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山口大学/2018年度/前期

山口大学 2018年 数学 第4問解答・解説

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1問題

山口大学2018年度第4問配点 50点

nnを自然数とする。正三角形 OABOAB の各辺を nn 等分してできる点を通り,辺 OA,OB,ABOA,OB,AB に平行な直線をすべて引く。これらの直線と辺 OA,OB,ABOA,OB,AB の中の3本によって作られる正三角形のうち,正三角形 OABOAB からはみ出ないものを考える。そのような正三角形の個数を tnt_n とする。ただし,n=1n=1 のときは正三角形 OABOAB のみを考えて,t1=1t_1=1 とする。このとき,次の問いに答えなさい。

頂点Oが上、Aが左下、Bが右下の三角形に、各辺を5等分する三角格子が破線で描かれている。外周OABは実線。内部には実線の正三角形が2つあり、1つは辺OB上に1辺をもつ1辺3の上向きの正三角形、もう1つは左上の頂点がOA上、下の頂点がAB上にある1辺2の下向きの正三角形である。下に「図:n=5の場合」と記されている。

(1) t2=5t_2=5 である。t3t_3 の値を求めなさい。

(2) 1辺が辺 ABAB 上にある正三角形の個数を nn を用いて表しなさい。

(3) 辺 ABAB と1点のみを共有する正三角形の個数を,nn が偶数と奇数の場合に分け,nn を用いて表しなさい。

(4) un=t2n−1u_n=t_{2n-1} とおくとき,un+1−unu_{n+1}-u_n を nn を用いて表しなさい。

(5) nn が奇数のとき,nn を用いて tnt_n を表しなさい。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)t3=13(1) t_3=13。(2) n(n+1)/2。(3) nが偶数ならn²/4、奇数なら(n²−1)/4。(4)un+1−un=(2n+1)(3n+1)(4) u_{n+1}−u_n=(2n+1)(3n+1)。(5) 奇数nでは t_n=(n+1)(2n²+3n−1)/8。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

辺 ABAB 方向と辺 AOAO 方向をそれぞれ1単位とする格子座標 (i,j)(i,j) をとると、三角形 OABOAB 内の格子点は i≧0,j≧0,i+j≦ni\ge0,\qquad j\ge0,\qquad i+j\le n で表される。一辺が kk の上向きの正三角形は頂点を (i,j),(i+k,j),(i,j+k)(i,j),(i+k,j),(i,j+k) と表せるため、内包条件は i+j+k≦ni+j+k\le n。したがって個数は ∑i=0n−k(n−k−i+1)=(n−k+1)(n−k+2)2.\displaystyle \sum\limits _{i=0}^{n-k}(n-k-i+1)=\frac{(n-k+1)(n-k+2)}2. 下向きの正三角形は頂点を (i,j+k),(i+k,j+k),(i+k,j)(i,j+k),(i+k,j+k),(i+k,j) と表せる。内包条件は i+j+2k≦ni+j+2k\le n なので、1≦k≦⌊n/2⌋1\le k\le\lfloor n/2\rfloor のとき個数は ∑i=0n−2k(n−2k−i+1)=(n−2k+1)(n−2k+2)2.\displaystyle \sum\limits _{i=0}^{n-2k}(n-2k-i+1)=\frac{(n-2k+1)(n-2k+2)}2.

(1)n=3n=3 では、上向き三角形は一辺1,2,3についてそれぞれ6,3,1個、下向きは一辺1について3個である。よって t3=6+3+1+3=13.t_3=6+3+1+3=13.

(2)辺 ABAB 上に一辺をもつのは、上向き三角形で j=0j=0 のものに限る。一辺 kk ごとに辺上の位置は n−k+1n-k+1 通りだから、個数は ∑k=1n(n−k+1)=n(n+1)2.\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{n}(n-k+1)=\frac{n(n+1)}2.

(3)辺 ABAB とちょうど1点を共有するのは、下向き三角形で j=0j=0 の場合である。一辺 kk ごとに条件 i+2k≦ni+2k\le n を満たす ii は 0,1,…,n−2k0,1,\ldots,n-2k の n−2k+1n-2k+1 個。したがって総数は ∑k=1⌊n/2⌋(n−2k+1).\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{\lfloor n/2\rfloor}(n-2k+1). n=2mn=2m ならこの和は ∑k=1m(2m−2k+1)=m2=n2/4\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{m}(2m-2k+1)=m^2=n^2/4。n=2m+1n=2m+1 なら ∑k=1m2(m+1−k)=m(m+1)=(n2−1)/4\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{m}2(m+1-k)=m(m+1)=(n^2-1)/4。

(4)一辺 NN の三角形に含まれる上向き三角形の総数は ∑k=1N(N−k+1)(N−k+2)2=(N+23).\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{N}\frac{(N-k+1)(N-k+2)}2=\binom{N+2}{3}. 下向きの総数は ∑k=1⌊N/2⌋(N−2k+22).\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{\lfloor N/2\rfloor}\binom{N-2k+2}{2}. un+1−un=t2n+1−t2n−1u_{n+1}-u_n=t_{2n+1}-t_{2n-1} を求めるため N=2n+1N=2n+1 と N=2n−1N=2n-1 を比べる。上向きの差は (2n+33)−(2n+13)=(2n+22)+(2n+12).\displaystyle \binom{2n+3}{3}-\binom{2n+1}{3} =\binom{2n+2}{2}+\binom{2n+1}{2}. 下向きの総和では、展開した和の余分な項が (2n+12)\displaystyle \binom{2n+1}{2} であるから、その差は (2n+12)\displaystyle \binom{2n+1}{2}。したがって un+1−un=(2n+22)+2(2n+12)=(2n+1)(3n+1).\displaystyle u_{n+1}-u_n=\binom{2n+2}{2}+2\binom{2n+1}{2}=(2n+1)(3n+1).

(5)u1=t1=1u_1=t_1=1 より ur=1+∑j=1r−1(2j+1)(3j+1)=1+∑j=1r−1(6j2+5j+1)=r(4r2−r−1)2.\displaystyle \begin{aligned} u_r&=1+\sum\limits _{j=1}^{r-1}(2j+1)(3j+1)\\ &=1+\sum\limits _{j=1}^{r-1}(6j^2+5j+1) =\frac{r(4r^2-r-1)}2. \end{aligned} 奇数 nn に対し n=2r−1n=2r-1、すなわち r=(n+1)/2r=(n+1)/2 だから tn=ur=(n+1)(2n2+3n−1)8.\displaystyle t_n=u_r=\frac{(n+1)(2n^2+3n-1)}8.

三角格子を座標(i,j)で表し、上向き・下向きの一辺kの個数を別々に数える。これを使ってABとの共有点数、奇数辺数の総数差を求める。最後に差を初期値u_1=1から総和して奇数nの公式を得る。

この問題で使う考え方

  • 格子座標による分類
  • 場合分けと総和
  • 二項係数
  • 階差からの総和

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