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福井大学/2009年度

福井大学 2009年 数学 第2問解答・解説

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1問題

福井大学2009年度第2問

次の条件によって定められる数列 {aₙ} に関して,以下の問いに答えよ。 a₁ = 1, aₙ₊₁ = aₙ − n/(n + 1)! (n = 1, 2, 3, …)

(1) 一般項 aₙ を求めよ。

(2) 2以上の自然数mに対して Σ(k=1 to m−1) aₖaₘ₋ₖ を求めよ。

(3) 不等式 (aₙ)²/a₂ₙ < 4ⁿ/√(2n + 1) (n = 1, 2, 3, …) が成り立つことを証明せよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) an=1n!\displaystyle a_n=\frac1{n!}。 (2) ∑k=1m−1akam−k=2m−2m!\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{m-1}a_ka_{m-k}=\frac{2^m-2}{m!}。 (3) an2a2n=(2nn)<4n2n+1\displaystyle \frac{a_n^2}{a_{2n}}=\binom{2n}{n}<\frac{4^n}{\sqrt{2n+1}}。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1)まず,漸化式の差を階乗の差に直す。 k(k+1)!=1k!−1(k+1)!.\displaystyle \frac{k}{(k+1)!}=\frac{1}{k!}-\frac{1}{(k+1)!}. これを k=1,…,n−1k=1,\ldots,n-1 について足すと, an=a1−∑k=1n−1k(k+1)!=1−∑k=1n−1(1k!−1(k+1)!)=1−(1−1n!)=1n!.\displaystyle \begin{aligned} a_n&=a_1-\sum\limits _{k=1}^{n-1}\frac{k}{(k+1)!}\\ &=1-\sum\limits _{k=1}^{n-1}\left(\frac{1}{k!}-\frac{1}{(k+1)!}\right)\\ &=1-\left(1-\frac{1}{n!}\right)=\frac{1}{n!}. \end{aligned} したがって an=1/n!a_n=1/n! である。n=1n=1 のときは和が空和となり,同じ式が成り立つ。

(2)一般項から,各項を二項係数で表すと akam−k=1k!(m−k)!=1m!(mk).\displaystyle a_k a_{m-k}=\frac{1}{k!(m-k)!}=\frac{1}{m!}\binom{m}{k}. 二項定理を用い,和に含まれない両端の項 k=0,mk=0,m を除けば, ∑k=1m−1akam−k=1m!∑k=1m−1(mk)=1m!(2m−(m0)−(mm))=2m−2m!.\displaystyle \begin{aligned} \sum\limits _{k=1}^{m-1}a_k a_{m-k} &=\frac{1}{m!}\sum\limits _{k=1}^{m-1}\binom{m}{k}\\ &=\frac{1}{m!}\left(2^m-\binom{m}{0}-\binom{m}{m}\right) =\frac{2^m-2}{m!}. \end{aligned}

(3)まず(1)から an2a2n=(2n)!(n!)2=(2nn).\displaystyle \frac{a_n^2}{a_{2n}}=\frac{(2n)!}{(n!)^2}=\binom{2n}{n}. そこで qn=2n+14n(2nn)\displaystyle q_n=\dfrac{\sqrt{2n+1}}{4^n}\binom{2n}{n} とおく。初項は q1=3/2<1q_1=\sqrt{3}/2<1 である。また,二項係数の隣接項比を整理すると qn+1qn=14(2n+2n+1)(2nn)2n+32n+1=2n+12n+22n+32n+1=1−1(2n+2)2<1(n≧1).\displaystyle \begin{aligned} \frac{q_{n+1}}{q_n} &=\frac{1}{4}\frac{\binom{2n+2}{n+1}}{\binom{2n}{n}}\sqrt{\frac{2n+3}{2n+1}}\\ &=\frac{2n+1}{2n+2}\sqrt{\frac{2n+3}{2n+1}} =\sqrt{1-\frac{1}{(2n+2)^2}}<1 \qquad(n\ge1). \end{aligned} よって qn≦q1<1q_n\le q_1<1 である。定義に戻すと (2nn)<4n2n+1,\displaystyle \binom{2n}{n}<\frac{4^n}{\sqrt{2n+1}}, したがって an2a2n<4n2n+1\displaystyle \frac{a_n^2}{a_{2n}}<\frac{4^n}{\sqrt{2n+1}} を得る。

階差を望遠和にして一般項を求める。積の和は二項係数に直して二項定理で計算する。不等式は正規化した中心二項係数の初項と隣接項比を比較して示す。

この問題で使う考え方

  • 階差の望遠和
  • 二項定理で両端を除いた和を計算
  • 隣接項比による単調性と初項比較

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