移動の構造の整理 m=1,2,3,… に対して,(★)より点Pは格子点 (2m−1,1) を出発し, 右へ1回→上へ(2m−1)回→左へ(2m−1)回→上へ1回→右へ2m回→下へ2m回 の順に移動し,格子点 (2(m+1)−1,1)=(2m+1,1) に到達する。この一連の移動(これを「第 m 区間」とよぶ)の移動回数の合計は 1+(2m−1)+(2m−1)+1+2m+2m=8m である。番号は1回の移動ごとに1つずつ増えるから,格子点 (2m−1,1) に付く番号を Sm とおくと,格子点 (2m+1,1)=(2(m+1)−1,1) に付く番号は Sm+1 であり, Sm+1=Sm+8m(m=1,2,3,…),S1=1 が成り立つ(実際,(1,1) が番号1番であることと(★)の記述より S1=1)。ゆえに m≧2 のとき Sm=S1+k=1∑m−18k=1+8⋅2(m−1)m=1+4m(m−1)=4m2−4m+1=(2m−1)2 であり,これは m=1 でも S1=1=(2⋅1−1)2 を満たすから,すべての自然数 m について Sm=(2m−1)2(∗) が成り立つ。
次に,第 m 区間の各段階での番号と座標の対応を,移動回数をパラメータとして書き下す(番号は Sm から1ずつ増える)。
・ 出発: 番号 Sm, 座標 (2m−1,1)
・ 右へ1回移動後: 番号 Sm+1, 座標 (2m,1)
・ 上へ t 回移動後(t=0,1,…,2m−1): 番号 Sm+1+t, 座標 (2m,1+t)
・ 左へ s 回移動後(s=0,1,…,2m−1): 番号 Sm+2m+s, 座標 (2m−s,2m)
・ 上へ1回移動後: 番号 Sm+4m, 座標 (1,2m+1)
・ 右へ r 回移動後(r=0,1,…,2m): 番号 Sm+4m+r, 座標 (1+r,2m+1)
・ 下へ d 回移動後(d=0,1,…,2m): 番号 Sm+6m+d, 座標 (2m+1,2m+1−d)
(隣り合う段では移動回数の重複する端(たとえば「右へ1回移動後」と「上へ t=0」)が同じ点を指しており,番号も一致することが直接確かめられる。以下,この対応表を用いる。)
(1)(i) 格子点 (5,3) の番号 (5,3) は x 座標が 5 で一定の「下へ d 回移動後」の段(x=2m+1)にあるとわかる。2m+1=5 より m=2。このとき座標は (5,5−d) であり,5−d=3 より d=2(0≦d≦4 を満たすので適する)。(∗) より S2=(2⋅2−1)2=9 であるから,求める番号は S2+6⋅2+2=9+12+2=23 よって ア =23。
(1)(ii) 格子点 (2n,1) と (1,2n+1) の番号 n を自然数とする。
格子点 (2n,1) は,対応表の「右へ1回移動後」の段(x=2m,y=1)で 2m=2n,すなわち m=n としたものである。番号は Sn+1 であり,(∗) より Sn+1=(2n−1)2+1=4n2−4n+2 よって イ =4n2−4n+2。
格子点 (1,2n+1) は,対応表の「上へ1回移動後」の段(x=1,y=2m+1)で 2m+1=2n+1,すなわち m=n としたものである。番号は Sn+4n であり, Sn+4n=(2n−1)2+4n=4n2−4n+1+4n=4n2+1 よって ウ =4n2+1。
(2)(i) an の一般項 まず n=1 のとき,格子点 (1,1) は番号1であるから a1=1=12−1+1。以下 n≧2 とする。格子点 (n,n) が対応表のどの段にあるかは n の偶奇で分かれる。
(ア) n が偶数のとき,n=2m とおく。「上へ t 回移動後」の座標 (2m,1+t) で 1+t=n=2m となる t=2m−1(これは t の最大値で許される)をとると座標は (2m,2m)=(n,n)。番号は Sm+1+(2m−1)=Sm+2m=(2m−1)2+2m ここに m=2n を代入すると (n−1)2+n=n2−2n+1+n=n2−n+1
(イ) n≧3 が奇数のとき,n=2m+1 とおくと m≧1 である。「右へ r 回移動後」の座標 (1+r,2m+1) で 1+r=n=2m+1 となる r=2m(最大値で許される)をとると座標は (2m+1,2m+1)=(n,n)。番号は Sm+4m+2m=Sm+6m=(2m−1)2+6m ここに m=2n−1 を代入すると (n−2)2+3(n−1)=n2−4n+4+3n−3=n2−n+1
いずれの場合も同じ式になるので,n≧2 では an=n2−n+1 先に確認した n=1 の場合も含め,すべての自然数 n について
(2)(ii) k=1∑nak k=1∑nak=k=1∑n(k2−k+1)=k=1∑nk2−k=1∑nk+k=1∑n1 =6n(n+1)(2n+1)−2n(n+1)+n 通分して整理すると =6n(n+1)(2n+1)−3n(n+1)+6n=6n{(n+1)(2n+1)−3(n+1)+6} (n+1)(2n+1)−3(n+1)+6=(2n2+3n+1)−(3n+3)+6=2n2+4 より k=1∑nak=6n(2n2+4)=3n(n2+2)
(3) 番号2020番の格子点 (∗) より Sm=(2m−1)2 は m について単調増加であるから,Sm≦2020<Sm+1 となる m を探す。 432=1849,452=2025 より S22=1849≦2020<2025=S23 であるから m=22。
第22区間内での番号2020の位置を,対応表の各段の番号の範囲で確認する(区間の全長は 8m=176 で S23−S22=2025−1849=176 と一致する)。
・ 上へ移動の段:番号 S22+1=1850 から S22+2m=1893
・ 左へ移動の段:番号 1894 から S22+4m−1=1849+87=1936
・ 上へ1回の段:番号 1937
・ 右へ移動の段:番号 S22+4m=1937 から S22+6m=1849+132=1981
・ 下へ移動の段:番号 S22+6m=1981 から S22+8m=2025
1981≦2020≦2025 であるから,番号2020は「下へ d 回移動後」の段(x=2m+1=45 で一定)にある。 S22+6⋅22+d=2020 より 1849+132+d=2020 より d=39 (0≦d≦2m=44 を満たすので適する。)座標は (2m+1,2m+1−d)=(45,45−39)=(45,6)。
よって番号2020番が付いた格子点の座標は (45,6) である。