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福井大学/2016年度

福井大学 2016年 数学 第4問解答・解説

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1問題

福井大学2016年度第4問

表の出る確率が r,裏の出る確率が1−rであるコインがある。このコインを繰り返し投げ,表の出た回数と裏の出た回数の差の絶対値が2になったときにコイン投げを終了する。ちょうど2n回で終了する確率をpnp_nとし,2n回以下で終了する確率をqnq_nとする。ただし,nは正の整数とする。このとき,以下の問いに答えよ。

(1) pnp_n を求めよ。

(2) 無限級数 ∑n=1∞\displaystyle \sum\limits _{n=1}^{\infty} n pnp_n の和を求めよ。ただし,0≦s<1 に対して lim⁡n→∞\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}ns^n=0 であることを用いてもよい。

(3) r=1/4 のとき,qnq_n≧0.999 となる最小の n を求めよ。必要であれば,log_{10}2=0.3010,log_{10}3=0.4771 として計算せよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

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  • (1) p_n=(r²+(1−r)²){2r(1−r)}^{n−1}。(2) Σ_{n=1}^∞np_n=1/[r²+(1−r)²]。(3)qn=1−(3/8)n(3) q_n=1−(3/8)^n より最小nは8。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

表が出た回数から裏が出た回数を引いた値を SkS_k とする。差の絶対値2に初めて達するのは偶数回である。終了前の偶数時刻では S2j=0S_{2j}=0(偶数かつ絶対値が2未満)なので、そこから次の2投を一組として考える。組の中で表裏または裏表なら差は0に戻り、その確率は s=2r(1−r).s=2r(1-r). 同じ面が2回なら初めて差が ±2\pm2 となり、その確率は c=r2+(1−r)2=1−s.c=r^2+(1-r)^2=1-s. 従って、n−1n-1 組が終了せず最後の1組で止まる確率は pn=csn−1.p_n=cs^{n-1}.

(2) 0≦s≦1/20\le s\le 1/2 なので、まず有限和について恒等式 (1−s)∑n=1Nnsn−1=1−sN1−s−NsN\displaystyle (1-s)\sum\limits _{n=1}^N n s^{n-1}=\frac{1-s^N}{1-s}-Ns^N を得る。右辺の極限をとる。sN→0s^N\to0 であり、NsN→0Ns^N\to0 も成り立つ。実際、0<s≦1/20<s\le1/2 なら n≧2n\ge2 について (n+1)sn+1nsn=n+1ns≦n+12n≦34\displaystyle \frac{(n+1)s^{n+1}}{ns^n}=\frac{n+1}{n}s\le\frac{n+1}{2n}\le\frac34 だから、数列 nsnns^n は以後比が 3/43/4 以下で0に収束する。s=0s=0 の場合はすべての n≧1n\ge1 で nsn=0ns^n=0 となる。よって (1−s)∑n=1∞nsn−1=11−s,∑n=1∞npn=c(1−s)2=1c=1r2+(1−r)2.\displaystyle (1-s)\sum\limits _{n=1}^{\infty}n s^{n-1}=\frac1{1-s},\qquad \sum\limits _{n=1}^{\infty}np_n=\frac{c}{(1-s)^2}=\frac1c=\boxed{\frac1{r^2+(1-r)^2}}.

(3) r=1/4r=1/4 では s=3/8, c=5/8s=3/8,\ c=5/8 で qn=∑k=1npk=1−(38)n.\displaystyle q_n=\sum\limits _{k=1}^n p_k=1-\left(\frac38\right)^n. 与えられた常用対数から log⁡1038=0.4771−3×0.3010=−0.4259.\displaystyle \log_{10}\frac38=0.4771-3\times0.3010=-0.4259. log⁡10(38)7=−2.9813>−3\displaystyle \log_{10}\left(\frac38\right)^7=-2.9813>-3 なので (3/8)7>0.001(3/8)^7>0.001、従って q7<0.999q_7<0.999。一方 log⁡10(38)8=−3.4072<−3\displaystyle \log_{10}\left(\frac38\right)^8=-3.4072<-3 なので (3/8)8<0.001(3/8)^8<0.001、従って q8>0.999q_8>0.999。qnq_n は増加するから、求める最小の nn は 8.\boxed{8}.

表が出た回数から裏が出た回数を引いた値をSkS_kとする。差の絶対値2に初めて達するのは偶数回である。終了前の偶数時刻ではS2j=0S_{2j}=0(偶数かつ絶対値が2未満)なので、そこから次の2投を一組として考える。組の中で表裏または裏表なら差は0に戻り、その確率はs=2r(1−r)。同じ面が2回なら初めて差が±2となり、その確率はc=r²+(1−r)²=1−s。従って、n−1組が終了せず最後の1組で止まる確率はp_n=cs^{n−1}。

(2) 0≦s≦1/2なので、まず有限和について恒等式 (1−s)Σ_{n=1}^N n s^{n−1}=(1−s^N)/(1−s)−Ns^N を得る。右辺の極限をとる。s^N→0であり、Ns^N→0も成り立つ。実際、0<s≦1/2ならn≧2について ((n+1)s^{n+1})/(n s^n)=((n+1)/n)s≦(n+1)/(2n)≦3/4 だから、数列nsnns^nは以後比が3/4以下で0に収束する。s=0の場合はすべてのn≧1でnsn=0ns^n=0となる。ゆえに、(1−s)Σ_{n=1}^∞ n s^{n−1}=1/(1−s)、従ってΣnp_n=c/(1−s)^2=1/c=1/[r²+(1−r)²]。

(3) r=1/4ではs=3/8,c=5/8で、q_n=Σ_{k=1}^n p_k=1−(3/8)^n。与えられた常用対数からlog10(3/8)=0.4771−3×0.3010=−0.4259。n=7ならlog10((3/8)^7)=−2.9813>−3なので(3/8)7>0.001(3/8)^7>0.001、従ってq7<0.999q_7<0.999。n=8ならlog10((3/8)^8)=−3.4072<−3なので(3/8)8<0.001(3/8)^8<0.001、従ってq8>0.999q_8>0.999。qnq_nは増加するから最小のnは8である。

この問題で使う考え方

  • 停止までの独立な2投ブロック
  • 有限等比和の差と極限
  • 常用対数による整数判定

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