本文へ進む
メニュー
医学部数学 過去問DB問題を探す

福井大学/2010年度

福井大学 2010年 数学 第4問解答・解説

このページには広告が含まれます。

1問題

福井大学2010年度第4問

p を0でない実数とし,行列 A, B をそれぞれ次のように定める。このとき,以下の問いに答えよ。 A = (p−1p12−p)\displaystyle \begin{pmatrix} p - \frac{1}{p} & 1 \\ 2 & -p \end{pmatrix},  B = (101p−1)\displaystyle \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ \frac{1}{p} & -1 \end{pmatrix}

(1) 等式 A^{-1} = aA + bE が成り立つ定数 a, b を p で表せ。ただし,E は2次の単位行列である。

(2) AB = C とおく。E + C の逆行列が存在することを示し,さらに自然数 m に対して等式 E - C + C^2 - C^3 + …\dots - C^{2m-1} = (E - C^{2m})(E + C)^{-1} が成り立つことを示せ。

(3) p = 3\sqrt{3} とし,自然数 n に対し D_n = E - C + C^2 - C^3 + ⋯\cdots - C^{6n-1} とおく。行列 D_n の表す1次変換により点 (2, 3) が点 (x_n, y_n) に移されるとする。x_n および ynxn\displaystyle \frac{y_n}{x_n} を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

必要な行列積を2次の成分計算で直接求める。有限交代和は右からE+Cを掛けると望遠鏡式に消去し、p=√3のときはC6C^6を直接計算して一般項を出す。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)a=1p2+1,b=1p(p2+1).\displaystyle \quad a=\frac1{p^2+1},\quad b=\frac1{p(p^2+1)}.\qquad (2)E+C\quad E+C は正則で、提示の等式が成り立つ..\qquad (3)xn=1−(−64)n,ynxn=3−1.\displaystyle \quad x_n=1-(-64)^n,\quad \frac{y_n}{x_n}=\sqrt3-1.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 行列の成分を掛けると A2=(p2+1p2−1p−2pp2+2),A2+1pA=(p2+1)E.\displaystyle A^2=\begin{pmatrix}p^2+\dfrac1{p^2}&-\dfrac1p\\[2pt]-\dfrac2p&p^2+2\end{pmatrix}, \qquad A^2+\frac1pA=(p^2+1)E. ここで p2+1≠0p^2+1\ne0 である。また AA と A+1pE\displaystyle A+\frac1pE の積は順序を入れ替えても同じなので、上の等式から A−1=1p2+1(A+1pE)=1p2+1A+1p(p2+1)E.\displaystyle A^{-1}=\frac{1}{p^2+1}\left(A+\frac1pE\right) =\frac{1}{p^2+1}A+\frac{1}{p(p^2+1)}E. したがって a=1p2+1,b=1p(p2+1).\displaystyle \boxed{a=\frac1{p^2+1},\qquad b=\frac1{p(p^2+1)}}.

(2) 各成分を計算すると C=AB=(p−11p),E+C=(p+1−11p+1).C=AB=\begin{pmatrix}p&-1\\1&p\end{pmatrix},\qquad E+C=\begin{pmatrix}p+1&-1\\1&p+1\end{pmatrix}. (p+1)2+1>0(p+1)^2+1>0 なので、 (E+C)−1=1(p+1)2+1(p+11−1p+1)\displaystyle (E+C)^{-1}=\frac1{(p+1)^2+1}\begin{pmatrix}p+1&1\\-1&p+1\end{pmatrix} が存在する。実際、右辺の分子を E+CE+C に左から掛けると ((p+1)2+1)E((p+1)^2+1)E になる。

S=E−C+C2−C3+⋯−C2m−1S=E-C+C^2-C^3+\cdots-C^{2m-1} とおく。右から E+CE+C を掛けると、隣り合う項が消去して S(E+C)=E−C2m.S(E+C)=E-C^{2m}. したがって右から (E+C)−1(E+C)^{-1} を掛ければ E−C+C2−C3+⋯−C2m−1=(E−C2m)(E+C)−1E-C+C^2-C^3+\cdots-C^{2m-1}=(E-C^{2m})(E+C)^{-1} を得る。

(3) p=3p=\sqrt3 では C2=(2−23232),C3=(0−880),C6=(C3)2=−64E.C^2=\begin{pmatrix}2&-2\sqrt3\\2\sqrt3&2\end{pmatrix},\qquad C^3=\begin{pmatrix}0&-8\\8&0\end{pmatrix},\qquad C^6=(C^3)^2=-64E. (2)で m=3nm=3n とすると、C6n=(−64)nEC^{6n}=(-64)^nE だから Dn=(1−(−64)n)(E+C)−1.D_n=(1-(-64)^n)(E+C)^{-1}. また (E+C)−1=15+23(1+31−11+3).\displaystyle (E+C)^{-1}=\frac1{5+2\sqrt3} \begin{pmatrix}1+\sqrt3&1\\-1&1+\sqrt3\end{pmatrix}. よって (xnyn)=Dn(23)=1−(−64)n5+23(5+231+33).\displaystyle \begin{pmatrix}x_n\\y_n\end{pmatrix} =D_n\begin{pmatrix}2\\3\end{pmatrix} =\frac{1-(-64)^n}{5+2\sqrt3} \begin{pmatrix}5+2\sqrt3\\1+3\sqrt3\end{pmatrix}. ゆえに xn=1−(−64)n,ynxn=1+335+23=3−1.\displaystyle \boxed{x_n=1-(-64)^n},\qquad \boxed{\frac{y_n}{x_n}=\frac{1+3\sqrt3}{5+2\sqrt3}=\sqrt3-1}. ここで n≧1n\ge1 より (−64)n≠1(-64)^n\ne1 なので、比は定義される。

この問題で使う考え方

  • 行列を用いた表現
  • ベクトルの成分表示

PR

数学を1対1で教わるオンライン塾「数強塾」

数強塾は、中学生・高校生のための数学専門のオンライン個別指導塾です。プロ講師がマンツーマンで教え、大学受験の数学にも対応しています。入塾の前に、今の学習状況と目標を確かめる診断授業(体験・3,000円、税込)を受けられます。

「数強塾」オンライン数学克服塾〈プロ講師〉

東大生と1対1で学べるオンライン個別指導「トウコベ」

トウコベは、東大生を中心に難関大学の学生が講師を務める、完全マンツーマンのオンライン個別指導です。はじめに、オンラインの説明会・勉強相談(無料)をWebで予約でき、その後にお試し授業を受けられます。

トウコベ公式サイト

似た問題を、ほかの大学で

答えや解説の誤りに気づいたら、お問い合わせから教えてください。