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東京慈恵会医科大学/2015年度/前期

東京慈恵会医科大学 2015年 数学 第3問解答・解説

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1問題

東京慈恵会医科大学2015年度第3問

nn を2以上の整数の定数とする。xyxy 平面上に定点 A(1,0)A(1,0) がある。yy 軸上の点 PP を通り xx 軸に平行な直線上で,AP+PQ≦nAP+PQ\leq n をみたす点 QQ を考える。PP が yy 軸上を動くとき,QQ の存在範囲を D(n)D(n) とする。このとき,次の問いに答えよ。問い(1)では □\square にあてはまる適切な式を解答欄に記入せよ。   (1) D(n)D(n) は不等式 (オ)\boxed{\text{(オ)}} をみたす点 (x,y)(x,y) 全体である。また,D(2)D(2) を xyxy 平面上に図示せよ(xyxy 平面は解答用紙にある)。   (2) xyxy 平面上で xx 座標と yy 座標がともに整数である点を格子点と呼ぶ。D(n)D(n) に含まれる格子点の個数 S(n)S(n) を nn を用いて表せ。また,lim⁡n→∞S(n)(2n+1)2\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}\frac{S(n)}{(2n+1)^2} の値を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)(1)\quad (オ)  ∣x∣+1+y2≦n,D(2): −1≦x≦1,∣y∣≦(1−∣x∣)(3−∣x∣).\;|x|+\sqrt{1+y^2}\leq n,\qquad D(2):\space{}-1\leq x\leq1,\quad |y|\leq\sqrt{(1-|x|)(3-|x|)}.
    (2)S(n)=2n2−2n+1,lim⁡n→∞S(n)(2n+1)2=12.\displaystyle (2)\quad S(n)=2n^2-2n+1,\qquad \lim\limits _{n\to\infty}\frac{S(n)}{(2n+1)^2}=\frac12.

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 点 PP は yy 軸上にあり、PP を通る水平線上に QQ があるから、P=(0,y)P=(0,y)、Q=(x,y)Q=(x,y) と書ける。したがって AP=(1−0)2+(0−y)2=1+y2,PQ=∣x−0∣=∣x∣.AP=\sqrt{(1-0)^2+(0-y)^2}=\sqrt{1+y^2},\qquad PQ=|x-0|=|x|. よって、与えられた条件は ∣x∣+1+y2≦n|x|+\sqrt{1+y^2}\leq n となる。この式は、条件を満たす PP が存在するための必要条件であるだけでなく、これを満たす (x,y)(x,y) に対して P=(0,y)P=(0,y) とおけば実際に条件を満たすので十分でもある。ゆえに、空欄(オ)には ∣x∣+1+y2≦n\boxed{|x|+\sqrt{1+y^2}\leq n} が入る。

D(2)D(2) では 1+y2≧1\sqrt{1+y^2}\geq 1 より ∣x∣≦1|x|\leq 1。この範囲では 2−∣x∣≧12-|x|\geq 1 なので、元の不等式を平方して y2≦(2−∣x∣)2−1=(1−∣x∣)(3−∣x∣)y^2\leq (2-|x|)^2-1=(1-|x|)(3-|x|) と同値に変形できる。したがって、境界は −1≦x≦1-1\leq x\leq1 における y=±(1−∣x∣)(3−∣x∣)y=\pm\sqrt{(1-|x|)(3-|x|)} であり、その上下の弧で囲まれた内部を含む。境界は座標軸対称で、軸との交点は (±1,0)(\pm1,0)、(0,±3)(0,\pm\sqrt3) である。解答用紙には、この4点を通る左右・上下対称な境界を描き、内部を塗ればよい。

右向きのx軸と上向きのy軸を持つ座標平面に、左右・上下に対称な青い曲線で囲まれた領域D(2)が薄紫色で塗られている。境界上の黒い4点には、上から(0,√3)、左に(−1,0)、右に(1,0)、下に(0,−√3)と記され、原点はOと示されている。

薄く塗った部分が D(2)D(2) であり、実線の境界も含む。

(2) 格子点では x,yx,y は整数である。条件から 1+y2≦n\sqrt{1+y^2}\leq n、すなわち y2≦n2−1y^2\leq n^2-1 である。nn は整数なので、整数 yy は −(n−1)≦y≦n−1-(n-1)\leq y\leq n-1 に限られる。この範囲の各 yy について数える。

まず y=0y=0 のとき、∣x∣≦n−1|x|\leq n-1 であるから、該当する整数 xx は 2n−12n-1 個。

次に ∣y∣=m|y|=m(1≦m≦n−11\leq m\leq n-1)とする。このとき m2<m2+1<(m+1)2m^2<m^2+1<(m+1)^2 より m<1+m2<m+1m<\sqrt{1+m^2}<m+1。したがって ∣x∣≦n−1+m2|x|\leq n-\sqrt{1+m^2} を満たす整数 xx は ∣x∣≦n−m−1|x|\leq n-m-1 と同値であり、その個数は 2(n−m−1)+1=2n−2m−12(n-m-1)+1=2n-2m-1 個である。これは y=my=m と y=−my=-m のそれぞれに同じ個数ある。

以上より、重複なく全ての整数 yy を数えると S(n)=(2n−1)+2∑m=1n−1(2n−2m−1)=2n−1+2∑k=1n−1(2k−1)=2n−1+2(n−1)2=2n2−2n+1.\displaystyle \begin{aligned} S(n)&=(2n-1)+2\sum\limits _{m=1}^{n-1}(2n-2m-1)\\ &=2n-1+2\sum\limits _{k=1}^{n-1}(2k-1)\\ &=2n-1+2(n-1)^2\\ &=2n^2-2n+1. \end{aligned} ここで k=n−mk=n-m と置き換えた。また、∑k=1n−1(2k−1)=(n−1)2\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{n-1}(2k-1)=(n-1)^2 は、等差数列の和として計算した。

したがって lim⁡n→∞S(n)(2n+1)2=lim⁡n→∞2n2−2n+14n2+4n+1=12,\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}\frac{S(n)}{(2n+1)^2} =\lim\limits _{n\to\infty}\frac{2n^2-2n+1}{4n^2+4n+1} =\frac12, 最後は分子・分母を n2n^2 で割ればよい。検算として、n=2n=2 では y=0y=0 に3点、y=±1y=\pm1 に各1点の計5点となり、公式 2n2−2n+12n^2-2n+1 も5を与える。

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