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横浜市立大学/2009年度/前期

横浜市立大学 2009年 数学 第IV問解答・解説

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1問題

横浜市立大学2009年度第IV問

関数ϕ(x)\phi(x)およびその導関数ϕ′(x)\phi'(x)がある開区間J上で次の等式をみたすとする。ϕ′(x)=a(x)+b(x)ϕ(x)+c(x)ϕ(x)2(*)\phi'(x)=a(x)+b(x)\phi(x)+c(x)\phi(x)^{2}\tag{*} ここにa(x),b(x),c(x)a(x),b(x),c(x)はJ上の与えられた連続関数である。以下(∗)(*)をみたす関数ϕ(x)\phi(x)を(∗)(*)の解と呼ぶ。開区間J上では,(∗)(*)の異なる二つの解ϕi(x),ϕj(x)\phi_i(x),\phi_j(x)に対して ϕi(x)≠ϕj(x)(x∈J)\phi_i(x)\neq\phi_j(x)\qquad(x\in J) が成り立つと仮定する。以下の問いに答えよ。ただし,簡単のためϕ=ϕ(x), ϕ′=ϕ′(x)\phi=\phi(x),\ \phi' =\phi'(x)と略記する。

(1) ϕi,ϕj\phi_i,\phi_jを(∗)(*)の異なる二つの解とする。このとき ϕi′−ϕj′ϕi−ϕj\displaystyle \frac{\phi_i'-\phi_j'}{\phi_i-\phi_j} を求めよ。

(2) ϕ1,ϕ2,ϕ3\phi_1,\phi_2,\phi_3を(∗)(*)の異なる三つの解とし,さらにϕ\phiをϕ3\phi_3と異なる(∗)(*)の任意の解とする。そして (ϕ,ϕ1,ϕ2,ϕ3)=(ϕ−ϕ1)(ϕ2−ϕ3)(ϕ−ϕ3)(ϕ2−ϕ1)\displaystyle (\phi,\phi_1,\phi_2,\phi_3)=\frac{(\phi-\phi_1)(\phi_2-\phi_3)}{(\phi-\phi_3)(\phi_2-\phi_1)} とおく(複比と呼ばれる)。このとき ddx(ϕ,ϕ1,ϕ2,ϕ3)=0\displaystyle \frac{d}{dx}(\phi,\phi_1,\phi_2,\phi_3)=0 を示せ。

(3)

(2)より (ϕ,ϕ1,ϕ2,ϕ3)=K(定数)(\phi,\phi_1,\phi_2,\phi_3)=K\quad(\text{定数}) となる。これよりϕ\phiをKとϕ1,ϕ2,ϕ3\phi_1,\phi_2,\phi_3を用いて表せ(分子と分母にKが含まれるようにせよ)。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2解答

解答を見る答えはこの解答の中にあります

(1)  ϕi′=a+bϕi+cϕi2,ϕj′=a+bϕj+cϕj2\phi_i'=a+b\phi_i+c\phi_i^2,\qquad \phi_j'=a+b\phi_j+c\phi_j^2 より、 ϕi′−ϕj′=b(ϕi−ϕj)+c(ϕi2−ϕj2)=(ϕi−ϕj){b+c(ϕi+ϕj)}.\phi_i'-\phi_j'=b(\phi_i-\phi_j)+c(\phi_i^2-\phi_j^2)=(\phi_i-\phi_j)\{b+c(\phi_i+\phi_j)\}. 仮定よりϕi−ϕj≠0\phi_i-\phi_j\ne0なので、 ϕi′−ϕj′ϕi−ϕj=b+c(ϕi+ϕj).\displaystyle \frac{\phi_i'-\phi_j'}{\phi_i-\phi_j}=b+c(\phi_i+\phi_j).

(2)  複比をR=(ϕ,ϕ1,ϕ2,ϕ3)R=(\phi,\phi_1,\phi_2,\phi_3)とおく。ϕ=ϕ1\phi=\phi_1ならばR=0R=0で一定だからR′=0R'=0である。以下ϕ≠ϕ1\phi\ne\phi_1とする。このとき各分母およびRRはJJ上で0でない。積・商の微分法から R′R=ϕ′−ϕ1′ϕ−ϕ1−ϕ′−ϕ3′ϕ−ϕ3+ϕ2′−ϕ3′ϕ2−ϕ3−ϕ2′−ϕ1′ϕ2−ϕ1.\displaystyle \frac{R'}{R}=\frac{\phi'-\phi_1'}{\phi-\phi_1}-\frac{\phi'-\phi_3'}{\phi-\phi_3}+\frac{\phi_2'-\phi_3'}{\phi_2-\phi_3}-\frac{\phi_2'-\phi_1'}{\phi_2-\phi_1}. (1)を各項に用いると、右辺は {b+c(ϕ+ϕ1)}−{b+c(ϕ+ϕ3)}+{b+c(ϕ2+ϕ3)}−{b+c(ϕ2+ϕ1)}=0.\{b+c(\phi+\phi_1)\}-\{b+c(\phi+\phi_3)\}+\{b+c(\phi_2+\phi_3)\}-\{b+c(\phi_2+\phi_1)\}=0. よってR′=0R'=0であり、求める等式が成り立つ。

(3)  (2)より複比はJJ上で一定であり、その値をKKとする。A=ϕ2−ϕ1A=\phi_2-\phi_1、B=ϕ2−ϕ3B=\phi_2-\phi_3とおくとA≠0A\ne0、B≠0B\ne0である。複比の定義から K=(ϕ−ϕ1)B(ϕ−ϕ3)A,KA(ϕ−ϕ3)=B(ϕ−ϕ1).\displaystyle K=\frac{(\phi-\phi_1)B}{(\phi-\phi_3)A},\qquad KA(\phi-\phi_3)=B(\phi-\phi_1). したがって (KA−B)ϕ=KAϕ3−Bϕ1.(KA-B)\phi=KA\phi_3-B\phi_1. ここでKA−B=0KA-B=0とすると、上式の右辺はB(ϕ3−ϕ1)≠0B(\phi_3-\phi_1)\ne0となって矛盾する。よってこれを割ることができ、 ϕ=KAϕ3−Bϕ1KA−B=K(ϕ2−ϕ1)ϕ3−(ϕ2−ϕ3)ϕ1K(ϕ2−ϕ1)−(ϕ2−ϕ3).\displaystyle \phi=\frac{KA\phi_3-B\phi_1}{KA-B}=\frac{K(\phi_2-\phi_1)\phi_3-(\phi_2-\phi_3)\phi_1}{K(\phi_2-\phi_1)-(\phi_2-\phi_3)}.

この問題で使う考え方

  • 積と商の微分
  • 式の整理

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