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広島大学/2016年度/前期

広島大学 2016年 数学 第3問解答・解説

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1問題

広島大学2016年度第3問

複素数平面上を、点 PP が次のように移動する。

1. 時刻0では、PP は原点にいる。時刻1まで、PP は実軸の正の方向に速さ1で移動する。移動後の PP の位置を Q1(z1)Q_1(z_1) とすると、z1=1z_1=1 である。

2. 時刻1に PP は Q1(z1)Q_1(z_1) において進行方向を π4\displaystyle \frac{\pi}{4} 回転し、時刻2までその方向に速さ 12\displaystyle \frac{1}{\sqrt{2}} で移動する。移動後の PP の位置を Q2(z2)Q_2(z_2) とすると、z2=3+i2\displaystyle z_2=\frac{3+i}{2} である。

3. 以下同様に、時刻 nn に PP は Qn(zn)Q_n(z_n) において進行方向を π4\displaystyle \frac{\pi}{4} 回転し、時刻 n+1n+1 までその方向に速さ (12)n\displaystyle \left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right)^n で移動する。移動後の PP の位置を Qn+1(zn+1)Q_{n+1}(z_{n+1}) とする。ただし nn は自然数である。

α=1+i2\displaystyle \alpha=\frac{1+i}{2} として、次の問いに答えよ。

(1) z3,z4z_3,z_4 を求めよ。

(2) znz_n を α,n\alpha,n を用いて表せ。

(3) PP が Q1(z1),Q2(z2),…Q_1(z_1),Q_2(z_2),\ldots と移動するとき、PP はある点 Q(w)Q(w) に限りなく近づく。ww を求めよ。

(4) znz_n の実部が (3)で求めた ww の実部より大きくなるようなすべての nn を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)z3=32+i,z4=54+54i.(2)zn=1+i−iαn−1.(3)w=1+i.(4)n=8m+2, 8m+3, 8m+4(m=0,1,2,…).\displaystyle \begin{aligned} (1)\quad&z_3=\frac32+i,\qquad z_4=\frac54+\frac54i.\\ (2)\quad&z_n=1+i-i\alpha^{n-1}.\\ (3)\quad&w=1+i.\\ (4)\quad&n=8m+2,\space{}8m+3,\space{}8m+4\quad(m=0,1,2,\ldots). \end{aligned}

3解答

解答を見る途中式つきの解答

各区間での移動距離は速さと時間の積である。時刻 nn から n+1n+1 までの進行方向は正の実軸から nπ/4n\pi/4 なので、移動ベクトルは zn+1−zn=(12)n(cos⁡nπ4+isin⁡nπ4)=αn.\displaystyle z_{n+1}-z_n=\left(\frac1{\sqrt2}\right)^n\left(\cos\frac{n\pi}{4}+i\sin\frac{n\pi}{4}\right)=\alpha^n. 従って zn+1=zn+αnz_{n+1}=z_n+\alpha^n(n≧1n\geq1)。n=1n=1 では z2=1+α=(3+i)/2z_2=1+\alpha=(3+i)/2 となり、原文の値とも一致する。

(1) α2=i/2\alpha^2=i/2, α3=(−1+i)/4\alpha^3=(-1+i)/4 より z3=z2+α2=32+i,z4=z3+α3=54+54i.\displaystyle z_3=z_2+\alpha^2=\frac32+i,\qquad z_4=z_3+\alpha^3=\frac54+\frac54i.

(2) z1=1z_1=1 から有限等比数列の和を用いて zn=1+∑j=1n−1αj=1+α(1−αn−1)1−α.\displaystyle z_n=1+\sum\limits _{j=1}^{n-1}\alpha^j =1+\frac{\alpha(1-\alpha^{n-1})}{1-\alpha}. ここで α/(1−α)=i\alpha/(1-\alpha)=i だから zn=1+i−iαn−1.z_n=1+i-i\alpha^{n-1}.

(3) ∣α∣=1/2<1|\alpha|=1/\sqrt2<1 なので zn→1+iz_n\to1+i。また、時刻 nn から n+1n+1 の間の点 PP は QnQ_n から距離が高々 ∣α∣n|\alpha|^n の線分上にある。この距離も 00 に近づくため、連続的に移動する点 PP 自体も w=1+iw=1+i に限りなく近づく。

(4) Re⁡(w)=1\operatorname{Re}(w)=1 であり、 Re⁡(zn)−1=Re⁡(−iαn−1)=(12)n−1sin⁡(n−1)π4.\displaystyle \operatorname{Re}(z_n)-1=\operatorname{Re}(-i\alpha^{n-1}) =\left(\frac1{\sqrt2}\right)^{n-1}\sin\frac{(n-1)\pi}{4}. よって求める条件は sin⁡((n−1)π/4)>0\sin((n-1)\pi/4)>0。n−1n-1 を8で割った余りが1,2,3のときなので、 n=8m+2,8m+3,8m+4(m=0,1,2,…).n=8m+2,\quad 8m+3,\quad 8m+4\qquad(m=0,1,2,\ldots).

この問題で使う考え方

  • 複素数平面の極形式
  • 有限等比数列
  • 複素数列の極限
  • 正弦の符号と剰余類

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