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愛媛大学/2019年度/前期

愛媛大学 2019年 数学 第5問解答・解説

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1問題

愛媛大学2019年度第5問

(教育学部,理学部,医学部,工学部,農学部)

1から20までの整数が1つずつ書かれた20枚のカードがある。以下の手順に従って,整数 T1,T2,T3,…T_{1},T_{2},T_{3},\ldots を順次定める。

① 1枚のカードを取り出し,書かれている数を T1T_{1} とし,取り出したカードをもとに戻す。

② 1枚のカードを取り出し,書かれている数を T1T_{1} にかけた値を T2T_{2} とし,取り出したカードをもとに戻す。同様に,n=3,4,5,…n=3,4,5,\ldots に対して,1枚のカードを取り出し,書かれている数を Tn−1T_{n-1} にかけた値を TnT_{n} とし,取り出したカードをもとに戻す。

自然数 nn に対し,TnT_{n} が素数である確率を ana_{n} とし,TnT_{n} が素数2個(同じ素数でもよい)の積である確率を bnb_{n} とする。なお,1は素数ではない。次の問いに答えよ。

(1) a1,b1a_{1},b_{1} を求めよ。

(2) a2,b2a_{2},b_{2} を求めよ。

(3) ana_{n} を nn の式で表せ。

(4) bnb_{n} を nn の式で表せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

1〜20の整数を素因数の個数Ω(重複込み)で0個・1個(素数)・2個・3個以上の4種類に分類し,独立な反復試行によるT_n=X_1…X_nの素因数の個数がΩ(X_i)の和になることを用いて,「T_nが素数」をΩ(T_n)=1,「T_nが素数2個の積」をΩ(T_n)=2と言い換える。各回の分類確率のもとで,和が1・2になる場合を組合せの数で数え上げ,独立な試行の積の法則で確率を計算した。得られた一般項にn=1,2を代入して(1)(2)の値と一致することを確認し,さらにn=3を直接数え上げて別解として検算した。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) a1=25,b1=310\displaystyle a_1=\dfrac{2}{5},\quad b_1=\dfrac{3}{10}
    (2) a2=125,b2=19100\displaystyle a_2=\dfrac{1}{25},\quad b_2=\dfrac{19}{100}
    (3) an=8n20 n (=2n5⋅20 n−1)\displaystyle a_n=\dfrac{8n}{20^{\,n}}\space{}\left(=\dfrac{2n}{5\cdot 20^{\,n-1}}\right)
    (4) bn=2n(16n−13)20 n (=32n2−26n20 n)\displaystyle b_n=\dfrac{2n(16n-13)}{20^{\,n}}\space{}\left(=\dfrac{32n^{2}-26n}{20^{\,n}}\right)

4解答

解答を見る途中式つきの解答

準備(カードの数の素因数の個数による分類)

1から20までの整数を,素因数の個数(重複を込めて数える。これをΩ(k)\Omega(k)と書く)で分類する。 Ω(k)該当する k個数0111(素数)2,3,5,7,11,13,17,19824=22, 6=2⋅3, 9=32, 10=2⋅5, 14=2⋅7, 15=3⋅563以上8,12,16,18,205\begin{array}{c|l|c} \Omega(k) & \text{該当する }k & \text{個数} \\ \hline 0 & 1 & 1 \\ 1\text{(素数)} & 2,3,5,7,11,13,17,19 & 8 \\ 2 & 4=2^2,\ 6=2\cdot3,\ 9=3^2,\ 10=2\cdot5,\ 14=2\cdot7,\ 15=3\cdot5 & 6 \\ 3\text{以上} & 8,12,16,18,20 & 5 \end{array} (合計 1+8+6+5=201+8+6+5=20 で20枚と一致する。)

したがって1回の抽出で出る数をXXとすると, P(Ω(X)=0)=120,P(Ω(X)=1)=820=25,P(Ω(X)=2)=620=310,P(Ω(X)≧3)=520=14.\displaystyle P(\Omega(X)=0)=\frac{1}{20},\quad P(\Omega(X)=1)=\frac{8}{20}=\frac{2}{5},\quad P(\Omega(X)=2)=\frac{6}{20}=\frac{3}{10},\quad P(\Omega(X)\ge 3)=\frac{5}{20}=\frac{1}{4}.

Tn=X1X2⋯XnT_n=X_1X_2\cdots X_n(X1,…,XnX_1,\dots,X_nは独立に1から20の一様分布)であり,各XiX_iの素因数分解をそのままつなげたものがTnT_nの素因数分解になるから, Ω(Tn)=Ω(X1)+Ω(X2)+⋯+Ω(Xn)\Omega(T_n)=\Omega(X_1)+\Omega(X_2)+\cdots+\Omega(X_n) が成り立つ(積の素因数分解は各因数の素因数分解を並べたものだから,これは定義から直接従う)。

また,11より大きい整数kkが素数であることとΩ(k)=1\Omega(k)=1であることは同値であり(11は素数ではないのでΩ(1)=0\Omega(1)=0),kkが「素数2個の積」(同じ素数の2乗でもよい)であることとΩ(k)=2\Omega(k)=2であることも同値である。よって an=P(Ω(Tn)=1),bn=P(Ω(Tn)=2).a_n=P(\Omega(T_n)=1),\qquad b_n=P(\Omega(T_n)=2).

各Ω(Xi)\Omega(X_i)は0以上の整数だから,和が1になるのは「ちょうど1個のXiX_iがΩ=1\Omega=1(素数)で,残り全部がΩ=0\Omega=0(つまり1)」の場合に限る(どれか1個でもΩ≧2\Omega\ge2なら和はすでに2以上になり得ない)。

同様に,和が2になるのは次の2通りに限る。 (ア) ちょうど1個のXiX_iがΩ=2\Omega=2で,残り全部がΩ=0\Omega=0。 (イ) ちょうど2個のXiX_iがΩ=1\Omega=1で,残り全部がΩ=0\Omega=0。 (どれか1個でもΩ≧3\Omega\ge3なら和は2を超えてしまい,またΩ=1\Omega=1の個数とΩ=2\Omega=2の個数の組合せで和が2になるのはこの2通りだけである。)

(1) n=1n=1のときは1回しか引かないので,直接 a1=P(X1が素数)=820=25,b1=P(Ω(X1)=2)=620=310.\displaystyle a_1=P(X_1\text{が素数})=\frac{8}{20}=\frac{2}{5},\qquad b_1=P(\Omega(X_1)=2)=\frac{6}{20}=\frac{3}{10}.

(2) n=2n=2のとき。 a2a_2:X1,X2X_1,X_2のうちちょうど1個が素数で他方が1である場合。並べ方は2通りだから a2=2⋅820⋅120=16400=125.\displaystyle a_2=2\cdot\frac{8}{20}\cdot\frac{1}{20}=\frac{16}{400}=\frac{1}{25}. b2b_2:(Ω(X1),Ω(X2))(\Omega(X_1),\Omega(X_2))の和が2になるのは(0,2),(2,0),(1,1)(0,2),(2,0),(1,1)の3パターン。 b2=2⋅120⋅620+(820)2=12400+64400=76400=19100.\displaystyle b_2=2\cdot\frac{1}{20}\cdot\frac{6}{20}+\left(\frac{8}{20}\right)^2=\frac{12}{400}+\frac{64}{400}=\frac{76}{400}=\frac{19}{100}.

(3) 一般のnnについて,ana_nは「nn回のうちどの1回が素数か」を選ぶ場合の数 nC1=n{}_n\mathrm{C}_1=n 通りで,それ以外のn−1n-1回はすべて1(確率1/201/20)だから an=n⋅820⋅(120)n−1=8n20 n=2n5⋅20 n−1(n=1,2,3,… ).\displaystyle a_n=n\cdot\frac{8}{20}\cdot\left(\frac{1}{20}\right)^{n-1}=\frac{8n}{20^{\,n}}=\frac{2n}{5\cdot 20^{\,n-1}}\qquad(n=1,2,3,\dots). (n=1n=1のとき 820=25\displaystyle \frac{8}{20}=\frac{2}{5} となり(1)と一致し,n=2n=2のとき 16400=125\displaystyle \frac{16}{400}=\frac{1}{25} となり(2)と一致する。)

(4) bnb_nは上の(ア)(イ)の場合の確率の和である。

(ア):Ω=2\Omega=2となる回を選ぶ場合の数はnC1=n{}_n\mathrm{C}_1=n通り,残りn−1n-1回は1。確率は n⋅620⋅(120)n−1=6n20 n.\displaystyle n\cdot\frac{6}{20}\cdot\left(\frac{1}{20}\right)^{n-1}=\frac{6n}{20^{\,n}}.

(イ):Ω=1\Omega=1となる2回を選ぶ場合の数はnC2=n(n−1)2\displaystyle {}_n\mathrm{C}_2=\dfrac{n(n-1)}{2}通り,残りn−2n-2回は1。確率は (n2)(820)2(120)n−2=n(n−1)2⋅6420 n=32n(n−1)20 n.\displaystyle \binom{n}{2}\left(\frac{8}{20}\right)^{2}\left(\frac{1}{20}\right)^{n-2}=\frac{n(n-1)}{2}\cdot\frac{64}{20^{\,n}}=\frac{32n(n-1)}{20^{\,n}}. (n=1n=1のときはnC2=0{}_n\mathrm{C}_2=0なのでこの項は自動的に0になり,(ア)だけが残るので(1)のb1b_1と矛盾しない。)

両者を足すと bn=6n+32n(n−1)20 n=32n2−26n20 n=2n(16n−13)20 n(n=1,2,3,… ).\displaystyle b_n=\frac{6n+32n(n-1)}{20^{\,n}}=\frac{32n^{2}-26n}{20^{\,n}}=\frac{2n(16n-13)}{20^{\,n}}\qquad(n=1,2,3,\dots).

検算

n=1n=1:2⋅1⋅(16−13)20=620=310\displaystyle \dfrac{2\cdot1\cdot(16-13)}{20}=\dfrac{6}{20}=\dfrac{3}{10} で(1)のb1b_1と一致。

n=2n=2:2⋅2⋅(32−13)400=76400=19100\displaystyle \dfrac{2\cdot2\cdot(32-13)}{400}=\dfrac{76}{400}=\dfrac{19}{100} で(2)のb2b_2と一致。

n=3n=3の直接検算:(Ω(X1),Ω(X2),Ω(X3))(\Omega(X_1),\Omega(X_2),\Omega(X_3))の和が2になるのは,どれか1つが2で残り2つが0(33通り,確率620⋅1400\displaystyle \frac{6}{20}\cdot\frac{1}{400}ずつ)と,どれか2つが1で残り1つが0(33通り,確率(820)2⋅120\displaystyle \left(\frac{8}{20}\right)^2\cdot\frac{1}{20}ずつ)の合計 3⋅620⋅400+3⋅64400⋅20=18+1928000=2108000=21800,\displaystyle 3\cdot\frac{6}{20\cdot400}+3\cdot\frac{64}{400\cdot20}=\frac{18+192}{8000}=\frac{210}{8000}=\frac{21}{800}, これは公式 2⋅3⋅(48−13)8000=2108000=21800\displaystyle \dfrac{2\cdot3\cdot(48-13)}{8000}=\dfrac{210}{8000}=\dfrac{21}{800} と一致する。以上より結果は妥当である。

この問題で使う考え方

  • 積の法則
  • 組合せ
  • 確率の基本法則
  • 独立な試行
  • 約数・倍数

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