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横浜市立大学/2014年度/前期

横浜市立大学 2014年 数学 第II問解答・解説

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1問題

横浜市立大学2014年度第II問

ある開区間 DD で与えられた関数 f(x)f(x) は、2階微分可能で、第2次導関数 f′′(x)f''(x) は連続で、更に f′′(x)<0f''(x)<0 と仮定する。以下の問いに答えよ。

(1) a1<a2<a3a_1<a_2<a_3 を満たす DD の a1,a2,a3a_1,a_2,a_3 に対して f(a2)−f(a1)a2−a1>f(a3)−f(a2)a3−a2\displaystyle \frac{f(a_2)-f(a_1)}{a_2-a_1}> \frac{f(a_3)-f(a_2)}{a_3-a_2} を示せ。

(2) x1,x2x_1,x_2 を DD の実数とする。0≦α≦10\leq\alpha\leq1 を満たす α\alpha に対して f(αx1+(1−α)x2)≧αf(x1)+(1−α)f(x2)f(\alpha x_1+(1-\alpha)x_2)\geq\alpha f(x_1)+(1-\alpha)f(x_2) を示せ。

(3) x1,x2,x3x_1,x_2,x_3 を DD の実数とする。α1,α2,α3≧0\alpha_1,\alpha_2,\alpha_3\geq0 及び α1+α2+α3=1\alpha_1+\alpha_2+\alpha_3=1 を満たす α1,α2,α3\alpha_1,\alpha_2,\alpha_3 に対して f(α1x1+α2x2+α3x3)≧α1f(x1)+α2f(x2)+α3f(x3)f(\alpha_1x_1+\alpha_2x_2+\alpha_3x_3)\geq \alpha_1f(x_1)+\alpha_2f(x_2)+\alpha_3f(x_3) を示せ。

(4) D=(0,∞)D=(0,\infty) とする。上の議論を用いて、DD の x1,x2,x3x_1,x_2,x_3 に対して不等式 x1+x2+x33≧x1x2x33\displaystyle \frac{x_1+x_2+x_3}{3}\geq\sqrt[3]{x_1x_2x_3} を示せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2解答

解答を見る答えはこの解答の中にあります

(1) a1<a2<a3a_1<a_2<a_3 なので、平均値の定理をa1≦x≦a2a_1\le x\le a_2 と a2≦x≦a3a_2\le x\le a_3 の範囲にそれぞれ使うと、 f(a2)−f(a1)a2−a1=f′(c1),f(a3)−f(a2)a3−a2=f′(c2)\displaystyle \frac{f(a_2)-f(a_1)}{a_2-a_1}=f'(c_1),\qquad \frac{f(a_3)-f(a_2)}{a_3-a_2}=f'(c_2) となる c1,c2c_1,c_2 で、a1<c1<a2a_1<c_1<a_2、a2<c2<a3a_2<c_2<a_3 を満たすものがある。c1<a2<c2c_1<a_2<c_2 だから c1<c2c_1<c_2 である。さらに f′f' に平均値の定理を使うと、c1<ξ<c2c_1<\xi<c_2 となる ξ\xi があり、 f′(c2)−f′(c1)=f′′(ξ)(c2−c1)<0.f'(c_2)-f'(c_1)=f''(\xi)(c_2-c_1)<0. 従って f′(c1)>f′(c2)f'(c_1)>f'(c_2) であり、求める割線の不等式を得る。

(2) α=0,1\alpha=0,1 または x1=x2x_1=x_2 のときは等号である。それ以外では、添字を入れ替えれば x1<x2x_1<x_2 としてよい(そのとき重みも入れ替える)。 z=αx1+(1−α)x2z=\alpha x_1+(1-\alpha)x_2 とおくと x1<z<x2x_1<z<x_2 であり、 z−x1=(1−α)(x2−x1),x2−z=α(x2−x1).z-x_1=(1-\alpha)(x_2-x_1),\qquad x_2-z=\alpha(x_2-x_1). (1)を x1,z,x2x_1,z,x_2 に適用し、分母を正として交差乗算すると f(z)−f(x1)z−x1>f(x2)−f(z)x2−zよりα{f(z)−f(x1)}>(1−α){f(x2)−f(z)}.\displaystyle \frac{f(z)-f(x_1)}{z-x_1}>\frac{f(x_2)-f(z)}{x_2-z} \quad\text{より}\quad \alpha\{f(z)-f(x_1)\}>(1-\alpha)\{f(x_2)-f(z)\}. 整理して f(z)>αf(x1)+(1−α)f(x2)f(z)>\alpha f(x_1)+(1-\alpha)f(x_2) を得る。等号の場合も含めて、問題の不等式が成り立つ。

(3) β=α1+α2\beta=\alpha_1+\alpha_2 とおく。β=0\beta=0 なら α1=α2=0,α3=1\alpha_1=\alpha_2=0,\alpha_3=1 なので等号である。β>0\beta>0 のとき y=α1x1+α2x2β\displaystyle y=\frac{\alpha_1x_1+\alpha_2x_2}{\beta} とおく。この yy は区間 DD に属する。(2)を x1,x2x_1,x_2 に重み α1/β,α2/β\alpha_1/\beta,\alpha_2/\beta で適用すると f(y)≧α1βf(x1)+α2βf(x2).\displaystyle f(y)\geq\frac{\alpha_1}{\beta}f(x_1)+\frac{\alpha_2}{\beta}f(x_2). また、(2)を y,x3y,x_3 に重み β,α3=1−β\beta,\alpha_3=1-\beta で適用して f(α1x1+α2x2+α3x3)=f(βy+α3x3)≧βf(y)+α3f(x3)≧α1f(x1)+α2f(x2)+α3f(x3).\begin{aligned} f(\alpha_1x_1+\alpha_2x_2+\alpha_3x_3) &=f(\beta y+\alpha_3x_3)\\ &\geq\beta f(y)+\alpha_3f(x_3)\\ &\geq\alpha_1f(x_1)+\alpha_2f(x_2)+\alpha_3f(x_3). \end{aligned} となる。DD は区間なので、これらの重み付き平均も DD に属する。

(4) x>0x>0 で f(x)=log⁡xf(x)=\log x とおくと f′′(x)=−1x2<0\displaystyle f''(x)=-\frac1{x^2}<0 であり、(3)を α1=α2=α3=1/3\alpha_1=\alpha_2=\alpha_3=1/3 として使える。従って log⁡x1+x2+x33≧log⁡x1+log⁡x2+log⁡x33=log⁡x1x2x33.\displaystyle \log\frac{x_1+x_2+x_3}{3} \geq\frac{\log x_1+\log x_2+\log x_3}{3} =\log\sqrt[3]{x_1x_2x_3}. 対数関数は正の範囲で増加するから x1+x2+x33≧x1x2x33.\displaystyle \boxed{\frac{x_1+x_2+x_3}{3}\geq\sqrt[3]{x_1x_2x_3}}. log⁡x\log x は f′′<0f''<0 のもとで二点不等式が異なる2点間で厳密となるため、等号は x1=x2=x3x_1=x_2=x_3 のときに限る。

この問題で使う考え方

  • 平均値の定理による割線傾き比較
  • 二点の重み付き平均への適用
  • 重みの正規化による三点への拡張
  • 対数関数を用いた相加・相乗平均

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