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福井大学/2019年度

福井大学 2019年 数学 第2問解答・解説

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1問題

福井大学2019年度第2問

変量 x のデータの値を x₁, …, xₙ,変量 y のデータの値を y₁, …, yₙ とする。変量 x の標準偏差を sₓ,変量 y の標準偏差を sᵧ とする。また,変量 x と変量 y の相関係数を r とする。このとき,以下の問いに答えよ。

(1) 変量 x の最大値を max(x),最小値を min(x) とする。このとき,sₓ ≦ max(x) − min(x) が成り立つことを示せ。さらに,等号成立の条件を調べよ。

(2) 変量 z のデータの値を z₁ = x₁ − y₁, …, zₙ = xₙ − yₙ とする。このとき,r = (sₓ² + sᵧ² − s_z²)/(2sₓsᵧ) が成り立つことを示せ。ただし,szs_z は変量 z の標準偏差とする。

(3) 次の表は,ある運動部に所属する10名の身長(変量 x,単位 cm)と体重(変量 y,単位 kg)のデータ,および変量 x,変量 y,変量 x − y の平均,分散,標準偏差を計算した結果である。ただし,y₁ < y₂ とする。

No.12345678910平均分散標準偏差
身長 x15716317818016416117918516516817083.49.13
体重 yy₁y₂63776163707962656564.88.05
x − y157 − y₁163 − y₂1151031039810910610310310519.04.36

① y₁, y₂ の値をそれぞれ求めよ。 ② 変量 x と変量 y の相関係数 r を求めて,このデータの傾向について説明せよ。なお,r の値は小数第3位を四捨五入して小数第2位まで求めよ。また必要ならば,9.13 × 8.05 ≒ 73.5 を用いてもよい。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)
    sx≦max(x)−min(x)s_x≤max(x)−min(x)。等号成立は全データが同じ値のときに限る。
  • (2)
    r=sx2+sy2−sz22sxsy\displaystyle r=\frac{s_x^2+s_y^2-s_z^2}{2s_xs_y}
  • (3)
    y1=50,y2=60,r=0.88y1=50, y2=60, r=0.88。身長と体重には強い正の相関がある。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) m=min⁡ixi, M=max⁡ixi, R=M−m とおく。平均を xˉ とすると m≦xˉ≦M だから ∣xi−xˉ∣≦R.したがってsx2=1n∑i=1n(xi−xˉ)2≦R2,sx≦M−m.R=0 なら全データが等しく等号成立。R>0 のとき最小値・最大値の両方が存在し、両方が平均から距離 R となることはできない。よって等号は成立しない。(2) cxy=1n∑i=1n(xi−xˉ)(yi−yˉ) とする。zˉ=xˉ−yˉ よりsz2=1n∑{(xi−xˉ)−(yi−yˉ)}2=sx2+sy2−2cxy.r=cxysxsy だから r=sx2+sy2−sz22sxsy.(3) 平均から y1+y2=10⋅65−(63+77+61+63+70+79+62+65)=110.偏差平方和は 10⋅64.8=648. 既知8名分は (−2)2+122+(−4)2+(−2)2+52+142+(−3)2+02=398.di=yi−65 とおけば d1+d2=−20,d12+d22=250,d1d2=400−2502=75.{d1,d2}={−15,−5}. y1<y2 より y1=50, y2=60.(2)より r=83.4+64.8−19.02⋅9.13⋅8.05=129.2146.993≒0.88. 高身長ほど高体重となる傾向の強い正の相関がある。\displaystyle \text{(1) }m=\min\limits _i x_i,\ M=\max\limits _i x_i,\ R=M-m\text{ とおく。平均を }\bar x\text{ とすると }m\leq\bar x\leq M\text{ だから }|x_i-\bar x|\le R. \text{したがって} s_x^2=\frac1n\sum\limits _{i=1}^n(x_i-\bar x)^2\le R^2,\quad\boxed{s_x\le M-m}. R=0\text{ なら全データが等しく等号成立。}R>0\text{ のとき最小値・最大値の両方が存在し、両方が平均から距離 }R\text{ となることはできない。よって等号は成立しない。} \text{(2) }c_{xy}=\frac1n\sum\limits _{i=1}^n(x_i-\bar x)(y_i-\bar y)\text{ とする。}\bar z=\bar x-\bar y\text{ より} s_z^2=\frac1n\sum\{(x_i-\bar x)-(y_i-\bar y)\}^2=s_x^2+s_y^2-2c_{xy}. r=\frac{c_{xy}}{s_xs_y}\text{ だから }\boxed{r=\frac{s_x^2+s_y^2-s_z^2}{2s_xs_y}}. \text{(3) 平均から }y_1+y_2=10\cdot65-(63+77+61+63+70+79+62+65)=110. \text{偏差平方和は }10\cdot64.8=648.\text{ 既知8名分は }(-2)^2+12^2+(-4)^2+(-2)^2+5^2+14^2+(-3)^2+0^2=398. d_i=y_i-65\text{ とおけば }d_1+d_2=-20,\quad d_1^2+d_2^2=250,\quad d_1d_2=\frac{400-250}{2}=75. \{d_1,d_2\}=\{-15,-5\}.\text{ }y_1<y_2\text{ より }\boxed{y_1=50,\ y_2=60}. \text{(2)より }r=\frac{83.4+64.8-19.0}{2\cdot9.13\cdot8.05}=\frac{129.2}{146.993}\fallingdotseq\boxed{0.88}.\text{ 高身長ほど高体重となる傾向の強い正の相関がある。}

(1) m=min⁡(x), M=max⁡(x), R=M−m\displaystyle m=\min(x),\ M=\max(x),\ R=M-mとする。平均値も mm 以上 MM 以下なので各 ii について ∣xi−平均∣≦R|x_i-\text{平均}|\leq R であり、分散の平均から sx2≦R2s_x^2\leq R^2、よって sx≦Rs_x\leq R。R=0R=0 なら全データが等しく等号。R>0R>0 なら最小値と最大値の両方が存在し、両者が平均からともに距離 RR となることは不可能なので少なくとも不等号は一つ厳しく、等号はない。(2) zi=xi−yiz_i=x_i-y_i とし、共分散を cxy=1n∑(xi−平均x)(yi−平均y)\displaystyle c_{xy}=\frac1n\sum(x_i-\text{平均}x)(y_i-\text{平均}y) とおくと、sz2=sx2+sy2−2cxys_z^2=s_x^2+s_y^2-2c_{xy}。また r=cxysxsy\displaystyle r=\frac{c_{xy}}{s_xs_y} だから所定の式を得る。(3) yy の平均から y1+y2=110y_1+y_2=110。平均65での偏差平方和は 10×64.8=64810\times64.8=648。既知8人の偏差平方和は398だから、di=yi−65d_i=y_i-65 とすると d1+d2=−20, d12+d22=250d_1+d_2=-20,\ d_1^2+d_2^2=250。従って d1d2=(−20)2−2502=75\displaystyle d_1d_2=\frac{(-20)^2-250}{2}=75 であり、d1,d2d_1,d_2 は −15,−5-15,-5。y1<y2y_1<y_2 より y1=50, y2=60y_1=50,\ y_2=60。(2)を使うと r=83.4+64.8−19.02⋅9.13⋅8.05=129.2146.993≈0.87895\displaystyle r=\frac{83.4+64.8-19.0}{2\cdot9.13\cdot8.05}=\frac{129.2}{146.993}\approx0.87895 で、小数第2位まで 0.880.88。正の値で大きいため強い正の相関といえる。

この問題で使う考え方

  • 最大値・最小値による評価
  • 偏差平方和の恒等式
  • 平均・分散から未知データを復元

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