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広島大学/2006年度/前期

広島大学 2006年 数学 第5問解答・解説

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1問題

広島大学2006年度第5問

関数 f(x)=x+xx2−1\displaystyle f(x)=x+\dfrac{x}{x^2-1} について,次の問いに答えよ。

(1) f(x)f(x) の増減と極値を調べて,y=f(x)y=f(x) のグラフをかけ。

(2) y=f(x)y=f(x) のグラフと直線 y=mxy=mx の交点が3個になるような mm の値の範囲を求めよ。

(3) m<0m<0 のとき,y=f(x)y=f(x) のグラフと直線 y=mxy=mx で囲まれた二つの部分の面積の和を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

分数関数を簡約して微分し、定義域ごとの増減と漸近線を調べる。直線との交点はx=0とx≠0の場合に分け、面積は奇関数の対称性と不定積分で求める。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) f′(x)=x2(x2−3)(x2−1)2\displaystyle f'(x)=\frac{x^2(x^2-3)}{(x^2-1)^2}。(−∞,−3)(-\infty,-\sqrt3) で増加、(−3,−1)(-\sqrt3,-1) で減少、(−1,1)(-1,1) で減少(x=0x=0で水平接線)、(1,3)(1,\sqrt3) で減少、(3,∞)(\sqrt3,\infty) で増加。極大値は −332\displaystyle -\frac{3\sqrt3}{2}、極小値は 332\displaystyle \frac{3\sqrt3}{2}。垂直漸近線 x=±1x=\pm1、斜漸近線 y=xy=x、原点を通る。
    (2) m<0m<0 または m>1m>1。
    (3) 二つの部分の面積の和は −m−ln⁡(1−m)-m-\ln(1-m)(m<0m<0)。

4解答

解答を見る途中式つきの解答

定義域は x≠±1x\ne\pm1 である。また f(x)=x3x2−1,f′(x)=x2(x2−3)(x2−1)2.\displaystyle f(x)=\frac{x^3}{x^2-1},\qquad f'(x)=\frac{x^2(x^2-3)}{(x^2-1)^2}. 分母は定義域上で正であり、(f'(x)) の符号は (x^2-3) の符号で決まる((x=0) では (f'(0)=0))。従って増減は次の通り。 xx<−3−3<x<−1−1<x<11<x<3x>3f↗↘↘↘↗\begin{array}{c|ccccc} x&x<-\sqrt3&-\sqrt3<x<-1&-1<x<1&1<x<\sqrt3&x>\sqrt3\\ \hline f&\nearrow&\searrow&\searrow&\searrow&\nearrow \end{array} (x=0) では接線が水平だが、増減は変わらない。極大値は (f(-3\sqrt3)=-33\sqrt3/2)、極小値は (f(3\sqrt3)=33\sqrt3/2) である。(f(0)=0)、(f) は奇関数であり、(x=±\pm1) は垂直漸近線、(f(x)-x=x/(x^2-1)→\to0)((x→\to±\pm∞\infty))より斜漸近線は (y=x) である。端での極限は lim⁡x→−1−f(x)=−∞,lim⁡x→−1+f(x)=+∞,lim⁡x→1−f(x)=−∞,lim⁡x→1+f(x)=+∞.\displaystyle \lim\limits _{x\to-1^-}f(x)=-\infty,\quad\lim\limits _{x\to-1^+}f(x)=+\infty, \quad\lim\limits _{x\to1^-}f(x)=-\infty,\quad\lim\limits _{x\to1^+}f(x)=+\infty. これらの増減・漸近線・原点をもとに各枝を描く。

(2) (x=0) は常に交点である。x≠0x\ne0 かつ m≠1m\ne1 では f(x)=mxすなわちx2x2−1=mすなわちx2=mm−1.\displaystyle f(x)=mx\quad\text{すなわち}\quad\frac{x^2}{x^2-1}=m\quad\text{すなわち}\quad x^2=\frac{m}{m-1}. 右辺が正となるのは (m<0) または (m>1) のときに限る。そのとき (x=±\pmm/(m−1)\sqrt{m/(m-1)}) は定義域内にあり、原点以外に2個の交点がある。(m=0) ではこの式から (x≠\ne0) の解はなく、(0<m<1) では右辺が負、(m=1) では方程式に解がなく、いずれも交点は原点だけである。従って求める範囲は m<0またはm>1.\boxed{m<0\quad\text{または}\quad m>1}.

(3) (m<0) とおき、(c=m/(m−1)\sqrt{m/(m-1)}) とすると (0<c<1) で、交点は (-c,0,c) である。(f) と (y=mx) はともに奇関数なので二つの部分の面積は等しい。(0<x<c) では直線が曲線より上ではなく、実際 (f(x)-mx>0)(下の式からも確認できる)であるから、面積の和 (S) は S=2∫0c{f(x)−mx} dx=2[1−m2x2+12ln⁡(1−x2)]0c.\displaystyle S=2\int_0^c\{f(x)-mx\}\,dx =2\left[\frac{1-m}{2}x^2+\frac12\ln(1-x^2)\right]_0^c. ここで (m=c^2/(c^2-1)) より (1-m=1/(1-c^2))、また (1-c^2=1/(1-m)) である。従って S=c21−c2+ln⁡(1−c2)=−m−ln⁡(1−m).\displaystyle S=\frac{c^2}{1-c^2}+\ln(1-c^2) =-m-\ln(1-m). よって面積の和は −m−ln⁡(1−m)(m<0).\boxed{-m-\ln(1-m)}\qquad(m<0). (t=-m>0) とすればこれは (t-ln⁡\ln(1+t)>0) であり、面積の正値とも一致する。

この問題で使う考え方

  • 商の微分
  • 分数関数の性質
  • 関数の極限
  • 導関数と増減
  • 極大・極小
  • 直線の方程式
  • 不定積分
  • 曲線で囲まれた面積

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