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東北大学/2010年度

東北大学 2010年 数学 第6問解答・解説

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1問題

東北大学2010年度第6問

xy 平面において, 原点を中心とし P(1, 0) を頂点の 1 つとする正 6 角形を X とする。A を 2 次の正方行列とし, X の各頂点 (x, y) に対して, 行列 A の表す移動

(x′y′)=A(xy)\left( \begin{array}{c} x ^ {\prime} \\ y ^ {\prime} \end{array} \right) = A \left( \begin{array}{c} x \\ y \end{array} \right)

で得られる点 (x′,y′)(x', y') はXの辺上の点(頂点を含む)であるとする。以下の問いに答えよ。

(1) 点 P が行列 A の表す移動で P 自身に移るとき, X の各頂点は X のいずれかの頂点に移ることを示せ。また, そのときの行列 A を求めよ。

(2) 点 P が行列 A の表す移動で X のある頂点に移るとき, X の各頂点は X のいずれかの頂点に移ることを示せ。また, そのときの行列 A を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

正六角形の頂点を位置ベクトルで表し、線形関係と境界の水平断面から可能な像を絞る。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)A=(1001)またはA=(100−1).(2)A=(cos⁡kπ3−sin⁡kπ3sin⁡kπ3cos⁡kπ3)またはA=(cos⁡kπ3sin⁡kπ3sin⁡kπ3−cos⁡kπ3),k=0,1,2,3,4,5.\displaystyle \begin{aligned} (1)\quad&A=\begin{pmatrix}1&0\\0&1\end{pmatrix}\quad\text{または}\quad A=\begin{pmatrix}1&0\\0&-1\end{pmatrix}.\\[1mm] (2)\quad&A=\begin{pmatrix}\cos\frac{k\pi}{3}&-\sin\frac{k\pi}{3}\\\sin\frac{k\pi}{3}&\cos\frac{k\pi}{3}\end{pmatrix} \quad\text{または}\quad A=\begin{pmatrix}\cos\frac{k\pi}{3}&\sin\frac{k\pi}{3}\\\sin\frac{k\pi}{3}&-\cos\frac{k\pi}{3}\end{pmatrix},\quad k=0,1,2,3,4,5. \end{aligned}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

正6角形の頂点を反時計回りに Vj=(cos⁡jπ3,sin⁡jπ3)(j=0,1,…,5)\displaystyle V_j=\left(\cos\frac{j\pi}{3},\sin\frac{j\pi}{3}\right)\quad(j=0,1,\ldots,5) とおく。特に V0=P=(1,0)V_0=P=(1,0)、V2=(−1/2,3/2)V_2=(-1/2,\sqrt3/2)、V4=(−1/2,−3/2)V_4=(-1/2,-\sqrt3/2) であり、V1=P+V2V_1=P+V_2 である。

(1) AP=PAP=P とし、AV2=(s,t)AV_2=(s,t) とおくと、線形性と V1=P+V2V_1=P+V_2 から AV1=P+(s,t)=(s+1,t)AV_1=P+(s,t)=(s+1,t)。仮定より (s,t)(s,t) と (s+1,t)(s+1,t) はともに正6角形の辺上にある。

∣t∣<3/2|t|<\sqrt3/2 のとき、正6角形の高さ tt における水平断面は −1+∣t∣3≦x≦1−∣t∣3\displaystyle -1+\frac{|t|}{\sqrt3}\le x\le1-\frac{|t|}{\sqrt3} で、その両端だけが辺上にある。この幅は 2−2∣t∣/3>12-2|t|/\sqrt3>1 である。一方、上の2点の xx 座標の差は1なので、ともに辺上の点になることはない。従って ∣t∣=3/2|t|=\sqrt3/2。このとき水平断面は辺 −1/2≦x≦1/2-1/2\le x\le1/2 であり、ss と s+1s+1 がともにこの区間に入るのは s=−1/2s=-1/2 の場合だけである。よって AV2=V2またはAV2=V4.AV_2=V_2\quad\text{または}\quad AV_2=V_4. P,V2P,V_2 は一次独立なので、AP=PAP=P と合わせると前者では A=(1001)A=\begin{pmatrix}1&0\\0&1\end{pmatrix}、後者では A=(100−1)A=\begin{pmatrix}1&0\\0&-1\end{pmatrix}。どちらも正6角形の各頂点を頂点に移す。

(2) AP=VkAP=V_k とする(k=0,1,…,5k=0,1,\ldots,5)。原点を中心に −kπ/3-k\pi/3 回転する図形の対称移動は正6角形の辺を保ち、VkV_k を PP に移す。これを像の2点 AV2,AV1AV_2,AV_1 に施すと、V1=P+V2V_1=P+V_2 より得られる2点は (s,t)(s,t) と (s+1,t)(s+1,t) の形で、いずれも辺上にある。上と同じ断面の議論により、回転後の AV2AV_2 は V2V_2 または V4V_4 である。したがって元の像は AP=Vk,AV2=Vk+2またはAV2=Vk+4AP=V_k,\qquad AV_2=V_{k+2}\quad\text{または}\quad AV_2=V_{k+4} となる(添字は6を法として読む)。P,V2P,V_2 は一次独立であるから、これら2点への像で AA は一意に定まる。座標を用いて書けば A=(cos⁡kπ3−sin⁡kπ3sin⁡kπ3cos⁡kπ3)またはA=(cos⁡kπ3sin⁡kπ3sin⁡kπ3−cos⁡kπ3).\displaystyle A=\begin{pmatrix}\cos\frac{k\pi}{3}&-\sin\frac{k\pi}{3}\\\sin\frac{k\pi}{3}&\cos\frac{k\pi}{3}\end{pmatrix} \quad\text{または}\quad A=\begin{pmatrix}\cos\frac{k\pi}{3}&\sin\frac{k\pi}{3}\\\sin\frac{k\pi}{3}&-\cos\frac{k\pi}{3}\end{pmatrix}. 前者は Vj↦Vj+kV_j\mapsto V_{j+k}、後者は Vj↦Vk−jV_j\mapsto V_{k-j} とし、いずれも全頂点を頂点に移す。各 k=0,1,…,5k=0,1,\ldots,5 について両方の行列が条件を満たす。

この問題で使う考え方

  • 三角比と相互関係
  • ベクトルの和・差・実数倍
  • 位置ベクトル
  • ベクトルの成分表示
  • ベクトルによる図形の考察
  • 行列を用いた表現

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