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滋賀医科大学/2019年度/前期

滋賀医科大学 2019年 数学 第2問解答・解説

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1問題

滋賀医科大学2019年度第2問

(1) k,lk,l を自然数として、異なる kk 個の複素数 α1,…,αk\alpha_{1},\ldots,\alpha_{k} と異なる ll 個の複素数 β1,…,βl\beta_{1},\ldots,\beta_{l} を考える。任意の複素数 zz について、kk 個の複素数 z−α1,…,z−αkz-\alpha_{1},\ldots,z-\alpha_{k} の積と ll 個の複素数 z−β1,…,z−βlz-\beta_{1},\ldots,z-\beta_{l} の積が等しい、すなわち(z−α1)×⋯×(z−αk)=(z−β1)×⋯×(z−βl)(z-\alpha_{1})\times\cdots\times(z-\alpha_{k})=(z-\beta_{1})\times\cdots\times(z-\beta_{l})とする。このとき、k=lk=l であって、β1,…,βl\beta_{1},\ldots,\beta_{l} を並び替えると α1,…,αk\alpha_{1},\ldots,\alpha_{k} になることを示せ。

(2) nn を自然数とする。方程式 zn=1z^{n}=1 の解は、ある複素数 ω\omega を用いて表される nn 個の複素数 ωk(k=1,2,…,n)\omega^{k}\quad(k=1,2,\ldots,n) であることを示せ。

(3) m,nm,n を自然数とする。mm が nn の約数であることは、方程式 zm=1z^{m}=1 の任意の解が方程式 zn=1z^{n}=1 の解になるための必要十分条件であることを示せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • 問1
    k=lk=lであり、β1,…,βlβ_1,…,β_lは並べ替えるとα1,…,αkα_1,…,α_kに一致する
  • 問2
    ω=cos⁡(2πn)+isin⁡(2πn)\displaystyle ω=\cos(\frac{2π}{n})+i \sin(\frac{2π}{n})とすると、相異なる全解はωk(k=1,…,n)ω^k (k=1,…,n)
  • 問3
    m∣n⇔zm=1m|n ⇔ z^m=1の任意の解がzn=1z^n=1の解である

3解答

解答を見る途中式つきの解答

問1。両辺は最高次係数が 11 の多項式で、次数はそれぞれ kk、ll である。全ての複素数 zz について等しいので次数が等しく、k=lk=l。

z=α1z=\alpha_1 を代入すると左辺は 00 だから、右辺の積も 00 となる。よって、ある jj について α1=βj\alpha_1=\beta_j。この βj\beta_j を先頭に並べ替えると、両辺に共通因子 z−α1z-\alpha_1 がある。これを約して残りの積の恒等式を得る。同じ操作を繰り返すと、β1,…,βl\beta_1,\ldots,\beta_l は並べ替えによって α1,…,αk\alpha_1,\ldots,\alpha_k と一致する。

問2。zn=1z^n=1 の解を z=r(cos⁡θ+isin⁡θ)z=r(\cos\theta+i\sin\theta) と表すと、絶対値から rn=1r^n=1、したがって r=1r=1。ド・モアブルの定理より nθ=2πqn\theta=2\pi q となる整数 qq がある。ここで ω=cos⁡2πn+isin⁡2πn\displaystyle \omega=\cos\frac{2\pi}{n}+i\sin\frac{2\pi}{n} とおく。qq と nn を法として同じ剰余をもつ 1≦k≦n1\le k\le n を満たす整数 kk を選べば、z=ωkz=\omega^k。逆に各 k=1,…,nk=1,\ldots,n について (ωk)n=1(\omega^k)^n=1 である。また、ωj=ωk\omega^j=\omega^k なら n∣(j−k)n\mid(j-k)。1≦j,k≦n1\le j,k\le n から ∣j−k∣<n|j-k|<n なので j=kj=k であり、列挙した解は相異なる。

問3。まず m∣nm\mid n とし、n=qmn=qm と書く。zm=1z^m=1 なら zn=(zm)q=1z^n=(z^m)^q=1 だから、任意の mm 乗根は nn 乗根である。

逆に、zm=1z^m=1 の任意の解が zn=1z^n=1 の解になると仮定する。ζ=cos⁡2πm+isin⁡2πm\displaystyle \zeta=\cos\frac{2\pi}{m}+i\sin\frac{2\pi}{m} とおくと ζm=1\zeta^m=1 だから、仮定により ζn=1\zeta^n=1。ド・モアブルの定理を使うと cos⁡2πnm+isin⁡2πnm=1.\displaystyle \cos\frac{2\pi n}{m}+i\sin\frac{2\pi n}{m}=1. したがって 2πn/m=2πq2\pi n/m=2\pi q となる整数 qq があり、n/m=qn/m=q は整数である。よって m∣nm\mid n。以上から必要十分条件が示された。

問1は多項式の次数を比べた後、根を代入して一致する因子を消去し帰納的に並べ替えを証明する。問2は極形式とド・モアブルの定理で解を列挙し、相異性を確認する。問3は指数の倍数性による十分性と、偏角2π/mの解を使った必要性を示す。

この問題で使う考え方

  • 次数比較
  • 根の代入と共通因子の消去
  • 複素数の極形式
  • ド・モアブルの定理
  • 必要十分条件の証明

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