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福井大学/2009年度

福井大学 2009年 数学 第1問解答・解説

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1問題

福井大学2009年度第1問

空間内に平行六面体 ABCD-EFGH がある。

平行六面体ABCD–EFGHの図。下面の左手前にA、右手前にB、右奥にC、左奥にD、対応する上面にE,F,G,Hが示されている。辺AD、DC、DHは破線、ほかの辺は実線で描かれている。

t を 0 < t < 1 を満たす実数とし,辺 BC, CD, DH, HE, EF, FB を t : (1 − t) に内分する点を,それぞれ P₁, P₂, P₃, P₄, P₅, P₆ とする。AB→\overrightarrow{AB} = a⃗\vec{a}, AD→\overrightarrow{AD} = b⃗\vec{b}, AE→\overrightarrow{AE} = c⃗\vec{c} として,以下の問いに答えよ。

(1) 3つの線分 P₁P₄, P₂P₅, P₃P₆ の中点は一致することを示せ。また,この中点を M として,AM→\overrightarrow{AM} を a⃗\vec{a}, b⃗\vec{b}, c⃗\vec{c} を用いて表せ。

(2) 4点 P₁, P₂, P₃, P₅ が同一平面上にあるような t の値を求めよ。また,このとき6点 P₁, P₂, P₃, P₄, P₅, P₆ も同一平面上にあることを示せ。

(3) AB = AD = AE = 1, ∠BAD = ∠DAE = ∠EAB であるとき,(2)で求めた t に対して,線分 P₁P₂, P₁P₃ の長さの比および ∠P₁P₂P₃ の大きさを求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) 三中点は一致し、AM→=12(a⃗+b⃗+c⃗)\displaystyle \overrightarrow{AM}=\frac12(\vec a+\vec b+\vec c)。 (2) t=12\displaystyle t=\frac12、そのとき6点は係数和32\displaystyle \frac32の平面上。 (3) P1P2:P1P3=1:3,∠P1P2P3=120∘P_1P_2:P_1P_3=1:\sqrt3,\quad \angle P_1P_2P_3=120^\circ。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

点 AA を原点とする斜交座標を用いる。B=a⃗B=\vec a, D=b⃗D=\vec b, C=a⃗+b⃗C=\vec a+\vec b, E=c⃗E=\vec c, F=a⃗+c⃗F=\vec a+\vec c, H=b⃗+c⃗H=\vec b+\vec c である。各辺の始点から比 t:(1−t)t:(1-t) に内分するので P1=a⃗+tb⃗,P2=(1−t)a⃗+b⃗,P3=b⃗+tc⃗,P4=(1−t)b⃗+c⃗,P5=ta⃗+c⃗,P6=a⃗+(1−t)c⃗.\begin{aligned} P_1&=\vec a+t\vec b,&P_2&=(1-t)\vec a+\vec b,&P_3&=\vec b+t\vec c,\\ P_4&=(1-t)\vec b+\vec c,&P_5&=t\vec a+\vec c,&P_6&=\vec a+(1-t)\vec c. \end{aligned}

(1) 座標を対ごとに足すと P1+P4=P2+P5=P3+P6=a⃗+b⃗+c⃗.P_1+P_4=P_2+P_5=P_3+P_6=\vec a+\vec b+\vec c. よって3本の線分の中点は一致し、その中点を MM とすれば AM→=12(a⃗+b⃗+c⃗).\displaystyle \boxed{\overrightarrow{AM}=\frac12(\vec a+\vec b+\vec c)}.

(2) まず P1,P2,P3P_1,P_2,P_3 は一直線上にない。実際、P1P2→\overrightarrow{P_1P_2} の c⃗\vec c の係数は0、P1P3→\overrightarrow{P_1P_3} の c⃗\vec c の係数は t≠0t\ne0 なので、この2ベクトルは比例しない。したがって4点が同一平面上にあるための条件は、P1P5→\overrightarrow{P_1P_5} が P1P2→,P1P3→\overrightarrow{P_1P_2},\overrightarrow{P_1P_3} の一次結合で表せることである。a⃗,b⃗,c⃗\vec a,\vec b,\vec c は平行六面体の辺ベクトルなので互いに独立であり、係数を比較して判定できる。 P1P2→=−ta⃗+(1−t)b⃗,P1P3→=−a⃗+(1−t)b⃗+tc⃗,P1P5→=(t−1)a⃗−tb⃗+c⃗.\begin{aligned} \overrightarrow{P_1P_2}&=-t\vec a+(1-t)\vec b,\\ \overrightarrow{P_1P_3}&=-\vec a+(1-t)\vec b+t\vec c,\\ \overrightarrow{P_1P_5}&=(t-1)\vec a-t\vec b+\vec c. \end{aligned} P1P5→=λP1P2→+μP1P3→\overrightarrow{P_1P_5}=\lambda\overrightarrow{P_1P_2}+\mu\overrightarrow{P_1P_3} とおく。c⃗,a⃗,b⃗\vec c,\vec a,\vec b の係数を順に比較すると μt=1,−λt−μ=t−1,(λ+μ)(1−t)=−t.\mu t=1,\qquad -\lambda t-\mu=t-1,\qquad (\lambda+\mu)(1-t)=-t. 初めの2式から μ=1/t\mu=1/t, λ=(t−t2−1)/t2\lambda=(t-t^2-1)/t^2。これを最後の式に代入して −(1−t)3t2=−t,すなわち(1−t)3=t3.\displaystyle -\frac{(1-t)^3}{t^2}=-t, \quad\text{すなわち}\quad (1-t)^3=t^3. 0<t<10<t<1 だから 1−t=t1-t=t、従って t=1/2\boxed{t=1/2}。逆に t=1/2t=1/2 では λ=−3,μ=2\lambda=-3,\mu=2 が上の三つの係数式を満たすので、この値で4点は同一平面上にある。

t=1/2t=1/2 のとき、6点の斜交座標は P1=(1,1/2,0), P2=(1/2,1,0), P3=(0,1,1/2), P4=(0,1/2,1), P5=(1/2,0,1), P6=(1,0,1/2).P_1=(1,1/2,0),\ P_2=(1/2,1,0),\ P_3=(0,1,1/2),\ P_4=(0,1/2,1),\ P_5=(1/2,0,1),\ P_6=(1,0,1/2). どの点も係数の和が 3/23/2 なので、全て平面 x+y+z=3/2x+y+z=3/2 上にある。

(3) q=a⃗⋅b⃗=b⃗⋅c⃗=c⃗⋅a⃗q=\vec a\cdot\vec b=\vec b\cdot\vec c=\vec c\cdot\vec a とおく。t=1/2t=1/2 では P1P2→=b⃗−a⃗2,P1P3→=−2a⃗+b⃗+c⃗2,P2P1→=a⃗−b⃗2,P2P3→=c⃗−a⃗2.\displaystyle \overrightarrow{P_1P_2}=\frac{\vec b-\vec a}{2},\quad \overrightarrow{P_1P_3}=\frac{-2\vec a+\vec b+\vec c}{2},\quad \overrightarrow{P_2P_1}=\frac{\vec a-\vec b}{2},\quad \overrightarrow{P_2P_3}=\frac{\vec c-\vec a}{2}. 各辺の長さは1であるから、内積を展開して P1P22=1−q2,P1P32=3(1−q)2.\displaystyle P_1P_2^2=\frac{1-q}{2},\qquad P_1P_3^2=\frac{3(1-q)}{2}. ゆえに P1P2:P1P3=1:3\boxed{P_1P_2:P_1P_3=1:\sqrt3}。また P2P1→⋅P2P3→=q−14,∣P2P1→∣ ∣P2P3→∣=1−q2,\displaystyle \overrightarrow{P_2P_1}\cdot\overrightarrow{P_2P_3}=\frac{q-1}{4},\qquad |\overrightarrow{P_2P_1}|\,|\overrightarrow{P_2P_3}|=\frac{1-q}{2}, より cos⁡∠P1P2P3=−1/2\cos\angle P_1P_2P_3=-1/2。したがって ∠P1P2P3=120∘\boxed{\angle P_1P_2P_3=120^\circ}。

平行六面体の辺ベクトルを基底にした斜交座標で内分点を表示する。(2)では行列式による共面判定を引用せず、3点の張る平面上のベクトル表示を未知係数でおき、独立な辺ベクトルの係数比較で条件を導く。(3)は辺間内積を共通の値で表して長さと角を求める。詳しい解答はsolution_latexに記載。

この問題で使う考え方

  • 斜交座標
  • ベクトルの係数比較による共面条件
  • 内積と余弦定理

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