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東京慈恵会医科大学/2021年度/前期

東京慈恵会医科大学 2021年 数学 第4問解答・解説

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1問題

東京慈恵会医科大学2021年度第4問

実数 tt は 0<t<10<t<1 をみたす定数とする。1辺の長さが1の正方形 A1B1C1D1A_1B_1C_1D_1 があり,四角形 An+1Bn+1Cn+1Dn+1 (n=1,2,3,…)A_{n+1}B_{n+1}C_{n+1}D_{n+1}\ (n=1,2,3,\ldots) を次のように帰納的につくる。

四角形 AnBnCnDnA_nB_nC_nD_n がつくられたとき,

・ 各辺 AnBn,BnCn,CnDn,DnAnA_nB_n, B_nC_n, C_nD_n, D_nA_n を t:1−tt:1-t に内分する点を,順に Hn,In,Jn,KnH_n,I_n,J_n,K_n とする。

・ AnJnA_nJ_n と BnKnB_nK_n の交点 An+1A_{n+1},BnKnB_nK_n と CnHnC_nH_n の交点 Bn+1B_{n+1},CnHnC_nH_n と DnInD_nI_n の交点 Cn+1C_{n+1},DnInD_nI_n と AnJnA_nJ_n の交点 Dn+1D_{n+1} を頂点として,四角形 An+1Bn+1Cn+1Dn+1A_{n+1}B_{n+1}C_{n+1}D_{n+1} をつくる。

△AnAn+1Kn\triangle A_nA_{n+1}K_n の面積を ana_n とするとき,無限級数 ∑n=1∞an\displaystyle \sum\limits _{n=1}^{\infty}a_n の和が 18\displaystyle \frac{1}{8} となるような定数 tt の値を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • t=1−12\displaystyle \boxed{t=1-\frac{1}{\sqrt2}}

3解答

解答を見る途中式つきの解答

第4問 u=1−tu=1-t とおき、d=1+u2d=1+u^2 とする。まず、現在の四角形が平行四辺形であると仮定し、アフィン変換でその頂点を A=(0,0),B=(1,0),C=(1,1),D=(0,1)A=(0,0),\quad B=(1,0),\quad C=(1,1),\quad D=(0,1) に移す。この変換は辺の内分比と直線の交点を保つので、各段階の作図を単位正方形で計算すればよい。内分点は H=(t,0)=(1−u,0), I=(1,t)=(1,1−u), J=(u,1), K=(0,u)H=(t,0)=(1-u,0),\ I=(1,t)=(1,1-u),\ J=(u,1),\ K=(0,u) である。

直線 AJAJ は y=x/uy=x/u、直線 BKBK は y=u(1−x)y=u(1-x) だから A′=AJ∩BK=(u2d,ud).\displaystyle A'=AJ\cap BK=\left(\frac{u^2}{d},\frac{u}{d}\right). 残る交点についても直線をパラメータ表示して連立すると B′=BK∩CH=(d−ud,u2d),C′=CH∩DI=(1d,d−ud),D′=DI∩AJ=(ud,1d).\displaystyle B'=BK\cap CH=\left(\frac{d-u}{d},\frac{u^2}{d}\right),\quad C'=CH\cap DI=\left(\frac1d,\frac{d-u}{d}\right),\quad D'=DI\cap AJ=\left(\frac{u}{d},\frac1d\right). ここで A′+C′=B′+D′=(1,1)A'+C'=B'+D'=(1,1) なので、新しい四角形も平行四辺形である。最初は正方形だから、この性質は帰納的に全ての段階で成り立つ。

単位正方形での新しい平行四辺形の面積比は、隣り合う辺ベクトルの成分を用いた面積公式から B′−A′=td(1,−u),D′−A′=td(u,1),ρ=t2(1+u2)d2=t2d.\displaystyle \begin{aligned} B'-A'&=\frac{t}{d}(1,-u),\quad D'-A'=\frac{t}{d}(u,1),\\ \rho&=\frac{t^2(1+u^2)}{d^2}=\frac{t^2}{d}. \end{aligned} この比が任意の親平行四辺形でも同じであることを成分で確かめる。親の頂点を AA、隣り合う辺ベクトルを p=(p1,p2),q=(q1,q2)p=(p_1,p_2),q=(q_1,q_2) とすれば、正方形の座標 (ξ,η)(\xi,\eta) は F(ξ,η)=A+ξp+ηqF(\xi,\eta)=A+\xi p+\eta q に写る。正方形座標での2つの辺ベクトルを v=(v1,v2),w=(w1,w2)v=(v_1,v_2),w=(w_1,w_2) とすると、その像は v1p+v2qv_1p+v_2q と w1p+w2qw_1p+w_2q である。成分を展開すると (v1p1+v2q1)(w1p2+w2q2)−(v1p2+v2q2)(w1p1+w2q1)=(p1q2−p2q1)(v1w2−v2w1).(v_1p_1+v_2q_1)(w_1p_2+w_2q_2)-(v_1p_2+v_2q_2)(w_1p_1+w_2q_1) =(p_1q_2-p_2q_1)(v_1w_2-v_2w_1). 任意の2辺ベクトル a=(a1,a2),b=(b1,b2)a=(a_1,a_2),b=(b_1,b_2) がつくる平行四辺形の面積は、底辺と高さを成分で表すと ∣a1b2−a2b1∣|a_1b_2-a_2b_1| である。従って親面積は ∣p1q2−p2q1∣|p_1q_2-p_2q_1|、子面積はこれに正方形座標での面積を掛けたものとなる。この共通因子は子と親の比で消えるので、正方形で求めた ρ\rho と同じ比になる。この説明は各段階の親平行四辺形に適用できる。 0<t<10<t<1 より 0<ρ<10<\rho<1 である。従って nn 段目の四角形の面積は ρn−1\rho^{n-1} となる。

同じ単位正方形上で、A=(0,0)A=(0,0)、K=(0,u)K=(0,u)、A′=(u2/d,u/d)A'=(u^2/d,u/d) だから [AA′K]=12⋅u⋅u2d=u32d.\displaystyle [AA'K]=\frac12\cdot u\cdot\frac{u^2}{d}=\frac{u^3}{2d}. 各段階のアフィン変換は面積を親四角形の面積倍にするので an=ρn−1u32d.\displaystyle a_n=\rho^{n-1}\frac{u^3}{2d}. したがって等比級数の和は ∑n=1∞an=u32d⋅11−ρ=u32(d−t2)=u32{1+u2−(1−u)2}=u24,\displaystyle \begin{aligned} \sum\limits _{n=1}^{\infty}a_n &=\frac{u^3}{2d}\cdot\frac1{1-\rho} =\frac{u^3}{2(d-t^2)}\\ &=\frac{u^3}{2\{1+u^2-(1-u)^2\}} =\frac{u^2}{4}, \end{aligned} ここで t=1−ut=1-u を用いた。これが 1/81/8 となるためには u2=1/2u^2=1/2。u=1−t>0u=1-t>0 なので u=1/2u=1/\sqrt2、従って t=1−12.\displaystyle \boxed{t=1-\frac1{\sqrt2}}.

この問題で使う考え方

  • 内分・外分点
  • 直線の方程式
  • ベクトルの成分表示
  • ベクトルによる図形の考察
  • 数学的帰納法
  • 等比数列の一般項と和
  • 無限等比級数

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