準備(カードの数の素因数の個数による分類)
1から20までの整数を,素因数の個数(重複を込めて数える。これをΩ(k)と書く)で分類する。 Ω(k)01(素数)23以上該当する k12,3,5,7,11,13,17,194=22, 6=2⋅3, 9=32, 10=2⋅5, 14=2⋅7, 15=3⋅58,12,16,18,20個数1865 (合計 1+8+6+5=20 で20枚と一致する。)
したがって1回の抽出で出る数をXとすると, P(Ω(X)=0)=201,P(Ω(X)=1)=208=52,P(Ω(X)=2)=206=103,P(Ω(X)≧3)=205=41.
Tn=X1X2⋯Xn(X1,…,Xnは独立に1から20の一様分布)であり,各Xiの素因数分解をそのままつなげたものがTnの素因数分解になるから, Ω(Tn)=Ω(X1)+Ω(X2)+⋯+Ω(Xn) が成り立つ(積の素因数分解は各因数の素因数分解を並べたものだから,これは定義から直接従う)。
また,1より大きい整数kが素数であることとΩ(k)=1であることは同値であり(1は素数ではないのでΩ(1)=0),kが「素数2個の積」(同じ素数の2乗でもよい)であることとΩ(k)=2であることも同値である。よって an=P(Ω(Tn)=1),bn=P(Ω(Tn)=2).
各Ω(Xi)は0以上の整数だから,和が1になるのは「ちょうど1個のXiがΩ=1(素数)で,残り全部がΩ=0(つまり1)」の場合に限る(どれか1個でもΩ≧2なら和はすでに2以上になり得ない)。
同様に,和が2になるのは次の2通りに限る。 (ア) ちょうど1個のXiがΩ=2で,残り全部がΩ=0。 (イ) ちょうど2個のXiがΩ=1で,残り全部がΩ=0。 (どれか1個でもΩ≧3なら和は2を超えてしまい,またΩ=1の個数とΩ=2の個数の組合せで和が2になるのはこの2通りだけである。)
(1) n=1のときは1回しか引かないので,直接 a1=P(X1が素数)=208=52,b1=P(Ω(X1)=2)=206=103.
(2) n=2のとき。 a2:X1,X2のうちちょうど1個が素数で他方が1である場合。並べ方は2通りだから a2=2⋅208⋅201=40016=251. b2:(Ω(X1),Ω(X2))の和が2になるのは(0,2),(2,0),(1,1)の3パターン。 b2=2⋅201⋅206+(208)2=40012+40064=40076=10019.
(3) 一般のnについて,anは「n回のうちどの1回が素数か」を選ぶ場合の数 nC1=n 通りで,それ以外のn−1回はすべて1(確率1/20)だから an=n⋅208⋅(201)n−1=20n8n=5⋅20n−12n(n=1,2,3,…). (n=1のとき 208=52 となり(1)と一致し,n=2のとき 40016=251 となり(2)と一致する。)
(4) bnは上の(ア)(イ)の場合の確率の和である。
(ア):Ω=2となる回を選ぶ場合の数はnC1=n通り,残りn−1回は1。確率は n⋅206⋅(201)n−1=20n6n.
(イ):Ω=1となる2回を選ぶ場合の数はnC2=2n(n−1)通り,残りn−2回は1。確率は (2n)(208)2(201)n−2=2n(n−1)⋅20n64=20n32n(n−1). (n=1のときはnC2=0なのでこの項は自動的に0になり,(ア)だけが残るので(1)のb1と矛盾しない。)
両者を足すと bn=20n6n+32n(n−1)=20n32n2−26n=20n2n(16n−13)(n=1,2,3,…).
検算
n=1:202⋅1⋅(16−13)=206=103 で(1)のb1と一致。
n=2:4002⋅2⋅(32−13)=40076=10019 で(2)のb2と一致。
n=3の直接検算:(Ω(X1),Ω(X2),Ω(X3))の和が2になるのは,どれか1つが2で残り2つが0(3通り,確率206⋅4001ずつ)と,どれか2つが1で残り1つが0(3通り,確率(208)2⋅201ずつ)の合計 3⋅20⋅4006+3⋅400⋅2064=800018+192=8000210=80021, これは公式 80002⋅3⋅(48−13)=8000210=80021 と一致する。以上より結果は妥当である。