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山口大学/2021年度/前期

山口大学 2021年 数学 第4問解答・解説

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1問題

山口大学2021年度第4問

【選択問題】(配点50)ee を自然対数の底とする。tt を 0<t<10<t<1 を満たす実数とし,座標平面において,曲線 y=exy=e^x 上に3点 P(0,1), Q(t,et), R(1,e)P(0,1),\ Q(t,e^t),\ R(1,e) をとる。点 QQ における y=exy=e^x の接線と xx 軸,および2直線 x=0, x=1x=0,\ x=1 で囲まれた図形の面積を S1(t)S_1(t) とする。また,線分 PQPQ と線分 QRQR と xx 軸,および2直線 x=0, x=1x=0,\ x=1 で囲まれた図形の面積を S2(t)S_2(t) とする。さらに,y=exy=e^x と xx 軸,および2直線 x=0, x=1x=0,\ x=1 で囲まれた図形の面積を S0S_0 とする。このとき,次の問いに答えなさい。

(1) tt が 0<t<10<t<1 の範囲を動くとき,S1(t)S_1(t) の最大値を求めなさい。

(2) tt が 0<t<10<t<1 の範囲を動くとき,S2(t)S_2(t) の最小値を求めなさい。

(3) S0≧S1(t)S_0\geq S_1(t) であることを用いて,次の不等式が成り立つことを示しなさい。 e≧3+52\displaystyle e\geq\frac{3+\sqrt{5}}{2}

(4) S2(t)≧S0S_2(t)\geq S_0 であることを用いて,次の不等式が成り立つことを示しなさい。 e≦3+72\displaystyle e\leq\frac{3+\sqrt{7}}{2} 必要ならば,x>1x>1 のとき (x−1)log⁡(x−1)≧(x−1)log⁡x−1+12x\displaystyle (x-1)\log(x-1)\geq(x-1)\log x-1+\frac{1}{2x} が成り立つことを用いてよい。ただし,対数は自然対数とする。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

接線と区分線形なグラフの面積を積分または台形の面積で表し、指数関数の微分で最大・最小を決める。得られた面積の関係と提示された対数不等式を用いてeの上下界を導いた。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) e (t=12),\displaystyle (1)\space{}\sqrt{e}\space{}(t=\tfrac12),
    (2) 2e−1−(e−1)log⁡(e−1)2 (t=log⁡(e−1)),\displaystyle (2)\space{}\frac{2e-1-(e-1)\log(e-1)}{2}\space{}(t=\log(e-1)),
    (3) e≧3+52,\displaystyle (3)\space{}e\geq\frac{3+\sqrt5}{2},
    (4) e≦3+72.\displaystyle (4)\space{}e\leq\frac{3+\sqrt7}{2}.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

・ 点Q(t,et)Q(t,e^t)での接線は y=et+et(x−t)=et(x+1−t)y=e^t+e^t(x-t)=e^t(x+1-t) である。0<t<10<t<1より、0≦x≦10\leq x\leq1でx+1−t>0x+1-t>0だから、この接線とxx軸の間の面積は S1(t)=∫01et(x+1−t) dx=et(32−t).\displaystyle S_1(t)=\int_0^1 e^t(x+1-t)\,dx =e^t\left(\frac32-t\right). したがって S1′(t)=et(12−t).\displaystyle S_1'(t)=e^t\left(\frac12-t\right). よって0<t<12\displaystyle 0<t<\frac12で増加し、12<t<1\displaystyle \frac12<t<1で減少する。最大値はt=12\displaystyle t=\frac12のときの S1(12)=e1/2=e\displaystyle S_1\left(\frac12\right)=e^{1/2}=\sqrt e である。

・ 線分PQPQ、QRQRの下の面積をそれぞれ台形の面積で表すと S2(t)=t(1+et)+(1−t)(et+e)2=t+et+(1−t)e2.\displaystyle S_2(t)=\frac{t(1+e^t)+(1-t)(e^t+e)}2 =\frac{t+e^t+(1-t)e}{2}. したがって S2′(t)=et−(e−1)2.\displaystyle S_2'(t)=\frac{e^t-(e-1)}2. e>2e>2より1<e−1<e1<e-1<eであるから、0<t<10<t<1にet=e−1e^t=e-1を満たすただ一つの値 t0=log⁡(e−1)t_0=\log(e-1) がある。指数関数の増加性から、t<t0t<t_0ではS2′(t)<0S_2'(t)<0、t>t0t>t_0ではS2′(t)>0S_2'(t)>0である。ゆえに最小値は S2(t0)=2e−1−(e−1)log⁡(e−1)2\displaystyle S_2(t_0)=\frac{2e-1-(e-1)\log(e-1)}2 である。

・ S0=∫01ex dx=e−1.\displaystyle S_0=\int_0^1e^x\,dx=e-1. 与えられたS0≧S1(t)S_0\geq S_1(t)をt=12\displaystyle t=\frac12で用いると e−1≧e.e-1\geq\sqrt e. u=e>0u=\sqrt e>0とおけばu2−u−1≧0u^2-u-1\geq0である。正の範囲ではu≧1+52\displaystyle u\geq\frac{1+\sqrt5}{2}だから、両辺を二乗して e≧(1+52)2=3+52\displaystyle e\geq\left(\frac{1+\sqrt5}{2}\right)^2 =\frac{3+\sqrt5}{2} を得る。

・ t0=log⁡(e−1)t_0=\log(e-1)ではS2(t0)S_2(t_0)が最小であり、仮定S2(t)≧S0S_2(t)\geq S_0から e−1=S0≦S2(t0)=2e−1−(e−1)log⁡(e−1)2\displaystyle e-1=S_0\leq S_2(t_0) =\frac{2e-1-(e-1)\log(e-1)}2 である。問題文の不等式にx=ex=eを代入すると (e−1)log⁡(e−1)≧e−2+12e\displaystyle (e-1)\log(e-1)\geq e-2+\frac1{2e} となる。これを上式の右辺に用いれば e−1≦S2(t0)≦e+1−12e2.\displaystyle e-1\leq S_2(t_0) \leq\frac{e+1-\frac1{2e}}2. 従って 2e2−6e+1≦0.2e^2-6e+1\leq0. この二次式の根は3−72,3+72\displaystyle \frac{3-\sqrt7}{2},\frac{3+\sqrt7}{2}であり、e>2e>2だから e≦3+72\displaystyle e\leq\frac{3+\sqrt7}{2} を得る。

この問題で使う考え方

  • 指数関数のグラフ・増減
  • 対数とその性質
  • 対数関数のグラフ・増減
  • 積の微分
  • 指数・対数関数の微分
  • 曲線の接線
  • 三角・指数・対数関数等の積分
  • 曲線で囲まれた面積

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