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浜松医科大学/2017年度/前期

浜松医科大学 2017年 数学 第1問解答・解説

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1問題

浜松医科大学2017年度第1問配点 50点

以下の問いに答えよ。

(1) ∣z∣≦∣z−(3+i)∣|z|\leq|z-(\sqrt{3}+i)|,∣z−z‾∣≦1|z-\overline{z}|\leq1 および ∣z−2i∣≦2|z-2i|\leq2 を同時にみたす複素数 zz に対応する点の領域を複素数平面上に図示せよ。

(2) (1)で得られた領域内の点に対応する複素数のうち,実部が最大となるものを α\alpha,実部と虚部の和が最大となるものを β\beta とするとき,α\alpha と β\beta を求めよ。

(3) 次の式で定義される wnw_n の実部を RnR_n とするとき,無限級数 ∑n=1∞Rn\displaystyle\sum\limits _{n=1}^{\infty}R_n の和を求めよ。wn={1+(2−3)i}(3+i)3(n−1)24(n−1)(n=1,2,3,… )\displaystyle w_n=\frac{\{1+(2-\sqrt{3})i\}(\sqrt{3}+i)^{3(n-1)}}{2^{4(n-1)}}\quad(n=1,2,3,\dots)

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

絶対値条件を座標平面の円と半平面の条件に直して領域を確定し、線形な目的量に上界を与える。最後は複素等比級数の実部を求める。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)D={x+iy | x2+(y−2)2≦4, −12≦y≦12, 3x+y≦2}\displaystyle (1)\quad D=\left\{x+iy\space{}\middle|\space{}x^2+(y-2)^2\le4,\space{}-\frac12\le y\le\frac12,\space{}\sqrt3x+y\le2\right\} \quad(境界の主な点は (0,0), (1,2−3), (−72,12), (32,12)\displaystyle (0,0),\space{}(1,2-\sqrt3),\space{}\left(-\frac{\sqrt7}{2},\frac12\right),\space{}\left(\frac{\sqrt3}{2},\frac12\right));

    (2) α=1+(2−3)i, β=32+12i;\displaystyle (2)\space{}\alpha=1+(2-\sqrt3)i,\space{}\beta=\frac{\sqrt3}{2}+\frac12i;
    (3) ∑n=1∞Rn=235.\displaystyle (3)\space{}\displaystyle\sum\limits _{n=1}^{\infty}R_n=\frac{2\sqrt3}{5}.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 実数x,yx,yを用いてz=x+iyz=x+iyとおく。まず ∣z∣≦∣z−(3+i)∣|z|\le |z-(\sqrt3+i)| を両辺平方して整理すると x2+y2≦(x−3)2+(y−1)2と同値な条件は3x+y≦2x^2+y^2\le (x-\sqrt3)^2+(y-1)^2 \quad\text{と同値な条件は}\quad \sqrt3x+y\le2 を得る。また ∣z−z‾∣=∣2iy∣=2∣y∣≦1と同値な条件は−12≦y≦12.\displaystyle |z-\overline z|=|2iy|=2|y|\le1 \quad\text{と同値な条件は}\quad -\frac12\le y\le\frac12. さらに ∣z−2i∣≦2と同値な条件はx2+(y−2)2≦4.|z-2i|\le2 \quad\text{と同値な条件は}\quad x^2+(y-2)^2\le4. したがって求める領域Dは、三つの不等式 x2+(y−2)2≦4,−12≦y≦12,3x+y≦2\displaystyle x^2+(y-2)^2\le4,\qquad -\frac12\le y\le\frac12,\qquad \sqrt3x+y\le2 をすべて満たす点(x,y)(x,y)全体である。円の不等式から x2≦y(4−y)x^2\le y(4-y) であり、−12≦y≦12\displaystyle -\frac12\le y\le\frac12 と合わせると 0≦y≦12\displaystyle 0\le y\le\frac12 となる。

円 x2+(y−2)2=4x^2+(y-2)^2=4 と直線 3x+y=2\sqrt3x+y=2 の交点を求める。直線から x=(2−y)/3x=(2-y)/\sqrt3 なので (2−y)23+(y−2)2=4と同値な条件は(2−y)2=3.\displaystyle \frac{(2-y)^2}{3}+(y-2)^2=4 \quad\text{と同値な条件は}\quad (2-y)^2=3. 0≦y≦12\displaystyle 0\le y\le\frac12 を満たすのは y=2−3y=2-\sqrt3 で、このとき x=1x=1 である。上端 y=12\displaystyle y=\frac12 と円の交点は x=±72\displaystyle x=\pm\frac{\sqrt7}{2} だが、直線の条件も満たす上端の左端は (−72,12)\displaystyle (-\frac{\sqrt7}{2},\frac12) であり、右端は直線との交点 (32,12)\displaystyle (\frac{\sqrt3}{2},\frac12) である。よって、円の左側の弧 (0,0)(0,0) から (−72,12)\displaystyle (-\frac{\sqrt7}{2},\frac12) まで、円の右側の弧 (0,0)(0,0) から (1,2−3)(1,2-\sqrt3) まで、直線上の線分 (1,2−3)(1,2-\sqrt3) から (32,12)\displaystyle (\frac{\sqrt3}{2},\frac12) まで、および y=12\displaystyle y=\frac12 上の線分を境界とする閉領域を図示すればよい。

(2) 前問の yy の範囲で、円から x≦4y−y2x\le\sqrt{4y-y^2} であり、直線から x≦(2−y)/3x\le(2-y)/\sqrt3 である。y0=2−3y_0=2-\sqrt3 とおく。0≦y≦y00\le y\le y_0 では 4y−y2≦4y0−y02=14y-y^2\le4y_0-y_0^2=1 だから x≦1x\le1。一方 y0≦y≦12\displaystyle y_0\le y\le\frac12 では x≦2−y3≦2−y03=1.\displaystyle x\le\frac{2-y}{\sqrt3}\le\frac{2-y_0}{\sqrt3}=1. y=y0, x=1y=y_0,\ x=1 は円と直線の交点なので領域に含まれる。したがって実部の最大値をとる点は α=1+(2−3)i.\alpha=1+(2-\sqrt3)i.

次に、直線の条件と y≦12\displaystyle y\le\frac12 より x+y≦2−y3+y=23+y(1−13)≦1+32,\displaystyle x+y\le\frac{2-y}{\sqrt3}+y =\frac2{\sqrt3}+y\left(1-\frac1{\sqrt3}\right) \le\frac{1+\sqrt3}{2}, ここで 1−13>0\displaystyle 1-\frac1{\sqrt3}>0 を用いた。(x,y)=(32,12)\displaystyle (x,y)=(\frac{\sqrt3}{2},\frac12) は直線上にあり、 x2+(y−2)2=34+94=3≦4\displaystyle x^2+(y-2)^2=\frac34+\frac94=3\le4 だから領域内にあり、この点で上の等号が成り立つ。よって β=32+12i.\displaystyle \beta=\frac{\sqrt3}{2}+\frac12i.

(3) 極形式とド・モアブルの定理より 3+i=2(cos⁡π6+isin⁡π6),(3+i)3=8i.\displaystyle \sqrt3+i=2\left(\cos\frac{\pi}{6}+i\sin\frac{\pi}{6}\right),\qquad (\sqrt3+i)^3=8i. したがって wn={1+(2−3)i}(i2)n−1.\displaystyle w_n=\{1+(2-\sqrt3)i\}\left(\frac{i}{2}\right)^{n-1}. 公比の絶対値は 12<1\displaystyle \frac12<1 なので、部分和の極限をとると ∑n=1∞wn=1+(2−3)i1−i2=45{1+(2−3)i}(1+i2).\displaystyle \sum\limits _{n=1}^{\infty}w_n =\frac{1+(2-\sqrt3)i}{1-\frac i2} =\frac45\{1+(2-\sqrt3)i\}\left(1+\frac i2\right). 各部分和の実部をとって極限をとれば ∑Rn\displaystyle \sum R_n となるから、 ∑n=1∞Rn=45(1−2−32)=235.\displaystyle \sum\limits _{n=1}^{\infty}R_n =\frac45\left(1-\frac{2-\sqrt3}{2}\right) =\frac{2\sqrt3}{5}.

この問題で使う考え方

  • 円の方程式
  • 不等式の表す領域
  • 複素数平面
  • 複素数の極形式
  • ド・モアブルの定理
  • 無限等比級数

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