b=1+a(1−ln⁡a)2=e−(e−1)ln⁡(e−1)2\displaystyle b=\frac{1+a(1-\ln a)}{2}=\frac{e-(e-1)\ln(e-1)}{2}。

この値が条件を実際に満たすことも確認する。a=e−1a=e-1は1<a<e1<a<eを満たし、c=ln⁡ac=\ln aは0<c<10<c<1。q(t)=t(1−ln⁡t)q(t)=t(1-\ln t) とおくと、t>1t>1で q′(t)=−ln⁡t<0q'(t)=-\ln t<0。ゆえに0<q(a)<10<q(a)<1で M=1−q(a)2>0\displaystyle M=\frac{1-q(a)}{2}>0。求めたb=1+q(a)2\displaystyle b=\frac{1+q(a)}{2}により g(0)=g(1)=Mg(0)=g(1)=M、g(c)=−Mg(c)=-M。gは0≦x≦c0\leq x\leq cで減少しc≦x≦1c\leq x\leq1で増加するため、零点は各区間に1個ずつあり、∣g∣|g|の最大点はちょうど0,c,10,c,1の3個。

(4) g′′(x)=ex>0g''(x)=e^x>0 だからgは下に凸である。区間0≦x≦c0\leq x\leq cではグラフは端点(0,M),(c,−M)(0,M),(c,-M)を結ぶ弦より内点で真に下にある。この弦の積分は区間長に端点高さの平均を掛けたもので0だから ∫0cg(x) dx<0\displaystyle \int_0^c g(x)\,dx<0。同様にc≦x≦1c\leq x\leq1でも、弦の端点高さが−M,M-M,Mなので ∫c1g(x) dx<0\displaystyle \int_c^1 g(x)\,dx<0。従って ∫01ex dx−∫01(ax+b) dx=∫01g(x) dx<0\displaystyle \int_0^1e^x\,dx-\int_0^1(ax+b)\,dx=\int_0^1g(x)\,dx<0。これで求める不等式(実際には厳密不等式)が従う。

この問題で使う考え方

  • 平均値の定理
  • 指数関数の増減と凸性
  • 最大値の候補分類
  • 弦と凸関数の積分比較

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