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三重大学/2003年度

三重大学 2003年 数学 第4問解答・解説

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1問題

三重大学2003年度第4問

行列 X = (xyzw)\begin{pmatrix}x&y\\z&w\end{pmatrix} に対し Δ(X) = xw − yz, X~\widetilde{X} = (w−y−zx)\begin{pmatrix}w&−y\\−z&x\end{pmatrix} とおく。また A, B は2行2列の行列で A + B は逆行列を持つとする。以下で,E は2次の単位行列を表す。

(1) X~\widetilde{X}X = XX~\widetilde{X} = Δ(X)E を示せ。また,A+B~\widetilde{A+B} = A~\widetilde{A} + B~\widetilde{B} を示せ。

(2) Δ(A+B)A(A+B)^{-1}B = Δ(B)A + Δ(A)B が成り立つことを示せ。

(3) A = (−7−1023)\begin{pmatrix}−7&−10\\2&3\end{pmatrix}, B = (a−a−1−11)\begin{pmatrix}a&−a−1\\−1&1\end{pmatrix} とおく。A + B が逆行列を持つための a の条件を求めよ。さらにこのとき C = (A(A+B)^{-1}B)^{2} が行列 E の実数倍になるような a の値を定め,また,そのときの行列 C を書け。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)
    widetilde(X)X=Xwidetilde(X)=Δ(X)E;widetilde(A+B)=widetilde(A)+widetilde(B)widetilde(X)X=Xwidetilde(X)=Δ(X)E; widetilde(A+B)=widetilde(A)+widetilde(B)
  • (2)
    Δ(A+B)A(A+B)−1B=Δ(B)A+Δ(A)BΔ(A+B)A(A+B)^−1B=Δ(B)A+Δ(A)B
  • (3)
    A+BA+Bが正則   ⟺  \iff a≠175\displaystyle a\ne\frac{17}{5}。CCがスカラー行列となるのはa=3a=3の場合に限り、そのときC=12E\displaystyle C=\frac12E。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

大問4(訂正版) X=(xyzw),X~=(w−y−zx),Δ(X)=xw−yzX=\begin{pmatrix}x&y\\z&w\end{pmatrix},\quad \widetilde X=\begin{pmatrix}w&-y\\-z&x\end{pmatrix},\quad \Delta(X)=xw-yz とする。

(1) 成分を掛け合わせると X~X=XX~=(xw−yz)E=Δ(X)E.\widetilde XX=X\widetilde X=(xw-yz)E=\Delta(X)E. また、X~\widetilde X の各成分は XX の成分に線形なので A+B~=A~+B~.\widetilde{A+B}=\widetilde A+\widetilde B.

(2) A+BA+B は逆行列をもち、(1) から (A+B)−1=A+B~Δ(A+B).\displaystyle (A+B)^{-1}=\frac{\widetilde{A+B}}{\Delta(A+B)}. 従って Δ(A+B)A(A+B)−1B=AA+B~B=AA~B+AB~B=Δ(A)B+Δ(B)A.\begin{aligned} \Delta(A+B)A(A+B)^{-1}B &=A\widetilde{A+B}B\\ &=A\widetilde A B+A\widetilde B B\\ &=\Delta(A)B+\Delta(B)A. \end{aligned}

(3) S=A+B=(a−7−a−1114),Δ(S)=5a−17.S=A+B=\begin{pmatrix}a-7&-a-11\\1&4\end{pmatrix},\qquad \Delta(S)=5a-17. よって SS が逆行列をもつ条件は a≠17/5a\ne17/5 である。また Δ(A)=Δ(B)=−1\Delta(A)=\Delta(B)=-1 なので (2) より、M=A(A+B)−1BM=A(A+B)^{-1}B とおくと (5a−17)M=−S,C=M2=S2(5a−17)2.\displaystyle (5a-17)M=-S, \qquad C=M^2=\frac{S^2}{(5a-17)^2}. ここで直接計算すると S2=(a2−15a+38−a2−8a+33a−35−a).S^2=\begin{pmatrix} a^2-15a+38&-a^2-8a+33\\ a-3&5-a \end{pmatrix}. CC が単位行列の実数倍となるには、特に S2S^2 の左下成分が 0 でなければならないから a−3=0a-3=0、すなわち a=3a=3 が必要である。この値は逆行列をもつ条件を満たし、そのとき S2=2E,(5a−17)2=4,S^2=2E,\qquad (5a-17)^2=4, より a=3,C=12E.\displaystyle \boxed{a=3,\qquad C=\frac12E}.

この問題で使う考え方

  • 成分計算
  • 随伴行列
  • 行列式
  • 逆行列の公式

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