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横浜市立大学/2012年度/前期

横浜市立大学 2012年 数学 第I問解答・解説

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1問題

横浜市立大学2012年度第I問

以下の問いに答えよ。ただし,解答のみを解答用紙の所定の欄に記入せよ。   (1) aa を正の定数として,関数 f(x)f(x) を f(x)=log⁡(a2+x2−x)f(x)=\log\left(\sqrt{a^2+x^2}-x\right) とおく。f(x)f(x) を微分して,多項式 f(0)+f′(0)x+f′′(0)2!x2+f′′′(0)3!x3\displaystyle f(0)+f'(0)x+\frac{f''(0)}{2!}x^2+\frac{f'''(0)}{3!}x^3 を求めよ。   (2) 座標平面において,曲線 C:y=sin⁡x (0<x<π2)\displaystyle C:y=\sin x\ (0<x<\frac{\pi}{2}) 上の点 P(a,sin⁡a)P(a,\sin a) における CC の法線が xx 軸と交わる点を QQ とする。線分 PQPQ を直径とする円が,xx 軸と交わる QQ 以外の点を RR とする。このとき,三角形 PQRPQR の面積 S(a)S(a) を求めよ (2-i)。次に,aa が動くとき,S(a)S(a) の最大値を求めよ (2-ii)。

曲線Cは原点0から右上に伸びている。縦軸に1、横軸にπ/2があり、曲線右端から縦軸へ水平の点線、横軸へ垂直の点線が引かれている。

(3) 数列 {an}\{a_n\} 1, 12, 21, 13, 22, 31, 14, 23, 32, 41, …\displaystyle 1,\ \frac{1}{2},\ \frac{2}{1},\ \frac{1}{3},\ \frac{2}{2},\ \frac{3}{1},\ \frac{1}{4},\ \frac{2}{3},\ \frac{3}{2},\ \frac{4}{1},\ \ldots を次のような群に分け,第 mm 群には mm 個の数が入るようにする。

数列を群に分けた図。第1群は1/1、第2群は1/2、2/1、第3群は1/3、2/2、3/1、第4群は1/4、2/3、3/2、4/1で、各群の下に波括弧と群名がある。省略点の後の第m群は1/m、2/(m−1)、…、(m−1)/2、m/1で、下に波括弧と「第m群」があり、群間は縦線で区切られ、その右にも省略点がある。

このとき,数列 {an}\{a_n\} において,qp\displaystyle \frac{q}{p} は第何項か (3-i)。ただし,qp\displaystyle \frac{q}{p} は,例えば 24=12\displaystyle \frac{2}{4}=\frac{1}{2} のように,約分しないものとする。次に,第100項 a100a_{100} を求めよ (3-ii)。   (4) 2次の正方行列 AA が A(32)=(11),A(11)=(32)\displaystyle A\binom{3}{2}=\binom{1}{1},\qquad A\binom{1}{1}=\binom{3}{2} をみたすとする。このとき,自然数 nn に対して An(53)\displaystyle A^n\binom{5}{3} を求めよ。   (5) AB=ACAB=AC,BCBC の長さが1,∠A\angle A が π5\displaystyle \frac{\pi}{5} の二等辺三角形 ABCABC を考える。頂点 A,B,CA,B,C から ∠A,∠B,∠C\angle A,\angle B,\angle C の二等分線を引き,対応する辺との交点を,それぞれ P,Q,RP,Q,R とする。

三角形ABCのAは上、Bは左下、Cは右下にあり、辺BC上にP、辺AC上にQ、辺AB上にRがある。線分AP、BQ、CRは点線で描かれ、内部で交わっている。頂点Aの角には弧とπ/5の表示がある。

このとき,三角関数の値 sin⁡(π10)\displaystyle \sin\left(\frac{\pi}{10}\right) を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)
    f'(x)=−1a2+x2\displaystyle -\frac{1}{\sqrt{a^2+x^2}}、求める多項式は log⁡a−xa+x36a3\displaystyle \log a-\frac{x}{a}+\frac{x^3}{6a^3}。
  • (2-i)
    S(a)=12sin⁡2acos⁡a\displaystyle S(a)=\frac12\sin^2 a\cos a(0<a<π2\displaystyle 0<a<\frac\pi2)。
  • (2-ii)
    最大値は133\displaystyle \frac{1}{3\sqrt3}。そのとき a=arcsin⁡23\displaystyle a=\arcsin\sqrt{\frac23}。
  • (3-i)
    qp\displaystyle \frac{q}{p}(p,qは正の整数)は第 (p+q−1)(p+q−2)2+q\displaystyle \frac{(p+q-1)(p+q-2)}{2}+q 項。
  • (3-ii)
    a100=96\displaystyle a_{100}=\frac96(問題文の指定どおり約分しない)。
  • (4)
    nが偶数なら(5,3)T(5,3)^T、nが奇数なら(−1,0)T(−1,0)^T。
  • (5)
    sin⁡(π10)=5−14\displaystyle \sin\left(\frac\pi{10}\right)=\frac{\sqrt5-1}{4}。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) r=√(a²+x²) とおく。a>0 より r−x>0 なので対数の中身は正である。 f′(x)=x/r−1r−x=−1r=−1a2+x2.\displaystyle f'(x)=\frac{x/r-1}{r-x}=-\frac1r=-\frac1{\sqrt{a^2+x^2}}. さらに微分して f′′(x)=x(a2+x2)−3/2f''(x)=x(a^2+x^2)^{-3/2}、f′′′(x)=(a2−2x2)(a2+x2)−5/2f'''(x)=(a^2-2x^2)(a^2+x^2)^{-5/2}。したがって f(0)=log a、f'(0)=−1/a、f''(0)=0、f'''(0)=1/a³ であり、指定された式は log a−x/a+x³/(6a³)。

(2-i) y=sin x の接線の傾きは cos a だから、法線の傾きは −1/cos a。P(a,sin a) を通る法線に y=0 を代入すると Q=(a+sin a cos a,0)。直径PQの円の点X=(x,y)は、XPとXQが垂直なので (x−a)(x−x_Q)+(y−sin a)y=0 を満たす。x軸上で y=0 とすれば x=a または x=x_Q となるため、Q以外の交点は R=(a,0)。よって QR=sin a cos a、高さは sin a で、S(a)=1/2 sin²a cos a。

(2-ii) 微分すると S′(a)=12sin⁡a(2−3sin⁡2a)\displaystyle S'(a)=\frac12\sin a(2-3\sin^2 a)。区間 0<a<π/2 では sin a>0 なので、sin²a<2/3 で増加、sin²a>2/3 で減少する。唯一の臨界点 a=arcsin√(2/3) で最大となる。そこで cos a=1/√3 だから S_max=1/2·2/3·1/√3=1/(3√3)。

(3-i) 第m群は 1/m, 2/(m−1), …, m/1 である。q/p がこの群にあるとき、分子が群内の位置なので q番目であり、分母と分子の和が m+1、すなわち m=p+q−1m=p+q-1。第m群より前には 1+2+…+(m−1)=m(m−1)/2 個ある。したがって全体で第 m(m−1)/2+q 項、つまり第 (p+q−1)(p+q−2)/2+q 項である。

(3-ii) 第13群までの項数は 13·14/2=91、第14群まででは 14·15/2=105。よって第100項は第14群の100−91=9番目。第14群は 1/14, 2/13, …, 9/6, … と並ぶので a₁₀₀=9/6(約分しない)。

(4) u=(3,2)^T、v=(1,1)^T とおく。与えられた条件は Au=v、Av=u であり、Aの線形性から A(2u−v)=2v−u が成り立つ。初めに (5,3)^T=2u−v なので、Aを1回作用させるごとにこの形の係数が入れ替わる。偶数回後は 2u−v=(5,3)^T、奇数回後は 2v−u=(−1,0)^T。したがって答えは n の偶奇で上記のとおり。

(5) s=AB=AC とおく。二等辺三角形の底角は (π−π/5)/2=2π/5。BQは角Bの二等分線なので ∠ABQ=π/5、また QはAC上にあるので ∠BAQ=π/5。よって三角形ABQで AQ=BQ、∠AQB=3π/5。A,Q,Cは一直線上であるから ∠BQC=π−3π/5=2π/5。一方 ∠BCQ=∠BCA=2π/5 なので、三角形BQCは二等辺で BQ=BC=1。したがって AQ=1。角の二等分線の定理から AQ/QC=AB/BC=s なので QC=1/s。一方 AC=AQ+QC=s より s=1+1/s、すなわち s2−s−1=0s^2-s-1=0。s>0 から s=(1+√5)/2。最後に余弦定理を使うと 1=BC²=2s²(1−cos(π/5))=4s²sin²(π/10)。sin(π/10)>0 だから sin(π/10)=1/(2s)=1/(1+√5)=(√5−1)/4。

この問題で使う考え方

  • 合成関数の微分と0での導関数
  • 法線と直径円の垂直条件による交点計算
  • 導関数の符号による最大値判定
  • 三角数による群の通し番号
  • 行列の線形性と偶奇による反復
  • 角の二等分線と余弦定理

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