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愛媛大学/2020年度/前期

愛媛大学 2020年 数学 第4問解答・解説

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1問題

愛媛大学2020年度第4問

(教育学部、理学部、医学部、工学部、農学部)座標平面上で xx 座標、yy 座標がともに整数である点 (x,y)(x,y) のことを格子点という。以下において、格子点から格子点へと移動していく点 PP を考える。  格子点 (x,y)(x,y) にいる点 PP は、1回の移動で、格子点 (x+1,y),(x−1,y),(x,y+1),(x,y−1)(x+1,y),(x-1,y),(x,y+1),(x,y-1) のいずれかに移る。これらの移動をそれぞれ、右への移動、左への移動、上への移動、下への移動という。  PP は、はじめ格子点 (1,1)(1,1) にあり、次の規則(★)に従って別の格子点へ移動していく。  (★) PP は格子点 (1,1)(1,1) から右へ1回、上へ1回、左へ1回、上へ1回、右へ2回、下へ2回、順に移動し、格子点 (3,1)(3,1) にたどり着く。以降同様に、m=2,3,4,…m=2,3,4,\ldots に対して、PP は格子点 (2m−1,1)(2m-1,1) から右へ1回、上へ (2m−1)(2m-1) 回、左へ (2m−1)(2m-1) 回、上へ1回、右へ 2m2m 回、下へ 2m2m 回、順に移動し、格子点 (2(m+1)−1,1)(2(m+1)-1,1) にたどり着く。  次に、xx 座標、yy 座標がともに自然数である格子点に番号を付ける。まず、PP がはじめにいた格子点 (1,1)(1,1) に番号1番を付ける。その後、PP が通った格子点に、順に番号2番、3番、4番、…\ldots を付ける。次の図は、PP の格子点 (1,1)(1,1) から格子点 (4,1)(4,1) までの移動と、番号1番から10番までの番号付けを表したものである。  以下の問いに答えよ。

x軸・y軸と原点O、破線の格子があり、両軸の正方向に矢印がある。番号1〜10の点は順に(1,1)、(2,1)、(2,2)、(1,2)、(1,3)、(2,3)、(3,3)、(3,2)、(3,1)、(4,1)に示されている。1から10へ向かう各線分には、順に右・上・左・上・右・右・下・下・右の矢印が付いている。

(1) 次の空欄に適する数または式を、解答用紙の指定のところに記入せよ。  (i) 格子点 (5,3)(5,3) に付けられた番号を求めよ。  (ii) nn を自然数とする。格子点 (2n,1)(2n,1) に付けられた番号、および格子点 (1,2n+1)(1,2n+1) に付けられた番号を求めよ。

(2) 自然数 nn に対して、格子点 (n,n)(n,n) に付けられた番号を ana_{n} 番とする。  (i) ana_{n} を nn を用いて表せ。  (ii) ∑k=1nak\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{n}a_{k} を求めよ。

(3) 番号2020番が付いた格子点の座標を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

(★)の1回の折れ線(第m区間、格子点(2m-1,1)から(2m+1,1)まで)の移動回数が8mであることから番号の漸化式S_{m+1}=S_m+8m, S1=1S_1=1をたて、Σ公式で解いてS_m=(2m-1)^2を得る。さらに第m区間内の各移動段階(右1・上(2m-1)・左(2m-1)・上1・右2m・下2m)について、移動回数をパラメータとした座標と番号の対応表を作り、この表に各設問の格子点を当てはめて番号や座標を求める数列の問題として解いた。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)(i)(1)(i)\quad ア =23= 23
    (1)(ii)(1)(ii)\quad イ =4n2−4n+2,= 4n^{2}-4n+2,\qquad ウ =4n2+1= 4n^{2}+1
    (2)(i)an=n2−n+1(2)(i)\quad a_{n} = n^{2}-n+1
    (2)(ii)∑k=1nak=n(n2+2)3\displaystyle (2)(ii)\quad \sum\limits _{k=1}^{n} a_{k} = \dfrac{n(n^{2}+2)}{3}
    (3)(45, 6)(3)\quad (45,\space{}6)

4解答

解答を見る途中式つきの解答

移動の構造の整理 m=1,2,3,…m=1,2,3,\dots に対して,(★)より点Pは格子点 (2m−1,1)(2m-1,1) を出発し, 右へ1回→上へ(2m−1)回→左へ(2m−1)回→上へ1回→右へ2m回→下へ2m回\text{右へ1回}\to\text{上へ}(2m-1)\text{回}\to\text{左へ}(2m-1)\text{回}\to\text{上へ1回}\to\text{右へ}2m\text{回}\to\text{下へ}2m\text{回} の順に移動し,格子点 (2(m+1)−1,1)=(2m+1,1)(2(m+1)-1,1)=(2m+1,1) に到達する。この一連の移動(これを「第 mm 区間」とよぶ)の移動回数の合計は 1+(2m−1)+(2m−1)+1+2m+2m=8m1+(2m-1)+(2m-1)+1+2m+2m=8m である。番号は1回の移動ごとに1つずつ増えるから,格子点 (2m−1,1)(2m-1,1) に付く番号を SmS_{m} とおくと,格子点 (2m+1,1)=(2(m+1)−1,1)(2m+1,1)=(2(m+1)-1,1) に付く番号は Sm+1S_{m+1} であり, Sm+1=Sm+8m(m=1,2,3,… ),S1=1S_{m+1}=S_{m}+8m\qquad(m=1,2,3,\dots),\qquad S_{1}=1 が成り立つ(実際,(1,1)(1,1) が番号1番であることと(★)の記述より S1=1S_1=1)。ゆえに m≧2m\ge 2 のとき Sm=S1+∑k=1m−18k=1+8⋅(m−1)m2=1+4m(m−1)=4m2−4m+1=(2m−1)2\displaystyle S_{m}=S_{1}+\sum\limits _{k=1}^{m-1}8k=1+8\cdot\frac{(m-1)m}{2}=1+4m(m-1)=4m^{2}-4m+1=(2m-1)^{2} であり,これは m=1m=1 でも S1=1=(2⋅1−1)2S_1=1=(2\cdot1-1)^2 を満たすから,すべての自然数 mm について Sm=(2m−1)2(∗)S_{m}=(2m-1)^{2}\tag{$\ast$} が成り立つ。

次に,第 mm 区間の各段階での番号と座標の対応を,移動回数をパラメータとして書き下す(番号は SmS_m から1ずつ増える)。

・ 出発: 番号 SmS_{m}, 座標 (2m−1,1)(2m-1,1)

・ 右へ1回移動後: 番号 Sm+1S_{m}+1, 座標 (2m,1)(2m,1)

・ 上へ tt 回移動後(t=0,1,…,2m−1t=0,1,\dots,2m-1): 番号 Sm+1+tS_{m}+1+t, 座標 (2m, 1+t)(2m,\,1+t)

・ 左へ ss 回移動後(s=0,1,…,2m−1s=0,1,\dots,2m-1): 番号 Sm+2m+sS_{m}+2m+s, 座標 (2m−s, 2m)(2m-s,\,2m)

・ 上へ1回移動後: 番号 Sm+4mS_{m}+4m, 座標 (1, 2m+1)(1,\,2m+1)

・ 右へ rr 回移動後(r=0,1,…,2mr=0,1,\dots,2m): 番号 Sm+4m+rS_{m}+4m+r, 座標 (1+r, 2m+1)(1+r,\,2m+1)

・ 下へ dd 回移動後(d=0,1,…,2md=0,1,\dots,2m): 番号 Sm+6m+dS_{m}+6m+d, 座標 (2m+1, 2m+1−d)(2m+1,\,2m+1-d)

(隣り合う段では移動回数の重複する端(たとえば「右へ1回移動後」と「上へ t=0t=0」)が同じ点を指しており,番号も一致することが直接確かめられる。以下,この対応表を用いる。)

(1)(i) 格子点 (5,3)(5,3) の番号 (5,3)(5,3) は xx 座標が 55 で一定の「下へ dd 回移動後」の段(x=2m+1x=2m+1)にあるとわかる。2m+1=52m+1=5 より m=2m=2。このとき座標は (5, 5−d)(5,\,5-d) であり,5−d=35-d=3 より d=2d=2(0≦d≦40\le d\le 4 を満たすので適する)。(∗)(\ast) より S2=(2⋅2−1)2=9S_{2}=(2\cdot2-1)^{2}=9 であるから,求める番号は S2+6⋅2+2=9+12+2=23S_{2}+6\cdot2+2=9+12+2=23 よって ア =23=23。

(1)(ii) 格子点 (2n,1)(2n,1) と (1,2n+1)(1,2n+1) の番号 nn を自然数とする。

格子点 (2n,1)(2n,1) は,対応表の「右へ1回移動後」の段(x=2m, y=1x=2m,\,y=1)で 2m=2n2m=2n,すなわち m=nm=n としたものである。番号は Sn+1S_{n}+1 であり,(∗)(\ast) より Sn+1=(2n−1)2+1=4n2−4n+2S_{n}+1=(2n-1)^{2}+1=4n^{2}-4n+2 よって イ =4n2−4n+2=4n^{2}-4n+2。

格子点 (1,2n+1)(1,2n+1) は,対応表の「上へ1回移動後」の段(x=1, y=2m+1x=1,\,y=2m+1)で 2m+1=2n+12m+1=2n+1,すなわち m=nm=n としたものである。番号は Sn+4nS_{n}+4n であり, Sn+4n=(2n−1)2+4n=4n2−4n+1+4n=4n2+1S_{n}+4n=(2n-1)^{2}+4n=4n^{2}-4n+1+4n=4n^{2}+1 よって ウ =4n2+1=4n^{2}+1。

(2)(i) ana_{n} の一般項 まず n=1n=1 のとき,格子点 (1,1)(1,1) は番号1であるから a1=1=12−1+1a_1=1=1^2-1+1。以下 n≧2n\ge2 とする。格子点 (n,n)(n,n) が対応表のどの段にあるかは nn の偶奇で分かれる。

(ア) nn が偶数のとき,n=2mn=2m とおく。「上へ tt 回移動後」の座標 (2m,1+t)(2m,1+t) で 1+t=n=2m1+t=n=2m となる t=2m−1t=2m-1(これは tt の最大値で許される)をとると座標は (2m,2m)=(n,n)(2m,2m)=(n,n)。番号は Sm+1+(2m−1)=Sm+2m=(2m−1)2+2mS_{m}+1+(2m-1)=S_{m}+2m=(2m-1)^{2}+2m ここに m=n2\displaystyle m=\dfrac{n}{2} を代入すると (n−1)2+n=n2−2n+1+n=n2−n+1(n-1)^{2}+n=n^{2}-2n+1+n=n^{2}-n+1

(イ) n≧3n\ge3 が奇数のとき,n=2m+1n=2m+1 とおくと m≧1m\ge1 である。「右へ rr 回移動後」の座標 (1+r,2m+1)(1+r,2m+1) で 1+r=n=2m+11+r=n=2m+1 となる r=2mr=2m(最大値で許される)をとると座標は (2m+1,2m+1)=(n,n)(2m+1,2m+1)=(n,n)。番号は Sm+4m+2m=Sm+6m=(2m−1)2+6mS_{m}+4m+2m=S_{m}+6m=(2m-1)^{2}+6m ここに m=n−12\displaystyle m=\dfrac{n-1}{2} を代入すると (n−2)2+3(n−1)=n2−4n+4+3n−3=n2−n+1(n-2)^{2}+3(n-1)=n^{2}-4n+4+3n-3=n^{2}-n+1

いずれの場合も同じ式になるので,n≧2n\ge2 では an=n2−n+1a_{n}=n^{2}-n+1 先に確認した n=1n=1 の場合も含め,すべての自然数 nn について

(2)(ii) ∑k=1nak\displaystyle\sum\limits _{k=1}^{n}a_{k} ∑k=1nak=∑k=1n(k2−k+1)=∑k=1nk2−∑k=1nk+∑k=1n1\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{n}a_{k}=\sum\limits _{k=1}^{n}(k^{2}-k+1)=\sum\limits _{k=1}^{n}k^{2}-\sum\limits _{k=1}^{n}k+\sum\limits _{k=1}^{n}1 =n(n+1)(2n+1)6−n(n+1)2+n\displaystyle =\frac{n(n+1)(2n+1)}{6}-\frac{n(n+1)}{2}+n 通分して整理すると =n(n+1)(2n+1)−3n(n+1)+6n6=n{(n+1)(2n+1)−3(n+1)+6}6\displaystyle =\frac{n(n+1)(2n+1)-3n(n+1)+6n}{6}=\frac{n\{(n+1)(2n+1)-3(n+1)+6\}}{6} (n+1)(2n+1)−3(n+1)+6=(2n2+3n+1)−(3n+3)+6=2n2+4(n+1)(2n+1)-3(n+1)+6=(2n^{2}+3n+1)-(3n+3)+6=2n^{2}+4 より ∑k=1nak=n(2n2+4)6=n(n2+2)3\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{n}a_{k}=\frac{n(2n^{2}+4)}{6}=\frac{n(n^{2}+2)}{3}

(3) 番号2020番の格子点 (∗)(\ast) より Sm=(2m−1)2S_{m}=(2m-1)^{2} は mm について単調増加であるから,Sm≦2020<Sm+1S_{m}\le 2020<S_{m+1} となる mm を探す。 432=1849,452=202543^{2}=1849,\qquad 45^{2}=2025 より S22=1849≦2020<2025=S23S_{22}=1849\le 2020<2025=S_{23} であるから m=22m=22。

第22区間内での番号2020の位置を,対応表の各段の番号の範囲で確認する(区間の全長は 8m=1768m=176 で S23−S22=2025−1849=176S_{23}-S_{22}=2025-1849=176 と一致する)。

・ 上へ移動の段:番号 S22+1=1850S_{22}+1=1850 から S22+2m=1893S_{22}+2m=1893

・ 左へ移動の段:番号 18941894 から S22+4m−1=1849+87=1936S_{22}+4m-1=1849+87=1936

・ 上へ1回の段:番号 19371937

・ 右へ移動の段:番号 S22+4m=1937S_{22}+4m=1937 から S22+6m=1849+132=1981S_{22}+6m=1849+132=1981

・ 下へ移動の段:番号 S22+6m=1981S_{22}+6m=1981 から S22+8m=2025S_{22}+8m=2025

1981≦2020≦20251981\le 2020\le 2025 であるから,番号2020は「下へ dd 回移動後」の段(x=2m+1=45x=2m+1=45 で一定)にある。 S22+6⋅22+d=2020 より 1849+132+d=2020 より d=39S_{22}+6\cdot22+d=2020\ \quad\text{より}\quad\ 1849+132+d=2020\ \quad\text{より}\quad\ d=39 (0≦d≦2m=440\le d\le 2m=44 を満たすので適する。)座標は (2m+1, 2m+1−d)=(45, 45−39)=(45,6)(2m+1,\,2m+1-d)=(45,\,45-39)=(45,6)。

よって番号2020番が付いた格子点の座標は (45,6)(45,6) である。

この問題で使う考え方

  • 漸化式
  • 総和記号と数列の和

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