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福井大学/2009年度

福井大学 2009年 数学 第4問解答・解説

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1問題

福井大学2009年度第4問

2次の正方行列 M の表す1次変換 f により,点 (2, 1) が点 (4, 2) に,点 (−1, 1) が点 (1, −1) にそれぞれ移っている。このとき,以下の問いに答えよ。

(1) 行列 M を求めよ。

(2) 1次変換 f により点 P が点 Q に移るとする。P が原点を除く座標平面上の点を動くとき,(OQ/OP)² のとり得る値の範囲を求めよ。ただし,Oは原点である。

(3) 定点 A₀(0, 1) をとり,f によりA₀の移る点をA₁とする。以下,iを自然数として,fによりAᵢの移る点をAᵢ₊₁とする。このとき自然数nに対して,点Aₙの座標を求めよ。また,点A₁, A₃, …, A₂ₙ₋₁, …は同一直線上にあることを示せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • M=(1210),3−5≦(OQ/OP)2≦3+5,An=(23(2n−(−1)n),13(2n+2(−1)n)),y=x2−1\displaystyle M=\begin{pmatrix}1&2\\1&0\end{pmatrix},\quad 3-\sqrt5\le( OQ/OP)^2\le3+\sqrt5,\quad A_n=\left(\frac23(2^n-(-1)^n),\frac13(2^n+2(-1)^n)\right),\quad y=\frac{x}{2}-1

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) M=(abcd)M=\begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix} とおく。与えられた対応から 2a+b=4,2c+d=2,−a+b=1,−c+d=−1.2a+b=4,\quad 2c+d=2,\quad -a+b=1,\quad -c+d=-1. これを解くと a=1,b=2,c=1,d=0a=1,b=2,c=1,d=0 だから M=(1210).\boxed{M=\begin{pmatrix}1&2\\1&0\end{pmatrix}}.

(2) P=(x,y)≠(0,0)P=(x,y)\ne(0,0) とすると Q=(x+2y,x)Q=(x+2y,x) である。x≠0x\ne0 の場合に t=y/xt=y/x とおくと (OQOP)2=(x+2y)2+x2x2+y2=F(t):=4t2+4t+2t2+1.\displaystyle \left(\frac{OQ}{OP}\right)^2 =\frac{(x+2y)^2+x^2}{x^2+y^2} =F(t):=\frac{4t^2+4t+2}{t^2+1}. 微分すると F′(t)=4(−t2+t+1)(t2+1)2.\displaystyle F'(t)=\frac{4(-t^2+t+1)}{(t^2+1)^2}. したがって臨界点は t−=1−52\displaystyle t_-=\dfrac{1-\sqrt5}{2}、t+=1+52\displaystyle t_+=\dfrac{1+\sqrt5}{2} であり、FF は t<t−t<t_- で減少、t−<t<t+t_-<t<t_+ で増加、t>t+t>t_+ で減少する。臨界点では t2=t+1t^2=t+1 なので F(t)=8t+6t+2,F(t−)=3−5,F(t+)=3+5.\displaystyle F(t)=\frac{8t+6}{t+2},\qquad F(t_-)=3-\sqrt5,\quad F(t_+)=3+\sqrt5. また lim⁡t→±∞F(t)=4\displaystyle \lim\limits _{t\to\pm\infty}F(t)=4 はこの2値の間にある。x=0x=0 のときも比の二乗は 44 である。よって取り得る範囲は 3−5≦(OQOP)2≦3+5.\displaystyle \boxed{3-\sqrt5\le\left(\frac{OQ}{OP}\right)^2\le3+\sqrt5}.

(3) An=(xn,yn)A_n=(x_n,y_n) とおくと、(1)から xn+1=xn+2yn,yn+1=xn,(x0,y0)=(0,1).x_{n+1}=x_n+2y_n,\qquad y_{n+1}=x_n, \quad (x_0,y_0)=(0,1). よって x1=2x_1=2 であり、n≧1n\ge1 では yn=xn−1y_n=x_{n-1} だから xn+1=xn+2xn−1.x_{n+1}=x_n+2x_{n-1}. この漸化式の特性方程式は r2−r−2=0r^2-r-2=0、すなわち (r−2)(r+1)=0(r-2)(r+1)=0 である。初期値 x0=0,x1=2x_0=0,x_1=2 を用いて xn=23(2n−(−1)n).\displaystyle x_n=\frac23\bigl(2^n-(-1)^n\bigr). したがって n≧1n\ge1 で yn=xn−1=13(2n+2(−1)n)\displaystyle y_n=x_{n-1}=\dfrac13\bigl(2^n+2(-1)^n\bigr) となり、この式は n=0n=0 でも y0=1y_0=1 を与える。ゆえに An=(23(2n−(−1)n), 13(2n+2(−1)n)).\displaystyle \boxed{A_n=\left(\frac23(2^n-(-1)^n),\ \frac13(2^n+2(-1)^n)\right)}. nn が奇数なら (−1)n=−1(-1)^n=-1 なので yn=2n−23=xn2−1.\displaystyle y_n=\frac{2^n-2}{3}=\frac{x_n}{2}-1. 従ってすべての奇数添字の点 A1,A3,…A_1,A_3,\ldots は直線 y=x2−1\displaystyle y=\dfrac{x}{2}-1 上にある。

この問題で使う考え方

  • 行列成分の一次方程式、商関数の微分と増減、2階漸化式の特性方程式。作者は(3)を座標漸化式で解いており、固有値・対角化への無証明依存はない。

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