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日本医科大学/2017年度/前期

日本医科大学 2017年 数学 第V問解答・解説

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1問題

日本医科大学2017年度第V問

xyxy 平面上に,原点を中心とし共通の焦点を持つ2つの楕円 A,BA,B がある。これらの長軸はともに xx 軸上にあり,それらの長さはそれぞれ 2a,2b2a,2b(a,ba,b は a>b>0a>b>0 を満たす定数)である。xx 座標が正および負の焦点をそれぞれ F,F′F,F' とする。0<θ<π2\displaystyle 0<\theta<\frac{\pi}{2} を満たす実数 θ\theta に対して,A,BA,B 上にそれぞれ2点 P,QP,Q を,次を満たすようにとる。 ∠PFF′=2θ,∠QFF′=θ,2点 P,Qの y座標は正\angle \mathrm{PFF'}=2\theta,\qquad \angle \mathrm{QFF'}=\theta,\qquad \text{2点 } P,Q \text{の } y \text{座標は正} 原点と焦点との距離を dd(d>0d>0 を満たす定数)とし,線分 PF,QFPF,QF の長さをそれぞれ p,qp,q とするとき,以下の各問いに答えよ。

問1 pp を,a,d,θa,d,\theta を用いて表せ。また qq を,b,d,θb,d,\theta を用いて表せ。

問2 qp\displaystyle \frac{q}{p} が最大値をとるための a,ba,b の条件を求めよ。またその場合の dd の値の範囲を,a,ba,b を用いて表せ。

問3 qp\displaystyle \frac{q}{p} は最小値をとらないことを証明せよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

楕円の焦点距離の和と焦点からの角度を使ってp,qを求めた。比を一変数関数として微分し、導関数の符号を単調な二次式で判定した。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • 問1  p=a2−d2a−dcos⁡2θ,q=b2−d2b−dcos⁡θ;\displaystyle \space{}p=\frac{a^2-d^2}{a-d\cos2\theta},\quad q=\frac{b^2-d^2}{b-d\cos\theta};\qquad 問2  a<4b,0<d<4b−a3;\displaystyle \space{}a<4b,\quad 0<d<\frac{4b-a}{3};\qquad 問3 qp\displaystyle \frac qpは最小値をとらない

4解答

解答を見る途中式つきの解答

各楕円の焦点距離は dd なので、0<d<b<a0<d<b<a である。楕円上の点から2焦点までの距離の和は長軸の長さに等しい。

問1 FF を原点とし、F′F' の方向を負の xx 軸とする。PP は yy 座標が正で ∠PFF′=2θ\angle PFF'=2\theta、PF=pPF=p だから、PP の座標は (−pcos⁡2θ,psin⁡2θ)(-p\cos2\theta,p\sin2\theta)、F′=(−2d,0)F'=(-2d,0) と表せる。従って PF′=p2−4dpcos⁡2θ+4d2PF'=\sqrt{p^2-4dp\cos2\theta+4d^2}。楕円Aの焦点距離の和より p+PF′=2ap+PF'=2a である。両辺を整理して2乗すると p2−4dpcos⁡2θ+4d2=(2a−p)2したがってp(a−dcos⁡2θ)=a2−d2.p^2-4dp\cos2\theta+4d^2=(2a-p)^2 \quad\text{したがって}\quad p(a-d\cos2\theta)=a^2-d^2. d<ad<a より係数は正なので p=a2−d2a−dcos⁡2θ\displaystyle p=\frac{a^2-d^2}{a-d\cos2\theta}。 同様に、QQ の座標は (−qcos⁡θ,qsin⁡θ)(-q\cos\theta,q\sin\theta)、そのもう一方の焦点までの距離は q2−4dqcos⁡θ+4d2\sqrt{q^2-4dq\cos\theta+4d^2} であり、その和は 2b2b。同じ計算から q=b2−d2b−dcos⁡θ\displaystyle q=\frac{b^2-d^2}{b-d\cos\theta} を得る。

問2 q/pq/p は正定数 b2−d2a2−d2\displaystyle \frac{b^2-d^2}{a^2-d^2} と R(θ)=a−dcos⁡2θb−dcos⁡θ\displaystyle R(\theta)=\frac{a-d\cos2\theta}{b-d\cos\theta} の積である。従って最大値をとるかどうかは RR と同じである。微分すると R′(θ)=dsin⁡θ(b−dcos⁡θ)2(4bcos⁡θ−2dcos⁡2θ−a−d).\displaystyle R'(\theta)= \frac{d\sin\theta}{(b-d\cos\theta)^2} \left(4b\cos\theta-2d\cos^2\theta-a-d\right). c=cos⁡θc=\cos\theta とおくと、括弧内を g(c)=−2dc2+4bc−a−dg(c)=-2dc^2+4bc-a-d と書ける。0<c<10<c<1 で g′(c)=4(b−dc)>0g'(c)=4(b-dc)>0 なので gg は増加関数であり、g(0)=−a−d<0g(0)=-a-d<0、 g(1)=4b−a−3dg(1)=4b-a-3d である。よって R′R' が正から負へ変わる内点が存在する必要十分条件は 4b−a−3d>04b-a-3d>0。そのとき RR はその内点で最大値をとる。正の dd をこの条件で選べるための a,ba,b の条件は a<4ba<4b であり、この場合の範囲は 0<d<4b−a3\displaystyle 0<d<\frac{4b-a}{3} である。もともと a>ba>b なのでこの上限は bb より小さく、与えられた d<bd<b とも矛盾しない。

問3 同じ gg の符号を用いる。もし g(1)≦0g(1)\leq0 なら、gg は cc の増加関数だから 0<c<10<c<1 では g(c)<0g(c)<0。このとき R′(θ)<0R'(\theta)<0 であり、RR は0<θ<π2\displaystyle 0<\theta<\frac{\pi}{2} で、θ\theta が大きくなると値は必ず小さくなるので、右端が含まれない以上、最小値をとらない。もし g(1)>0g(1)>0 なら、g(0)<0g(0)<0 と単調性から0<c0<10<c_0<1 を満たすただ1つの c0c_0 で g(c0)=0g(c_0)=0 となる。cos⁡θ\cos\theta は θ\theta とともに減少するため、0<θ0<π2\displaystyle 0<\theta_0<\frac{\pi}{2} を満たすある θ0\theta_0 を境に R′R' は正から負へ変わる。従ってこの場合も RR は内点で最大値をとり、最小値をとらない。以上より、どの場合にも q/pq/p は最小値をとらない。

この問題で使う考え方

  • 三角比と相互関係
  • 座標による距離
  • 楕円
  • 焦点と準線
  • 商の微分
  • 合成関数の微分
  • 三角関数の微分
  • 多項式の導関数

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