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北海道大学/2011年度

北海道大学 2011年 数学 第2問解答・解説

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1問題

北海道大学2011年度第2問

行列 A=(abcd)A=\begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix} について,以下の3つの条件を考える。

(i) a+d=ad−bc=0a + d = ad - bc = 0

(ii) A2=OA^2 = O

(iii) ある自然数 n に対して An=OA^{n}=O

このとき,次の問いに答えよ。

(1) (i)ならば(ii)であることを示せ。

(2) (iii)ならば ad - bc = 0 であることを示せ。

(3) (iii)ならば(i)であることを示せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) A²=O。(2)ad−bc=0(2) ad−bc=0。(3)a+d=0(3) a+d=0 かつ ad−bc=0ad−bc=0。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

τ=a+d\tau=a+d、Δ=ad−bc\Delta=ad-bc、I=(1001)I=\begin{pmatrix}1&0\\0&1\end{pmatrix} とおく。行列積を成分ごとに計算すると A2=(a2+bcb(a+d)c(a+d)bc+d2)=τA−ΔI,A^2=\begin{pmatrix}a^2+bc&b(a+d)\\c(a+d)&bc+d^2\end{pmatrix} =\tau A-\Delta I, すなわち A2−τA+ΔI=O.(*)A^2-\tau A+\Delta I=O.\tag{*} これはこの2次正方行列について成分計算で確かめた恒等式である。

(1)条件(i)は τ=Δ=0\tau=\Delta=0 を意味する。これを(*)に代入すると A2=OA^2=O、すなわち(ii)が成り立つ。

(2)(iii)を満たす最小の正整数を kk とする。k=1k=1 なら A=OA=O なので Δ=0\Delta=0。k≧2k\ge2 なら(*)の右から Ak−2A^{k-2} を掛けて Ak−τAk−1+ΔAk−2=OA^k-\tau A^{k-1}+\Delta A^{k-2}=O を得る。Ak=OA^k=O より ΔAk−2=τAk−1\Delta A^{k-2}=\tau A^{k-1}。さらに右から AA を掛けると ΔAk−1=τAk=O.\Delta A^{k-1}=\tau A^k=O. もし Δ≠0\Delta\ne0 なら Ak−1=OA^{k-1}=O となり、kk の最小性に反する。よって Δ=ad−bc=0\Delta=ad-bc=0。

(3)同じ最小の kk を用いる。k=1k=1 なら A=OA=O で、τ=Δ=0\tau=\Delta=0。k≧2k\ge2 なら(2)より Δ=0\Delta=0。(*)に右から Ak−2A^{k-2} を掛けると Ak−τAk−1=O.A^k-\tau A^{k-1}=O. Ak=OA^k=O だから τAk−1=O\tau A^{k-1}=O。最小性より Ak−1≠OA^{k-1}\ne O なので、少なくとも一つの成分が0でない。従って τ=0\tau=0。以上より a+d=0a+d=0 かつ ad−bc=0ad-bc=0、すなわち(i)が成り立つ。

τ=a+d、Δ=ad−bcとおくと、2×2成分計算からA²−τA+ΔI=Oが成り立つ。(1)はτ=Δ=0をこの恒等式に代入すれば成り立つ。(2)(3)はAk=OA^k=Oとなる最小の正整数kを使い、Δおよびτが0であることを最小性から順に示す。

この問題で使う考え方

  • 成分計算
  • 2×2恒等式
  • 最小の消滅指数

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