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山口大学/2018年度/前期

山口大学 2018年 数学 第1問解答・解説

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1問題

山口大学2018年度第1問配点 50点

nnを自然数とする。このとき,次の問いに答えなさい。

(1) 方程式 zn=1z^n=1 の解をすべて求め,極形式で表しなさい。ただし,解 zz の偏角 θ\theta は 0≦θ<2π0\leq\theta<2\pi とする。

(2) (1)で得られた解を偏角が小さい順に c0,c1,c2,…,cn−1c_0,c_1,c_2,\ldots,c_{n-1} とおく。このとき,すべての k=0,1,2,…,n−1k=0,1,2,\ldots,n-1 に対して, ∣ck+1−ck∣=2(1−cos⁡2πn)\displaystyle \left|c_{k+1}-c_k\right|=\sqrt{2\left(1-\cos\frac{2\pi}{n}\right)} が成り立つことを示しなさい。ただし,cn=c0c_n=c_0 とする。

(3) (2)の ckc_k に対して Sn=∑k=0n−1∣ck+1−ck∣\displaystyle S_n=\sum\limits _{k=0}^{n-1}\left|c_{k+1}-c_k\right| とするとき,lim⁡n→∞Sn\displaystyle\lim\limits _{n\to\infty}S_n を求めなさい。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) z=cos(2πm/n)+i sin(2πm/n), m=0,1,…,n−1。(2) ∣ck+1−ck∣=2(1−cos⁡2πn)\displaystyle |c_{k+1}-c_k|=\sqrt{2\left(1-\cos\frac{2\pi}{n}\right)}。(3)lim⁡n→∞Sn=2π\displaystyle (3) \lim\limits _{n\to\infty}S_n=2π。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

nnを正の整数とする。

(1) z=r(cos⁡θ+isin⁡θ)z=r(\cos\theta+i\sin\theta)(r>0r>0, 0≦θ<2π0\leq\theta<2\pi)とおく。ド・モアブルの定理から zn=rn(cos⁡nθ+isin⁡nθ)z^n=r^n(\cos n\theta+i\sin n\theta) である。これが 11 に等しいためには rn=1r^n=1 かつ nθ=2mπn\theta=2m\pi(mmは整数)である。よって r=1r=1、また 0≦θ<2π0\leq\theta<2\pi より m=0,1,…,n−1m=0,1,\ldots,n-1 となる。したがって解は z=cos⁡2πmn+isin⁡2πmn\displaystyle z=\cos\frac{2\pi m}{n}+i\sin\frac{2\pi m}{n}(m=0,1,…,n−1m=0,1,\ldots,n-1)である。

(2) δ=2πn\displaystyle \delta=\frac{2\pi}{n} とおくと、(1)より ck=cos⁡(kδ)+isin⁡(kδ)c_k=\cos(k\delta)+i\sin(k\delta) である。またこの式で k=nk=n とすると cn=1=c0c_n=1=c_0 となる。したがって k=0,1,…,n−1k=0,1,\ldots,n-1 のいずれについても、複素数の絶対値の定義と三角関数の加法定理から∣ck+1−ck∣2={cos⁡((k+1)δ)−cos⁡(kδ)}2+{sin⁡((k+1)δ)−sin⁡(kδ)}2=2−2{cos⁡((k+1)δ)cos⁡(kδ)+sin⁡((k+1)δ)sin⁡(kδ)}=2(1−cos⁡δ).\begin{aligned} |c_{k+1}-c_k|^2 &=\{\cos((k+1)\delta)-\cos(k\delta)\}^2\\ &\quad+\{\sin((k+1)\delta)-\sin(k\delta)\}^2\\ &=2-2\{\cos((k+1)\delta)\cos(k\delta)+\sin((k+1)\delta)\sin(k\delta)\}\\ &=2(1-\cos\delta). \end{aligned}両辺は非負であるから、∣ck+1−ck∣=2(1−cos⁡2πn)\displaystyle |c_{k+1}-c_k|=\sqrt{2\left(1-\cos\frac{2\pi}{n}\right)} を得る。

(3) (2)の結果を和に用いるとSn=n2(1−cos⁡2πn)=2nsin⁡πn=2πsin⁡(π/n)π/n.\displaystyle S_n=n\sqrt{2\left(1-\cos\frac{2\pi}{n}\right)}=2n\sin\frac{\pi}{n}=2\pi\frac{\sin(\pi/n)}{\pi/n}.ここで π/n>0\pi/n>0 であり、n→∞n\to\infty のとき π/n→0\pi/n\to0 だから、lim⁡x→0sin⁡xx=1\displaystyle \lim\limits _{x\to0}\frac{\sin x}{x}=1 より lim⁡n→∞Sn=2π\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}S_n=2\pi である。

ド・モアブルの定理で1のn乗根を単位円上に等間隔に並べる。隣り合う根の差の絶対値を加法定理で弦長に直し、n倍した周長を標準三角関数極限へ帰着する。

この問題で使う考え方

  • ド・モアブルの定理
  • 複素数の絶対値と三角関数の加法定理
  • sin x/xの極限

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