以下,logx は自然対数 lnx を表す。曲線 C: y=x(logx)2 (x>0) について考える。 (1) y=x(logx)2 を積の微分法と合成関数の微分法により微分する。dxd(logx)2=2logx⋅x1 であるからy′=1⋅(logx)2+x⋅2logx⋅x1=(logx)2+2logx.さらにもう一度微分してy′′=2logx⋅x1+2⋅x1=x2(logx+1)(x>0). (2) y′′=0 となるのは logx=−1,すなわち x=e1 のときで,かつこのときに限る。x<e1 では logx<−1 より y′′<0,x>e1 では y′′>0 となり,x=e1 の前後で y′′ の符号が変わるから,C はここで凹凸が入れ替わる。よって変曲点は x=e1 にあり,y(e1)=e1(loge1)2=e1⋅(−1)2=e1であるからP(e1, e1).直線 OP は原点と P を通り,P の x 座標と y 座標が等しいので,その方程式は y=x である。この直線と C との交点の x 座標は,x>0 のもとでx(logx)2=x、すなわち x{(logx)2−1}=0、すなわち (logx)2=1、すなわち logx=±1、すなわち x=e, e1を満たす。x=e1 は P であるから,P と異なる交点は x=e のときで,y(e)=e(loge)2=e⋅12=eよりQ(e, e). (3) (1) の結果からy′(e)=(loge)2+2loge=1+2=3であるから,C 上の点 Q(e,e) における接線 ℓ の方程式はy−e=3(x−e)、すなわち y=3x−2e. (4)(i) 部分積分法により,u=logx, dv=xdx すなわち du=x1dx, v=2x2 とおくと∫xlogxdx=2x2logx−∫2x2⋅x1dx=2x2logx−21∫xdx=2x2logx−4x2+C.(C は積分定数。以下同様。) (4)(ii) 部分積分法により,u=(logx)2, dv=xdx すなわち du=2logx⋅x1dx, v=2x2 とおくと∫x(logx)2dx=2x2(logx)2−∫2x2⋅2logx⋅x1dx=2x2(logx)2−∫xlogxdx.(4)(i) の結果を代入して∫x(logx)2dx=2x2(logx)2−(2x2logx−4x2)+C=2x2(logx)2−2x2logx+4x2+C. (5) x≧1 の範囲で図形の形を調べる。(1) の結果よりy′=(logx)2+2logx=logx(logx+2).x≧1 では logx≧0 なので logx+2>0 であり,したがって y′≧0(等号は x=1 のときのみ)。よって C は x≧1 で単調に増加し,x=1 のとき y=1⋅(log1)2=0 を通る。また x≧1>e1 では常に logx>−1 より y′′=x2(logx+1)>0 であるから,C は x≧1 で(下に)凸である。凸関数のグラフはその接線より下にはならず,接線とは接点でのみ一致するから,x(logx)2≧3x−2e(x≧1),等号は x=e のときのみ成り立つ。すなわち区間 x≧1 全体で曲線 C は接線 ℓ 以上にある。 次に ℓ と x 軸との交点を求めると,3x−2e=0 より x=32e で,1<32e<e(実際 32e=32e≒1.81)である。x=1 では ℓ(1)=3−2e<0 であるから,区間 1≦x≦32e では ℓ は x 軸より下にあり,区間 32e≦x≦e で ℓ≧0 となる。 以上より,曲線 C (x≧1),接線 ℓ,x 軸で囲まれた図形は,x 軸に沿って (1,0) から (32e,0) まで,続いて ℓ に沿って (32e,0) から Q(e,e) まで,最後に C に沿って Q(e,e) から (1,0) まで戻る閉じた図形であり,その面積はS=∫1ex(logx)2dx−∫2e/3e(3x−2e)dxで与えられる(1≦x≦32e では下側境界が y=0 であり,その区間の ℓ の値は積分に寄与しない)。 (4)(ii) の結果より,F(x)=2x2(logx)2−2x2logx+4x2 を用いて∫1ex(logx)2dx=F(e)−F(1)=(2e2−2e2+4e2)−(0−0+41)=4e2−41=4e2−1.また∫2e/3e(3x−2e)dx=[23x2−2ex]2e/3e=(23e2−2e2)−(23⋅94e2−2e⋅32e)=(−2e2)−(−32e2)=6e2.したがってS=4e2−1−6e2=123(e2−1)−2e2=12e2−3.(数値検算:e2≒7.389 より S≒0.366>0 となり,図形の面積として妥当な正の値である。)