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旭川医科大学/2022年度

旭川医科大学 2022年 数学 第4問解答・解説

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1問題

旭川医科大学2022年度第4問

a,ba, b は正の実数で a>ba > b とし, α\alpha は tan⁡α=ba\displaystyle \tan \alpha = \frac{b}{a} を満たす角とする. ただし, 0<α<π4\displaystyle 0 < \alpha < \frac{\pi}{4} とする. このとき, 次の問 1 と問 2 に答えよ.

問 1 座標平面上に原点 O を中心とし、半径が a で中心角は π2\displaystyle \frac{\pi}{2} より小さい扇形 BOA がある。ただし、点 A の座標は (a,0)(a,0) であり、点 B は第 1 象限にある。この扇形を y 軸方向に ba\displaystyle \frac{b}{a} 倍に縮小した図形を COA で表す。ここで点 C は、点 B の座標を (x0,y0)(x_{0},y_{0}) としたときに座標が (x0,bay0)\displaystyle \left(x_{0},\frac{b}{a}y_{0}\right) となる点であり、 ∠COA=π4\displaystyle \angle COA=\frac{\pi}{4} とする。図形 COA は図 1 の灰色部分である。

図1は横軸x、縦軸y、原点Oをもち、両軸の正方向に矢印がある。横軸上のAにa、縦軸に上からa、bが表示され、線分OBと円弧BA、線分OCと曲線CAが描かれ、COAの内部が灰色で塗られている。∠COAには弧とπ/4の表示があり、縦軸のaからBへ、bからCへ伸びる弧とB・Cから横軸へ下ろす垂線は破線である。

(1) 扇形 BOA の中心角 ∠BOA を α を用いて表せ.

(2) 図形 COA の面積を a, b, α\alpha を用いて表せ.

(3) 図形 COA を楕円 x2b2+y2a2=1\displaystyle \frac{x^{2}}{b^{2}}+\frac{y^{2}}{a^{2}}=1 によって 2 つの図形に分けたとき,原点 O を含む方の図形の面積を m,点 A を含む方の図形の面積を n とする。m と n を a, b, α を用いてそれぞれ表せ。

問 2 座標平面上で次の不等式の表す 4 つの領域を考える.

x2a2+y2b2≦1\displaystyle \frac{x^{2}}{a^{2}}+\frac{y^{2}}{b^{2}}\leqq1 の表す領域を U0U_{0} , x2a2+y2b2≧1\displaystyle \frac{x^{2}}{a^{2}}+\frac{y^{2}}{b^{2}}\geqq1 の表す領域を U1U_{1}

x2b2+y2a2≦1\displaystyle \frac{x^{2}}{b^{2}}+\frac{y^{2}}{a^{2}}\leq1 の表す領域を V0V_{0}, x2b2+y2a2≧1\displaystyle \frac{x^{2}}{b^{2}}+\frac{y^{2}}{a^{2}}\geq1 の表す領域を V1V_{1}

とする.さらに S=U0∩V0S = U_{0} \cap V_{0} , T=(U0∩V1)∪(U1∩V0)T = (U_{0} \cap V_{1}) \cup (U_{1} \cap V_{0}) の面積をそれぞれ s,t とする.図2において,灰色部分が領域 S,4つの斜線部分が領域 T である.

図2は横軸x、縦軸y、原点Oをもち、両軸の正方向に矢印がある。横長と縦長の2つの楕円が重なり、共通部分が灰色、その外側の上下左右の4部分が斜線で塗られている。両軸の正側には原点に近い方からb、aと表示されている。

(1) s = t となるときの α の値を求めよ.

(2) a,ba, b が a2+b2=1a^2 + b^2 = 1 を満たしながら変化するとき, S∪TS \cup T の面積が最大となる α\alpha の値を α0\alpha_0 とする. α=α0\alpha = \alpha_0 のとき, ss と tt の大小を比較せよ.

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

扇形と楕円を軸方向の拡大縮小で結び、対称性で面積を整理する。和集合の面積は微分して最大条件を定める。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • 問1(1)π2−α,問1(2)ab2(π2−α),問1(3)m=abα2,n=ab2(π2−2α),問2(1)α=π6,問2(2)tan⁡(2α0)=π−2α0 の唯一解 α0∈(0,π4),s>t.\displaystyle \begin{aligned} \text{問1(1)}\quad&\frac{\pi}{2}-\alpha,\\ \text{問1(2)}\quad&\frac{ab}{2}\left(\frac{\pi}{2}-\alpha\right),\\ \text{問1(3)}\quad&m=\frac{ab\alpha}{2},\qquad n=\frac{ab}{2}\left(\frac{\pi}{2}-2\alpha\right),\\ \text{問2(1)}\quad&\alpha=\frac{\pi}{6},\\ \text{問2(2)}\quad&\tan(2\alpha_0)=\pi-2\alpha_0\text{ の唯一解 }\alpha_0\in\left(0,\frac{\pi}{4}\right),\qquad s>t. \end{aligned}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

問1(1). B=(acos⁡θ,asin⁡θ)B=(a\cos\theta,a\sin\theta) (0<θ<π/20<\theta<\pi/2) とおく。縦方向の縮小後は C=(acos⁡θ,bsin⁡θ)C=(a\cos\theta,b\sin\theta) なので、tan⁡∠COA=(b/a)tan⁡θ=1\tan\angle COA=(b/a)\tan\theta=1。よって tan⁡θ=a/b=cot⁡α=tan⁡(π/2−α)\tan\theta=a/b=\cot\alpha=\tan(\pi/2-\alpha) であり、θ=π/2−α\theta=\pi/2-\alpha である。

問1(2). 縦方向に b/ab/a 倍すると面積も b/ab/a 倍になる。元の扇形の面積は a2θ/2a^2\theta/2 だから、Area⁡(COA)=(b/a)(a2θ/2)=ab(π/2−α)/2\operatorname{Area}(COA)=(b/a)(a^2\theta/2)=ab(\pi/2-\alpha)/2。

問1(3). 楕円 x2/a2+y2/b2=1x^2/a^2+y^2/b^2=1 は (x,y)=(arcos⁡ϕ,brsin⁡ϕ)(x,y)=(ar\cos\phi,br\sin\phi) (0≦r≦10\le r\le1) と表せる。線分 OCOC (y=xy=x) 上では tan⁡ϕ=a/b\tan\phi=a/b だから ϕ=π/2−α\phi=\pi/2-\alpha となる。軸方向の倍率によって面積は abab 倍になるので、図形 COACOA の面積は ab(π/2−α)/2ab(\pi/2-\alpha)/2 である。

分割する楕円 x2/b2+y2/a2=1x^2/b^2+y^2/a^2=1 は (x,y)=(brcos⁡ϕ,arsin⁡ϕ)(x,y)=(br\cos\phi,ar\sin\phi) と表せる。OCOC 上で tan⁡ϕ=b/a=tan⁡α\tan\phi=b/a=\tan\alpha だから、原点側は 0≦ϕ≦α0\le\phi\le\alpha に対応する扇形であり、m=abα/2m=ab\alpha/2。従って点 AA 側は全体から引いて、n=ab(π/2−α)/2−abα/2=ab(π/2−2α)/2n=ab(\pi/2-\alpha)/2-ab\alpha/2=ab(\pi/2-2\alpha)/2。

問2(1). 各楕円の面積は πab\pi ab である。第一象限の y≦xy\le x 側では共通部分が楕円 x2/b2+y2/a2=1x^2/b^2+y^2/a^2=1 の内側にあり、上記と同じ軸方向の拡大縮小から面積は abα/2ab\alpha/2 となる。y=xy=x に関する対称性で第一象限の共通部分は abαab\alpha、さらに四象限対称性から s=4abαs=4ab\alpha。TT は U0U_0 と V0V_0 の対称差なので、t=Area⁡(U0)+Area⁡(V0)−2s=2πab−8abαt=\operatorname{Area}(U_0)+\operatorname{Area}(V_0)-2s=2\pi ab-8ab\alpha。従って s=ts=t より 4abα=2πab−8abα4ab\alpha=2\pi ab-8ab\alpha、すなわち α=π/6\alpha=\pi/6。

問2(2). S∪T=U0∪V0S\cup T=U_0\cup V_0 なので面積は 2πab−s=ab(2π−4α)2\pi ab-s=ab(2\pi-4\alpha)。a2+b2=1a^2+b^2=1 と tan⁡α=b/a\tan\alpha=b/a より a=cos⁡αa=\cos\alpha, b=sin⁡αb=\sin\alpha であり、f(α)=sin⁡(2α)(π−2α)f(\alpha)=\sin(2\alpha)(\pi-2\alpha) (0<α<π/40<\alpha<\pi/4)。微分すると f′(α)=2cos⁡(2α)(π−2α)−2sin⁡(2α)=2cos⁡(2α)(π−2α−tan⁡(2α))f'(\alpha)=2\cos(2\alpha)(\pi-2\alpha)-2\sin(2\alpha)=2\cos(2\alpha)(\pi-2\alpha-\tan(2\alpha))。

x=2αx=2\alpha とおくと 0<x<π/20<x<\pi/2 であり 関数 h(x)=x+tan⁡xh(x)=x+\tan x は 0<x1<x2<π/20<x_1<x_2<\pi/2 なら h(x1)<h(x2)h(x_1)<h(x_2) を満たし 00 から +∞+\infty まで増える。従って x+tan⁡x=πx+\tan x=\pi はただ一つの解 x0x_0 を持ち、ff はその前で増加し後で減少する。よって最大点は α0=x0/2\alpha_0=x_0/2、すなわち tan⁡(2α0)=π−2α0\tan(2\alpha_0)=\pi-2\alpha_0 の唯一解である。π/3+tan⁡(π/3)=π/3+3<π\pi/3+\tan(\pi/3)=\pi/3+\sqrt3<\pi なので x0>π/3x_0>\pi/3、従って α0>π/6\alpha_0>\pi/6。ゆえに s−t=4abα0−(2πab−8abα0)=2ab(6α0−π)>0s-t=4ab\alpha_0-(2\pi ab-8ab\alpha_0)=2ab(6\alpha_0-\pi)>0、従って s>ts>t。

この問題で使う考え方

  • 三角比と相互関係
  • 三角関数の相互関係
  • 楕円
  • 曲線の媒介変数表示
  • 積の微分
  • 合成関数の微分
  • 三角関数の微分
  • 導関数と増減

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